照喜名隆充さんによる、オトナの手洗いうたの絵

照喜名隆充さんによる、オトナの手洗いうたの絵

津市で開かれている親子向けバリアフリーコンサート「KidsJazz」に出演している百本マイさんらが、新型コロナウィルス感染防止のため、手の洗い方を親しみやすい言葉とメロディで伝える大人向けの動画「オトナの手洗いうた」をYouTubeに今月公開した。
子供と比べて、改めて手洗いの方法を学ぶ機会が少ない大人に、楽しみながら覚えてもらうのが目的。
百本さんが歌う「もうかりまっか」「ボチボチでんな」「おいしいお茶でも」「点てましょか」といった詞に合わせ、実物の手で洗い方を紹介する動画で、真似すると、20秒以上しっかり洗うことができる。
また、同コンサートの音楽絵本劇場作画者で、イラストレーターの照喜名隆充さんが制作した絵を使ったスライドショー版のオトナの手洗いうた動画も、早くて今週中に公開。
百本さんは「大人にこそ、中高年にこそ、正しい方法で手を洗い、感染を予防してほしいと思い作りました」と話している。

(公社)津法人会(伊藤歳恭会長)は、5月27日(水)総会開催日に記念講演会(未来工業株式会社 取締役社長 山田雅裕氏 演題「日本一幸せな会社」に学ぶ~社員が繋ぐ、未来を拓く)を予定していたが、コロナウイルス感染症の拡大を受け、開催を中止する(延期を検討中)。
また、津法人会では、感染予防及び飛散防止の観点から、総会出席も、来場による出席から第8回通常総会出欠通知による「議決権行使書」提出もしくは「委任状」提出による総会出席を広く呼び掛けている。
問い合わせは、(公社)津法人会事務局☎059・225・1302。

米粉は製粉技術の進歩により用途が広がり、減少し続ける米の国内消費を伸ばすことを期待されている。県産米粉の普及に努め、地域農業の振興と健康への貢献を目指す任意団体「三重県の米粉を普及する会」=津市広明町=の平沢美奈子理事長、庄司勇木事務局長、玉野雅彦アドバイザーにインタビュー。新発売した県産米粉「みえこめこ」や、米粉料理の魅力などを聞いた。(敬称略。聞き手は本紙記者・小林真里子)

 

 

アドバイザー・玉野雅彦さん 多収米や新規需要米の生産に定評のある農家「㈲玉善」(松阪市嬉野黒野町)の取締役社長。

アドバイザー・玉野雅彦さん
多収米や新規需要米の生産に定評のある農家「㈲玉善」(松阪市嬉野黒野町)の取締役社長。

──同会発足の経緯を教えて下さい。
平沢 私が米粉の普及に取り組んだきっかけは、子供の小麦アレルギーでした。同じくアレルギーを持つ子のお母さんとの交流が多かったこともあり、ママたちを集めて食に関する勉強会をしたり、料理をしたりという活動を始めたのが約8年前です。
当時は奈良に住んでいたので関西中心に活動していたんですが、米粉について色々知ってもらいたくてパン屋さんやお好み焼き屋さんに行っても、皆、「良い食材なのはわかるけど、使うのは難しい。値段も高いし、ほかの店が使いだしたらうちも使うわ」「グルテンフリーって何?」という感じで、話も聞いてくれなかったんです。またスーパーにある米粉は、粒子が大きくて小麦粉より上新粉に近いものが多く、質が高いものも少なかったので、作れるメニューが限られているし、作っても美味しくない。そのため一般にも広がらないという印象でした。
そんなとき、私のセミナーを聴いて頂いた製粉会社の人から一緒に米粉を広めませんかというオファーを頂いたんですが、米粉を活動のメインにするつもりはなかったので、お断りしたんです。
でもその後、岡山県に製粉工場ができるということで見学に行ったら、かなり大規模だし、うまく稼働すれば小麦粉と同じくらいの値段・質の米粉を広められると聞いて、「それだったら未来があるんじゃないかな」「最新の製造方法などの情報も一般のママたちに

事務局長・庄司勇木さん 携わる「㈱日本開発研究所三重」(津市広明町)の代表取締役社長。

事務局長・庄司勇木さん
携わる「㈱日本開発研究所三重」(津市広明町)の代表取締役社長。

伝えれば考え方が変わるんじゃないか」と思い、米粉の普及活動を本格的にスタート。美魔女など、食に精通し情報発信力のある方に声をかけ、SNSで米粉の情報を発信するチームを作りました。
それから三重に移って来たんですが、SNSで情報が広がるのは良いし、米粉の販売価格は安くなったけど、流通に多額の費用がかかるのがネックでした。そこで米の生産・製粉・消費を地元でする地産地消の仕組みを確立したいと思い、親戚の同級生である庄司さんに相談しました。
そして2018年、渡会町のイベントに米粉をPRするブースを出展。「三重県産の米粉を使って普及活動をやってみますか!」という話になり、庄司さんの同級生の玉野さんも生産者として加わって下さいました。
翌19年、玉野さんが経営されている㈲玉善で、熊本県で開発された、米粉用として人気のお米「ミズホチカラ」を生産。同年、「三重の米粉を普及する会」を発足しました。そして玉善が作ったミズホチカラを使った「みえこめこ」を、今年2月に発売したんです。

理事長・平沢美奈子さん 三重県出身。食に関するコンサルティングなどを行う㈱ジェムフーディーズ(東京)の代表取締役社長。子供の小麦アレルギーを機に約8年前から米粉の普及活動を始め、2019年1月同社を設立。同年6月に「三重県の米粉を普及する会」を発足した。

理事長・平沢美奈子さん
三重県出身。食に関するコンサルティングなどを行う㈱ジェムフーディーズ(東京)の代表取締役社長。子供の小麦アレルギーを機に約8年前から米粉の普及活動を始め、2019年1月同社を設立。同年6月に「三重県の米粉を普及する会」を発足した。

──一般の米粉や、みえこめこの特徴は何ですか?
庄司 米粉は、小麦アレルギーの人が代用品として使えますし、ダマになりにくいので一般消費者にも扱いやすいです。油の吸収率が小麦粉より少ないため揚げ物がカリっとサクサクに仕上がるし、パンなどの生地に使うとモチモチに仕上がります。また、アミノ酸スコアが高いので栄養面でも優れています。
昔から和菓子などによく使われてきましたが、製粉技術が進み、デンプンの損傷が少なく、小麦粉に近い微細な粒を作れるようになったため、パンや洋菓子、麺など用途が広がりました。
みえこめこの製粉は、滋賀県の丸宮穀粉に委託し、湿式・気流式微粉砕機により粒度30μと70μに粉砕。粒度については、これから色々な人に使ってもらい、使い方の知見を高めニーズに応じた選択肢を用意したいです。
平沢 米粉を広めるにあたり、使い方が知られていないというのが一番のネックなんですね。 できれば県内で活躍されている料理教室の先生などに一緒に「みえこめこ」のレシピを開発してもらい、発信したいです。

一家に一袋、米粉を   企業と料理を共同開発したい

──一般消費者への普及についてお考えを聞かせてください。
玉野 家庭で使う小麦粉の中で、強力粉・中力粉・薄力粉の全てを米粉で置き換えるのは難しいけど、(グルテンの含有量が比較的少なく、洋菓子や揚げ物に使われる)薄力粉だけだったら簡単だと思います。強力粉は買わないけど、薄力粉は買うという人は多いですから、その一部でも米粉に置き換えてもらえれば。そして皆さんの台所に、薄力粉と米粉の両方が並んでいる状態になるとありがたいですね。
平沢 そうですね、一家に一袋、米粉を置いてもらいたいです。
庄司 シチューを作る際、とろみをつけるための片栗粉の代わりにもなります。家でお好み焼きを作るときも、米粉を使うと腹持ちが良いので食べる量が減りました。
平沢 お腹にドーンと来る感じがなくて、食べたあともしんどくないんですよね。

みえこめこ(粒度は30μ・70μの2種類。写真の商品は30μで5㎏1000円)

みえこめこ(粒度は30μ・70μの2種類。写真の商品は30μで5㎏1000円)

みえこめこを使ったシフォンケーキ(津市の米粉カフェ ワイワイワイの商品)

みえこめこを使ったシフォンケーキ(津市の米粉カフェ ワイワイワイの商品)

みえこめこを使った唐揚げ

みえこめこを使った唐揚げ

──みえこめこは現在、津や松阪市の3ケ所の洋菓子店・飲食店で使われているんですよね。
庄司 県内の多くのお店や企業にも使って頂きたいです。飲食店は使う食材にストーリーを求めていて、地産地消もその一つ。県産米粉がほしいという声は多いんです。
小麦粉と米粉の大きな違いはグルテンの有無。パンが膨らむのはグルテンの働きが大きいので、米粉だと膨らまないという場合も。一方、スポンジケーキなどの洋菓子はベーキングパウダーやメレンゲで膨らませるので、米粉を小麦粉の代わりに使いやすいんです。
玉野 米粉をパンなどに使う場合、小麦粉を少し混ぜると作りやすいし、米粉によって食感が変わり甘みが出ます。
平沢 そうですね。始めから米粉100%で作るのはハードルが高いので少しずつ試してもらったり、米粉にグルテンが入ってないぶん、違うものを加えて粘り気を出すなどの調整をしてもらえれば。
庄司 今は「小麦粉を使う既存の料理を、米粉を使って作る」という形なので、どうしても比較をされてしまう。例えば米粉のパンはモチモチしていて、既存のパンとは別のものと考えると美味しいけど、同じものと考えて味わうと違和感があるため、需要が減っている部分はあるかなと。
だから、例えば「米粉を使ったピザ」とかではなくて「米ザ」など、新たな名前の料理を、飲食店や企業などと共同で開発できれば。
平沢 感触として米粉を使ってみたいという企業さんが増えてきたと思っていたところ、新型コロナの問題が起こってしまいましたが、地域経済の一助になる地産地消を掲げて普及に取り組んでいきたいです。

 

 

米粉を三重の名産に!    需要増やし地域農業活性化へ

県産米粉の普及を目指す3名

県産米粉の普及を目指す3名

──今後の抱負を教えて下さい。
平沢 県内企業さんにお土産商品などに使ってもらって、「みえこめこ」というブランドのシールを貼って販売してもらい、県内外の人に知ってもらうという発信の仕方ができれば。それから、一般の人に使ってもらわないと中々普及しないので、料理教室など認知してもらう方法も考えていきたいです。
玉野 昨年は米粉用にミズホチカラを3t収穫しましたが、三重県独特のお米ではないので、やっぱり三重のブランド米で米粉に適した品種を見つけて生産し、みえこめこを作りたい。そうすることで、みえこめこの物語ができて、皆が使ってくれるようになるというのが一番の目標かな。
庄司 そうすれば、米粉が三重県の名産品になる。名産の米粉はまだあちこちにはないから、早い者勝ちですよね。
玉野 米の生産に協力してくれる農家は沢山あるので、需要が増えれば、今の100倍の量でも1000倍でも作れます。
平沢 そうやって地産地消、農業振興に繋げるのが理想ですよね。
イベントなど米粉の普及を考える場に企業の方にも加わってもらって輪が広がると、より良い結果になるんじゃないかなと。そのために、三重県のフードイノベーション課にもお力をくださいとお願いに行きました。
また生産者からも、「うちに米があるんだけどどうしたらいい?」と問い合わせがあります。そういう風に、興味を持って電話して頂いたり、「作った米を米粉にするという方法もあるのか」と認知してもらうことはすごく良いことだと思うんです。だから、今回のように新聞などの媒体も使って、認知が広がるといいなと思いますね。
──ありがとうございました。
三重県の米粉を普及する会への問い合わせは☎050・5361・9086へ。

[ 68 / 108 ページ ]« First...102030...6667686970...8090100...Last »