赤信号で車を停めた時、道路脇の看板に気が付いた。「#コロナ ここふんばりどきやに!」と大きな字。
面白いと思ったので、すかさず写真を撮り、家に戻ってから東京に住んでいる友達に送った。「東京は人が多いから新しい生活様式も大変そう。ここふんばりどきやに。」
すぐに返信が来た。「懐かしい言葉!関東に住んで何十年と経っても、故郷の言葉は忘れない。伊勢弁は柔らかくて温かい。」
伊勢弁は関西弁の系統ではあるが、大阪弁とは違う。関西の中でも京都の言葉に近い感じ。そしてその語尾が「やに」だったり「やん」だったり「なあ」だったりする。人によっては、似非関西弁と思うかもしれない。
名古屋の方の言葉とは、アクセントから違う。距離でなら関西より名古屋が近いのに、言葉が似ていないのは大きな川が人の往来を妨げていたからだろう。
今では橋もかかり、県境を越えて通勤するのも普通の時代。人が混じり合い一緒に仕事し一緒に遊んで、言葉も混じり合い病気も伝染する。
「ここふんばりどきやに。そやに。コロナうつったらあかんに。気ぃつけて生活しやんとなあ。」他所で、そんなふうに伊勢弁を話しても恥ずかしくない。西野カナだって伊勢弁を使っている。伊勢弁どっぷりの私が言っても説得力がないが、伊勢弁はかわいいに。
(舞)