境内の木を丹精を込めて剪定する村田住職

境内の木を丹精を込めて剪定する村田住職

美里町家所の光照山・明顕寺の村田智教住職(68)は、「日本庭園」と「書」をこよなく愛する表現者として、また趣味人として地域の人々に知られている。
村田住職は22歳から25年間、高田本山に勤務、その後に同寺を継いだ。念仏を唱える中で「書」の魅力に魅せられ、漢字を四日市の加藤子華氏に、また、かなを村田阿邨氏と、大阪の宮本竹徑氏に師事した。
楷書、行書、草書、かな等、あらゆる書体を、きびしい線や、やさしい線、墨の濃淡を自在に操り、デフォルメしながら感性のおもむくまま墨を置いていく独自のスタイルが特徴。平面作品ながら絶妙な余白のとり方などで奥行きのある世界を描き出す。
「書は絵画のように色彩や遠近法はないが、その分、〝文房四宝(硯・墨・紙・筆)〟を駆使して表現する醍醐味がある」と、立体や色彩を超えた書の魅力を語る。
また、その世界観は日本庭園にも通じるという。同寺の広大な境内には様々な花木が植えられているが、基本的に住職自身で手入れする。
書に様々な線質や〝かすり〟があるように、庭にも大きな石、小さな石、若い木や年老いた木など、いくつかの要素がある。石の大きさ、配置、枝ぶりを左右する剪定、また、借景をどう取り込むか…これらを勘案しながら四季に応じて丹念に手を入れていく。
心掛けていることは、「書も日本庭園も遊びごころは必要だが、遊び過ぎないこと」。若い人へは「表現の幅を広げるためには、色んな事に興味を持つこと」とアドバイスする。
住職の傍ら秋田犬の繁殖や鯉や金魚など観賞魚の飼育、盆栽・盆石など、多趣味だからこその言葉と言えようか。