安濃町内多で開園に向け整備中の「ここファーム」

安濃町内多で開園に向け整備中の「ここファーム」

山本代表

山本代表

㈲S・K・Kが今月、津市安濃町内多3596に会員制の家庭菜園村「KOKO FARM(ここファーム)第1号」を開園する。農作物の栽培やガーデニングを通じて自然とふれあい、家庭菜園という文化を、ワクワク、ドキドキする最高のレクリエーションに育てる事が目的。
同社代表の山本芳世さんが家庭菜園村を始めようとしたきっかけは33年前に遡る。
山本さんは昭和48年、2人目の男子社員として㈱赤塚植物園に入社。現会長の考えであった『今後変革していくであろう日本の園芸業界』を勉強するため、昭和49年に米国カリフォルニア州サンゲービュリルにある大手園芸店・農場であるサンゲービュリルナーセリーで2年間、新しい園芸を学んだ。
その傍ら、州内の各地で市民、団体、家族が様々な形で菜園を楽しみ、また自分達の収穫物を通して社会奉仕に参画している場面を見て非常に興味を持ったという。
帰国後も赤塚植物園に勤務。15年後の昭和63年に「日本中に家庭菜園村を作りたい」との思いから退職した。
当時の農地法では、民間が農耕地を活用できない時代だったが、自身いわく「若さがなす行動」からチラシを作成、配布し仲間作りを始めたものの実現には至らなかった。以降、33年の月日が経たが、その思いは消えることなく現在に至っていた。
今回、事業化を決めた大きな要因は、近年、社会問題になっている耕作放棄地問題や、農家の後継者問題の解消。さらには家庭菜園を通してSDGSに貢献したいとの思いもあった。
第1号の場所は安濃川に沿った田園地帯にある約2500㎡。車で津市中心部から約20分、伊勢自動車道津インターから約5分程の交通便利な場所。
特長は、手間と時間のかかる土づくりは運営側が行い、整えられた状態の畑が用意されるため、会員がすぐに種や苗の植え付けができる点。農具も備え付けの物が利用できるため、道具の準備、保管場所に悩まされることもない。井戸、トイレ、バーベキューなどの共有スペースも完備する。
また『高野尾 花街道・朝津味』と協定を結び、会員が収穫した作物で自家消費できないものは『朝津味』で販売出来る。さらに今年中に安濃町内の数カ所で菜園村を開園する予定。
山本さんは「今後は会員広報誌の年1回の発行、HPから旬の野菜や花卉の植え時・育て方の情報発信、巡回アドバイザー、会員同士が交流できるアプリ導入、会員優待制度、日本の食の伝統行事・伝統食作り体験などをテーマに様々な催しを企画していきます」と話している。
4月10日㈯・11日㈰には募集説明会を開催(電話かホームページから要予約)。
問い合わせは☎059・261・6470。