私にとって十二月はケーキの季節だ。クリスマスと言えばケーキ。裏返せば一年に一度ぐらいしかケーキを食べていないということである。
ケーキ屋さんはもとより、コンビニやスーパーマーケットにもケーキが置かれている。 いつでも簡単に買える。それなのにケーキを買って食べないのは、罪悪感が原因だ。生クリームと砂糖は健康と肥満と美容の大敵。気になることが多い。
思えば、好きなものを好きなだけ食べていたのは中学生の頃までだ。その頃はお小遣いも少なくて、ケーキを買うことができなかった。自由にお金が使えるようになった時には、太りすぎを心配するようになった。それから何十年。ケーキもクッキーもチョコレートも罪悪感なしには食べられない。
「もうここまで来たら何食べても良いやんか」と友達が言う。「コロナになるかもしれへんのに食べたいものを食べとかな」言われて私も同意する。私は十分に健康だし、太ったところで誰も見てない私しか気が付かない。我慢する必要などない。 食べたいのはコンビニのスイーツだ。いつも横目で通り過ぎるあのプリンとロールケーキとシュークリームとそれから。スイーツ棚の端から端まで食べてみたい。とりあえず、寝る前に一粒のチョコレートを解禁した。口中に広がる香りと甘さは幸せを運んでくる (舞)