待ち合わせに遅刻した。間に合う時刻に家を出たはずが、いつも見るテレビの上の時計が遅れていた。遅くなったと気づいたのは車に乗って時計を見てからである。
家にある時計のほとんどが電波時計。自分で買ったものは一つで、他は何かの記念品だったり、引き出物だったり。古い時計は捨ててしまった。電波時計でも電池が減れば遅れるだろうが、長持ちするのでいつも正確な時刻を表示している。
今回のトラブルで、時計が遅れるなんて考えもしなくなった自分に驚いた。時計は進んだり、遅れたりするもので、一日一度はテレビの時報と時計の時刻のずれを確認したものだ。
そういえば、テレビから七時の時報がなくなったのはいつだったろう。ピッピッピッピーという耳になじんだ音を久しく聞いていない。アナログ時代の記憶だ。
パソコンもスマホもインターネットにつながっていれば、サーバと同期して正確な時刻を表示する。web時報というものもあって、117と同じような声で時刻を教えてくれる。時刻合わせの必要はない。
目覚まし時計を五分進めておいたことが懐かしい。五分進めても、五分余裕があると思ってしまうから同じことなのに、段取りがうまくいくように思ってそうしていた。電波時計には五分進める機能はない。そこのところが少し残念だ。  (舞)