柚子をたくさんもらった。きれいな黄色が丸々と大きくて、みかんのようにそのまま食べられたら良いのに。
魚の塩焼きに絞ったり、白菜漬に散らしたり、紅白なますの酢に加えたりしたが、まだある。それで柚子味噌を作ることにした。
いつも使っているミックス味噌に柚子の皮のみじん切りとたっぷりの砂糖を加えゆっくり煮る。そこに柚子のしぼり汁を加えてひと煮たちで出来上がり。ジャムの要領で保存する。砂糖をたくさん入れるのがコツかと思う。
柚子味噌は野菜に合う。茹でた里芋や大根、コンニャクや豆腐にはもちろん、サラダのたれとしても使える。鶏肉や豚肉を柚子味噌にしばらく漬け込んでから焼くのも簡単で美味しい。
実をいうと、柚子の美味しさをわかるようになったのは近年のこと。以前は香りの強い食べ物を楽しめなかった。こんな風に使えるなら柚子の木を植えておいても良かったと思う。
数年前から、我が家の庭に柑橘系らしき木がある。植えた記憶はないので、鳥が運んだか、ゴミの袋からこぼれ落ちた種が発芽したと思われる。鋭いトゲや葉の形を見ると、柚子かもしれない。
この木が実をつけるのはいつになるだろう。桃栗三年柿八年柚子の大馬鹿十八年というそうだが、我が家の柚子で作った柚子味噌を食べられる日が来るだろうか。   (舞)