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2021年6月
閉園となった『旧津市立安西雲林院幼稚園』=津市芸濃町北神山=の利活用をめぐり、津市が外国人技能実習生を教育支援する組合との賃貸契約を結んだことに対し、地域住民が地域への説明を欠いた「事後報告」と強く反発。地元の北神山自治会は契約の白紙撤回を求め、津市議会へ陳情書を提出したり、署名運動にまで発展している。
「旧安西雲林院幼稚園」は、昨年4月、外国人技能実習生に日本語教育を施し、日本全国の企業にマッチングしている協同組合「亜細亜の橋」=津市芸濃町椋本、小倉武俊代表理事=から日本語研修の場として使用したいとの申し出が施設を所管する津市芸濃総合支所にあった。その後、支所は昨年8月、当時の北神山自治会役員に対し、利活用案が出ていることを伝えたが、地元では正式に契約を結ぶ前に、市が事業者の紹介や利活用案について詳細な説明会を開くものと考えていた。
しかし、両者の認識の違いで正確な情報共有が行われないまま、市は今年2月1日から3月10日までインターネット上と総合支所への掲示による公告を実施。他の候補者を募ったが申請は無く、研修事業に加えて地域の外国人子弟に対する日本語教育などのボランティア活動を盛り込んだ高い公共性などが評価され、同組合と市は正式な賃貸契約を結んだ。
しかし、今年4月に賃貸契約が結ばれた事実を知った北神山自治会は、地域の意見を置きざりにした〝事後報告〟だと強く反発。契約の白紙撤回を求める署名運動を今月から始め、津市議会にも陳情書を提出している。
この流れを受け、6月17日の津市議会で一般質問を行った滝勝弘市議に対し、盆野明弘副市長は「丁寧さに欠けたことを心よりお詫びしたい」と陳謝。事前に地域住民に対して説明会を開くべきであったとした。一方、市としては契約自体に問題は無いとしている。
支所の担当職員は「地域を一軒ずつ説明に回る覚悟はある」としているが、駒田操自治会長は、「あくまで契約の白紙撤回を求める。署名を集めて市長と話がしたい」と語気を強める。津市と地域住民の主張が真っ向から対立し、落としどころが見えない状態に同組合の小倉代表は「地元の理解を得られなくて残念」と話す。同組合は、契約と同時に1年分の施設の賃料と、電気代などの維持費を負担しているが、実質的に使用できない状態。同組合に対する市の姿勢も不誠実といえる。
そもそも盆野副市長は契約前に住民が望む形の説明会を開くべきだったとしたが、今回は公平・公正を期するために公告で広く事業者を募り、選定したため、事前に事業者の紹介や事業案の詳細を住民に伝えることは不可能。場当たり的な答弁だったという他ない。今回の手法で、市が開ける説明会は公告の期間、応募資格のある事業者の業種、利活用案例の紹介程度に留まる。結局、事業者や事業の詳細を地域住民に報告できるのは、正式に契約を結んだ後になってしまう。一昔前は、地域の顔役を通じ、事前に反応を確かめることもできたが、社会情勢的にそれも難しい。〝出たとこ勝負〟にならざるを得ず、地域と事業者双方のリスクが露呈した形だ。
このケースに限らず、役割を終えた公有財産の適切な管理は行政の責務だが、統廃合が進む幼稚園や学校は、地域住民の思い入れも強く、類似のトラブルを招き易い。また、外国人労働者も増える中、適切な教育で多文化共生を促す同組合のような存在は必要だが、この問題の根底には外国人に対する根強い不信感があることも否めない。
このような情勢を踏まえ、行政が判断する場合、地域のニーズと共に、公共性・維持管理コストなど市全体の利益も求められる。市として今回の問題解決に全力を注ぐだけでなく、二の轍を踏まない対策が必要になろう。
2021年6月24日 AM 5:00
津市内の経営者でつくる丸之内倶楽部(志田行弘代表幹事)は6月15日、第173回例会をレストラン東洋軒で開いた。同倶楽部は隔月開催で毎回、様々な分野の専門家をゲストに招き講話を聴いている。
今回のゲストは三重交通グループホールディングス㈱代表取締役社長の原恭さん。「素晴らしき北海道へのご案内」と題し、北海道各地の魅力を語った。
原さんは広島市出身、一橋大卒。1984年近畿日本鉄道(現近鉄グループホールディングス)。2019年6月から近畿日本鉄道取締役常務執行役員を経て今春から現職。
原さんは若い頃から旅行好きで、特に大学時代に友人らと行った北海道に魅了され、以降も幾度も現地を鉄道などで移動しながら、一般の旅行では行くことが少ない隠れた名所や名店を巡り、体験した人ならではの生きた情報を披露した。
まず、青森駅から函館駅までの113㎞の航路を明治41年から昭和63年まで運航していた青函連絡船について、「現在は青函トンネル開通に伴い終航しているが、当時の連絡船の所要時間は約4時間弱、これが北海道に行く前の、良い意味で気持ちの切り替えになった」と述懐。
北海道三大秘湖として、阿寒摩周国立公園の最西端、雌阿寒岳の麓にある神秘の湖・オンネトーや、北海道上士幌町、然別湖近くにある小さな湖・東雲湖やオコタンペ湖(支笏洞爺国立公園)をあげ、「一般には容易にたどり着けない場所もあるが、それだけに絶景でもある」と内地(本州)では見られない雄大な自然が残るポイントを紹介した。
また、北海道の広大さを物語るエピソードとして、現在は廃線になっている鉄道「深名線」(北海道深川市にある深川駅で函館本線から分岐し、雨竜郡幌加内町を経て、名寄市にある名寄駅で宗谷本線に接続していた)の乗車体験について「車両とレール、電線以外、見渡す限り人工物が何も無い、あるのは原生林の大平原だけ。こんな雰囲気はなかなか体験できない」と話した。
さらに、「空港では実は新千歳空港よりも旭川空港の方が就航率が高い。つまり欠航が少ない。運航本数が少ない事もあるが、除雪体制が整っているため」や「旭川は北海道のど真ん中にあり、海から遠いが、オホーツク海、日本海、太平洋の3方面から水揚げされた海産物が集まる場所でもある」と、知る人と知る豆知識も伝授。
最後に、「コロナ禍が収束した後には、ぜひ北海道を楽しんでいただきたい」と締めた。
2021年6月24日 AM 4:56
津市久居アルスプラザが「アルスカルチャーBOX2021」への参加者を募集している。昨年から実施しているもので、津市周辺を拠点に活動する人を講師に迎え、特色ある講座で人気の企画。
今回は次の3つを開講する。
①キッズダンス=(幼児クラス…3歳以上の未就学児)・7月12日㈪・8月16日㈪・9月13日㈪の各18時半~、参加費1500円。定員各10名。所要時間45分。
(小学生クラス)…7月26日㈪・8月30日㈪・9月27日㈪の各18時半~、参加費2000円。
定員各15名。所要時間60分。
ダンスが初めてというちびっ子も大歓迎。ダンスのステップを取り入れ、音楽に合わせて身体を動かすことを楽しむ。各回とも内容は同じ。講師は三重アクターズ養成所の長岩裕氏、ほか。持ち物は室内用シューズまたは上履き、動きやすい服装、タオル、飲み物。
②美杉の木でカホンを作ろう=8月7日㈯13時~、参加費5500円、講師は杉山健一さん…打楽器のカホンを手作りする講座。部品の組み付けから紙ヤスリの仕上げまでを体験できる。完成したら、その場で実際に叩いて音を確認し楽しむ。※カホンのサイズは幅約30㎝×奥行約30㎝×高さ約47㎝。小学生が参加する場合は小学生1人につき保護者1名が同伴のこと。
③こども太鼓体験教室=8月11日㈬、9月22日㈬の各19時~。10月23日㈯14時~(各回内容は同じ)。参加費各3000円、定員各回15名。持ち物はジャージなど動きやすい服装(ジーパン不可)、タオル、飲み物。
太鼓に触れるのが初めて、太鼓を始めてみたいちびっ子大歓迎。県内外で演奏活動するプロの和太鼓奏者・服部博之氏が丁寧に指導する。
申し込みはアルスプラザの窓口もしくは電話で受け付けている(但し、6月19日から受付を開始しているので、すでに定員に達している場合を除く)。
問い合わせ・申し込みは☎津253・4161へ(休館日は毎週火曜、祝日の場合は翌平日)。
2021年6月24日 AM 4:55