拡大した新型コロナウィルスの感染者数が減少してきたが、まだまだ気を緩めてはいけない。普段から個人や職場、家族一人ひとりの予防への意識が大切。不安が続く毎日だからこそ、日常の生活行動が重要だ。それが高齢者や、既往症がある人達を感染から守ることに繋がる。入院患者が特定の病院や地域に集中しないよう努めているが、全国的に医療機関の逼迫は深刻である。
病院や高齢者施設、その他の施設も検温、消毒、面会の制限などが徹底されている。これと同様に当社の患者搬送も、事前の情報や防護策を徹底して進めている。自らの体調に留意し、車内の飛沫防止対策やマスク、手袋、座席等のアルコール消毒など、やれることは全て実施している。万が一、体調が優れない患者の搬送時は、防護服やゴーグル、フェイスシールドなども装着する。運転にも更なる気配りが必要だ。
昨年末から新年にかけて、看護師が添乗して車内での吸痰処置や人工呼吸器の装着、自宅からの担架移送、深夜における市外への救急帰りなど、通常の転退院搬送が繰り返しあった。
普段どおりとは言え、気を抜くはできない。県内各地から依頼が入るため、搬送前にどのように準備すればよいのか入念に情報をチェックする。施設からではなく個人的に依頼がある患者の場合は、発熱の可否や現在の体調などを聞き取っている。搬送の段階でも、医療崩壊がないよう事前に状況を把握しなければならない。そうすることが、今の状況下では一番よい方法だ。
安心、安全、清潔に搬送するのが基本。コロナ禍で人との距離を取りがちな昨今だが、交通弱者を守り生活を支える重要な交通機関として、外出がどうしても必要な時、小さなことでも困っていたら、どんどん声をかけて欲しい。
やるべきことは明確だ。救急車をタクシー代わりにする利用者を減らし、本来必要な救急搬送を優先させて、軽症患者の輸送は我々が行う。心をつなぐ患者搬送として、一刻も早いコロナウイルスの終息を願いつつ、この窮地を乗り越えるため、日々の業務に励んでいきたい。
(民間救急 はあと福祉タクシー代表)