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津市大門周辺でカラスが増え、特に雨が少ない時期になると、糞害で道路が真っ白になり、悪臭を放つなど地域住民や商店主たちを困らせている。ただ、カラスの餌となる生ゴミは、地域の人口や飲食店の数と共に減少しているだけでなく、管理もされるようになったため、増加の直接的な原因にはなっていないという推測も…。行政に対して、何らかの対策を求める声が地元から上がっている。
津観音の横の観音公園が、大門に集まるカラスたちのねぐら。近年少しずつ数が増え続けており、春から夏にかけての繁殖期になると、木の上に巣がかかる。その時期は特に気が立っているため、時には身体の小さい女性や子供に飛び掛かることもあるという。
木や電線の上で羽根を休めるカラスたちは、その上から大量の糞をする。特に雨の少なかった今年8月には道路が真っ白に染まり悪臭も放ち、景観の悪化と衛生面に懸念を抱く地域住民や商店主たちを困らせた。最近、雨が続いて洗い流されたものの、いずれ同じ状態に戻る。
しかし、なぜ大門地区にカラスが増え続けているか、原因は特定できていない。カラスが増える一般的な原因として上げられるのが、餌となる生ゴミ。しかし、津市や地域住民に確認しても、大門地区はひと昔前と比べると人口や飲食店の減少に伴い、生ゴミの量も大幅に減っている。ゴミの管理も、繁華街で不特定多数の人が出入りする地域の性質上、集積場を利用できる自治会に所属している住民以外に捨てられないよう、カギ付きの収集庫を置いている自治会もあるほど。収集庫が無い場所でも、ネットをかぶせているため、以前と比べると集積場の生ゴミをカラスに荒らされること自体がそう多くない。つまり、カラスは大門をねぐらにしているだけで、地域住民がゴミの管理を徹底しても根本解決にならない可能性があるということだ。津観音住職の岩鶴密伝さんも、カラスに悩まされ続けている一人。多くの人が集まる鬼押さえ節分会の前などに、高圧洗浄機で道路の糞を清掃にすることもあるが、個人での取り組みに限界を感じている。「中心市街地は津市の顔。糞で汚れているのは良くないので、何か行政による対策が必要だと思う」と語る。
しかし、いざ対策するにしてもカラスは、鳥獣保護管理法で守られている。許可を得ずに駆除や捕獲はできない。津市でも、カラスが農林水産物への被害を及ぼす場合は獣害としても扱うが、今回のようなケースは対象外。電力会社が送電設備につくった巣を撤去したり、人を襲ったカラスを捕獲・駆除する場合などに許可を出すことはあるが、現状は市として対策を行ってはいない。
もちろん、カラスに罪はないが、景観と衛生面の問題を考えると、なんらかの対策が必要と訴える声もうなずける。だが、知能が高いカラスに中途半端な対策は逆効果になり兼ねない。他所では、鷹匠による追い払いといった先進事例もある。状況をしっかりと確認し、どうするべきか考える必要があろう。
2020年9月24日 AM 5:00
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