講演する西田会長

講演する西田会長

9日、一志町歴史語り部の会(中尾瑛会長)が農村環境改善センター大ホールで歴史講演会を開いた。共催=津観光ガイドネット、後援=一志文化協会、JA三重中央。
講師は本紙会長で津観光ガイドネット会長でもある西田久光(71)。演題は「「こま犬あれこれ~三重県を中心に~」。西田会長は3年半に渡る県内全域の土の神「社日信仰」の調査結果をまとめ一昨年夏、『三重の社日信仰の今』を出版。今回のテーマ「こま犬」はこの時の調査の副産物。意外と知られていないこま犬の基礎知識から、県内各地の神社で出会った様々なこま犬の中から明治以前の年号が刻まれたこま犬、年号は不明だが明治以前とおぼしきこま犬、更にお気に入りのユニークなこま犬など50対の紹介まで2時間半にわたり講演した。要旨は以下の通り。
今はもっぱら神社に鎮座し「こま犬」と称されるが、元々は平安初期から宮中で御簾や几帳などパーテーションの重り兼魔除けとして使われたのが始まりで「獅子狛犬」と呼ばれた。玉座の印・獅子も、頭に角があるのが特徴の霊獣・狛犬もルーツは共に古代オリエント。特に獅子はインドで仏法の守護霊獣とされシルクロード、中国を経て仏教と共に日本に伝来した。その後、狛犬も伝来し、この2種の霊獣が対の魔除けになったが、江戸時代、全国各地の主に神社に置かれるようになると「狛犬」と単称されるようになった。
現存する組合せを見ると、実は一番多いのが獅子獅子。次が獅子狛犬。狛犬狛犬も極まれにあるし、首飾りが特徴の中国獅子もある。これに子持ち、玉取りのスタイルが加わる。また様式による分類で、こま犬界のスーパースター、細マッチョの大宝神社型、これをモデルにした岡崎古代型、もう一方のスーパースター、どっしりと威風堂々の籠神社型、おかっぱ頭の白山狛犬(越前禿)、大阪型、江戸型、出雲型に広島型、岡崎現代型など実に多種多様。仏像のように持ち物など色々取り決めがなく、自由な発想で製作できるのがこま犬の最大の魅力。