新型コロナウイルス感染拡大で、危機的状況にある音楽文化を守るために開催を決断したのが、今月19日に津市大門周辺で「津ぅのどまんなかジャズフェスティバル」。例年より規模を縮小し、観客を事前登録の予約制にして管理するなど、新しい生活様式の中、安全に生演奏を楽しんでもらえる形を模索。コロナ問題の長期化も危惧されており、新しいイベントのあるべき姿をさぐる試金石にもなりそうだ。

 

TOP 同フェスは2015年より津市大門周辺を会場に毎年開催されており、プロアマ問わず、多くのミュージシャンが生演奏を披露。津市の中心市街地で本格的なジャズ演奏が楽しめる人気イベントとして、多くの人々が訪れている。今年も5月9日に開催を予定していたが、コロナ禍で中止を決断。しかし、同フェス実行委員会メンバーたちは、演奏の機会を失い、苦しむミュージシャンやライブハウスの苦境を目の当たりにし、音楽本来の形である生演奏を楽しんでもらう場を提供できないかと新たな形を模索。新型コロナに対抗するという決意を込め、「Against COVID-19」と銘打ち、新しい生活様式に即した試験的な形でのイベント開催となった。
規模を大幅に縮小し、3会場(和院、BRAN、Heart ポッポ)でゲストミュージシャンを含む11公演に絞った。各会場の定員もソーシャルディスタンスを確保できる人数のみ。参加希望者は、HPで名前や住所などを事前登録した上で、希望の公演を予約。参加希望者の居住地の感染状況などを予め確認し、各公演の予約をした人のみが入場できる。その上で、公演毎に入れ替えを行い、検温、消毒、三密の回避まで徹底する。
実行委員会代表の鵜飼仁さんは「色々なご意見があるのは承知しているが、新しい生活様式に即した形で音楽文化を守っていくために、どのようなイベントにすべきか懸命に考えた」と話す。
文化の灯は一度消えてしまえば、復活させるのは、そう容易ではない。新型コロナウイルス問題の長期化も危惧される中で、今後の試金石的な役割という意味でも今回のイベントの意義は大きいといえるだろう。
料金は各公演共通で、1000円+会場毎にワンドリンク。事前登録と公演の予約はHPから。下記のリンクからアクセスできる。

http://tsujazz.com/