近頃人の顔が覚えられない。顔の半分以上がマスクだから無理もない。会った人が印象的なマスクだったりすると、それに気を取られて眼鏡をかけていたかどうかさえ思い出せないことがある。困った困った。
たぶん他の人も多かれ少なかれ似たような状況だろうと思う。髪の下の狭い範囲に眉と目がちらっと見えるだけだから、初対面だと年齢さえも分からないはず。受付や営業の人たちの仕事もやりにくくなっているだろう。
私は、人と話す時ににこにこ笑ったり、大口を開けたりすることがなくなった。息を大きく吐かないような話し方が身についてしまっている。
こんな生活を続けていると、コロナの脅威が去ってマスクを外した時に、きっと顔が変わっているだろう。表情筋を使っていないから、頬が垂れてブルドッグ顔になっていそうだ。怖い怖い。
マスク顔でのコミュニケーションはと考える。日本人は相手の目を見て話すことが苦手だと言われるが、もうそれではいけない。相手の目をしっかり見て、声の表情を聞いて、相手の気持ちを推しはかる必要がある。
伝えるテクニックも必要だ。目は口ほどにものを言うそうだが、私のようなモンゴロイドの眼瞼下垂では相手に訴える力も弱い。手話みたいな身振り手振りでコミュニケーション力をアップしようと思う。
(舞)