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森林の荒廃が問題化する中、森林所有者による適切な森林管理とそれを促す森林所在地の市町村の森林管理の責務がより明確化された『森林経営管理制度』は開始から3年目を迎えた。市域の58%が森林を占める津市でも同制度に基づく事業を実施しており、現在は森林所有者に対して、森林を自己管理するのか、市への管理委託を希望するのかを確認する意向調査などを実施。所有者更なるの協力も不可欠だ。
森林経営管理法に基づく同制度の目的は大きく2つ。1つ目は林業の成長産業化。戦後や高度経済成長期に植栽された人工林のスギやヒノキが木材として利用可能な時期を迎えようとしており、「伐って、使って、植える」という森林の適切な経営管理をめざす。
もう一つは、森林資源の適正管理。森林は経済的な価値だけではなく、防災機能、水源涵養、景観形成、地球温暖化防止など、いわゆる多面的な機能で大きな役割を果たしている。しかし、林業の低迷によって資産価値を失った森林の多くが管理されないまま荒廃。相続登記も行われず、境界線が不明になっているケースも多い。
津市は市域の面積7万1119haの内、森林面積はその58%に当たる4万1533haを占めている。このうち3万3551haの民有の人工林中で、適切な整備が行われていない約2万5000haが制度の主な対象となる。津市は森林所有者を対象に、制度に基づく森林の適切な経営管理に取り組む前段階として、自己管理を行うのか、市への管理委託を希望するのかを確認する「経営意向調査」を実施。令和元年度は芸濃地域(3793ha)の2431名、令和2年度は美杉地域(1万6460ha)の4884名の計7315名に調査票を郵送している。うち回答があったのが、全体の52%に当たる3780名。そのうち委託希望は2641名と多数を占めていた。委託希望者の中には、そもそも相続で受け継いだ森林に入ったことがない人も多く、調査票を受け取って初めて自分が森林を所有していることを知ったというケースもあった。
一方、未回答は31%で市は回答を促す通知を行う予定。また、17%は宛先不明で返却されているため、固定資産税情報や登記簿で調査を行い、判明した所有者に再発送を行う。ただ登記が書き換えられないまま、何代にもわたって相続された結果、相続人が多数になっていたり、全国に散っているなど、調査は非常に手間と時間がかかる。
市への委託希望をした場合は、木の生育状況や密度など森林現況調査を行った上で、隣接地の所有者立ち合いのもと、境界の明確化を行う。これまでに芸濃町河内地内182・34 haで完了。
森林現況調査と境界明確が行われた後、委託の条件が整った森林に対して所有者の同意を得た上で、経営管理権集積計画を作成し、74・50 ha分を完了。ここで林業経営に適さないと判断された森林に関しては、市と15年の管理契約を結び、その間に市が1回の間伐を行う。現在林業経営に適する森林と判断された場合は「経営管理実施権配分計画」を作成し、県の認定を受けた林業再委託が行われる。現状津市ではまだここに至った森林は無い。これまでに市有林と芸濃地域の委託を結んだ森林では間伐も行われるなど、整備も進められている。
今年度は一志地域と白山地域の一部(計6681ha)で意向調査を実施し、7月頃に所有者の下へ調査票が送られる予定。令和5年度までに市内全域の森林で意向調査を実施する予定。
津市では対象となる森林が広いため、森林所有者の協力が不可欠。市への森林の管理委託を所有者が希望しても、隣地の所有者が調査に未回答だったり、所有者が不明の場合は境界の確定が難しくなるからだ。特に森林の多い中山間地域では少子高齢化が顕著で、境界などの事情に詳しい人が健在なうちに調査を完了させることも肝要。森林所有者が相続に向け、市に管理委託をするのか、自分たちで管理していくのかを家庭で話し合うといった小さな積み重ねが地域の財産である森林を守ることにもつながる。
制度の担当部署である林業振興室では意向調査の対象地域で相談会を開いているほか、随時森林所有者からの相談も受け付けている。過去に調査票が届いて、いままで未回答の人の回答も可能なだけでなく、まだ調査の始まっていない地域の森林所有者からの相談も受け付けている。
問い合わせ津市林業振興室☎059・262・7025。
2021年5月13日 PM 1:20
㈱シエン(本社・津市。隅谷利光代表取締役、以下シエン)は、きのこへの関心を高めてもらおうと、「光るきのこ!ヤコウタケ栽培キット」(製造・㈱岩出菌学研究所)を販売している。
ヤコウタケは、小笠原諸島、伊豆大島の八丈島に自生し、降水量の多い5月~6月に緑色に発光することで知られる。
栽培キットは、自然発光する珍しいきのこを自宅でセッティングして栽培することで、きのこの成長の過程を観察してもらい、きのこへの関心を高めるのが目的。具体的には、付属の容器に種菌を仕込み、温度と湿度を管理することで、約3週間で成長し、2日~3日間光るという(観賞用のきのこのため食べられない)。
キット内容は=種菌、腐葉土(保湿用)、スポイト、栽培容器、栽培説明書。
価格は税込2750円(送料別途)。同社店頭で販売。販売時間は平日(月~金)9時~12時、13時~17時。
問い合わせはシエンへ☎059・213・0404。
2021年5月13日 PM 1:18
(公社)津青年会議所=森本晃圭理事長=は6月18日㈮18時45分から20時15分(受付は17時45分から)、三重県総合文化センター中ホールで公開例会として講演会を開く。講師は岸博幸氏。演題は「パラダイムシフト~斬新的なアイデアで時代を動かせ!」。
対象は津市および津市周辺の在住者。定員500名(未就学児は参加不可)。参加費無料。
岸氏は、1962年9月1日生まれ。東京都出身。一橋大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。通産省在籍時にコロンビア大学経営大学院に留学し、MBA取得。資源エネルギー庁長官官房国際資源課等を経て、2001年、第1次小泉純一郎内閣の経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵氏の大臣補佐官に就任。
その後、江田憲司衆院議員や元財務官僚の高橋洋一氏らと共に「官僚国家日本を変える元官僚の会(脱藩官僚の会)」を設立。以降、「脱藩官僚」としてテレビや雑誌でも活躍。地域再生をはじめ、政治経済についてわかりやすく語り、おもしろく誰にでも理解できるような解説が好評。
当日は、ニューノーマルの中、変化に対応する力、柔軟な思考力を高めるためのヒントを探る。
申し込みはパソコンの場合は「津青年会議所」でホームページにアクセスし「岸博幸講演会」のバナーをクリックして必要事項(氏名・電話番号・参加人数・メールアドレス)を入力して応募。
スマートフォンからはQRコードを読み込んで登録画面から必要事項を入力して応募。
問い合わせは、同会議所☎059・227・3806(平日10時~15時)。
2021年5月13日 PM 1:15