前葉泰幸津市長インタビュー(上)。昨年、全世界を襲い、津市民の生活や地域経済にも大きな影響を与えたコロナ禍。第三波が到来する中、津市を取り巻く状況や課題にどう対処していくかについて聞いた。            (聞き手・本紙報道部長・麻生純矢)

 

 

前葉泰幸津市長

前葉泰幸津市長

─明けましておめでとうございます。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大が津市にも大きな影響を与えました。新年早々、明るくない話題で申し訳ないのですが、市としての対策や市内の状況についてお聞かせ願えたらと思います。
また、健康面での不安だけでなく、収入が減ったり、職を失うなど経済的な面でも多くの悩みを抱えている市民も多いと思います。収束に向け、どのような取り組みを展開していくか改めて教えてください。
市長 第三波到来で、いつどこで感染者が出てもおかしくありません。職場、県外の発症者との濃厚接触者、家庭内での感染、保育士からの感染など色々な場所で感染が出ています。県庁や三重大学でのクラスターなどもありました。津市としては三重県、津保健所と連携を取りながら、正確な情報をお知らせし、誹謗中傷、噂、根拠のない情報の流布を止めなければなりません。SNSで拡散されるフェイクニュースを否定するのは、とても大変なので、個人情報に配慮しながら出来る限り正確な情報を出していくのが大切です。
もう一つは、正しい理解を改めて市民にお願いしないといけないと思っています。例えば、濃厚接触者になった生徒・児童は陰性であっても2週間休まなければなりません。親として行かせたい気持ちはあると思いますが、自宅待機中に熱が出たので再検査したら陽性だったというケースもあります。陽性者が入院後に自宅に戻って、職場復帰しようとした時に念のために検査を受けたら再陽性というケースも。ということは、入院した後の宿泊療養施設が必要だとわかります。ルールとして決められていることには根拠があるので、その考え方に沿った行動が大切です。
経済への影響は非常に大きく、昨年の緊急事態宣言が出た頃は、市民全体へのインパクトが大きかったので、給食費や水道料金の無料化などをやりました。全員がステイホームだった時期から、Go Toキャンペーンなども始まるなど、社会を動かしながらの感染防止対策が課題になった。社会が動いている以上、経済界は、まだら模様になっています。とても上手く行き始めた人と、相変わらず難しいと思う人、観光業界などは一旦良くなったけれど、またダメになっている人もいます。よりきめ細やかな対応が必要です。
時間軸で考えると、個人事業主や中小企業を対象とした持続化給付金は5月から始まり、給付基準に満たない会社は津市独自の給付金を出す対応もしました。一律10万円の定額給付金にしても今から数えると、だいぶ前の出来事です。現在では支給された200万円を使い切った会社は沢山あるので、次の一手を考える必要があります。国は一人親への支援の二回目をやっています。時間軸に沿った対応が必要ですし、個人や会社の状況によっては、出来る限り丁寧に対応をしていく必要があると感じています。
─飲食業界からも「もうもたない」という声も聞こえてきます。感染拡大防止と経済の両立は二律背反する要素もあるので、非常に難しい判断ですが、理想だけではいけないと思います。
市長 昨年に休業したセンターパレスの都シティ津も、なんとか継続したいと関係者には努力をして頂きましたが、お客様からのご利用に対して、必要な経費が賄えない状態になっていて、一旦止めるという決断になりました。
個人の飲食店は、何もしなければ、収入を得られなくなってしまいます。そこをどうやって支援するか。次の一手を早く打たなければならないと考えています。
(次号につづく)