スパイスにこだわる伊藤さん(レジェンドプラス店内にて)

スパイスにこだわる伊藤さん(レジェンドプラス店内にて)

KARE_2津市大門にある小さなスナック「レジェンドプラス」のオーナーの伊藤理恵さん(㈱MissR代表)は、自身の健康を考える中で、スパイスが身体に与える効用に魅せられ、深く学ぶうちにオリジナルスパイスカレーを考案。カレーイベントを開催するなど、アフターコロナにむけ新たな活路を見出している。
伊藤さんは、北海道生まれで津市育ち。若くして独立。大門で開業し今年で24年目を迎える。元々、体は強い方ではなかったが、若い頃の無理が重なって体調を崩し気味に。そんな頃に様々な効能や効果を秘めたスパイスに目覚めた。三重県にゆかりのあるスパイス料理研究家・カワムラケンジ氏のアドバイスを受けたり、書物などで独学で知識を深め、試行錯誤しながら独自にブレンドしたスパイスを使った料理を開拓。昨年から数回、数人規模でカレーイベントを開いたり、テイクアウトしたりしてお客さんの評価をフィードバックしながら腕を磨いてきた。
「スパイスは数えきれない種類があります。体を温めたり、食欲を増進したり、具に旬の野菜を取り入れて美味しく健康に導いてくれる素晴らしい香辛料」と話す。
伊藤さんのこだわりは〝美し国〟三重や津市の食材や調味料を使い、スパイスはホール(塊)で購入し、使う直前に細かく挽いて香りを際立出せる事。「コロナが収束したら皆さんにスパイスの美味しさと魅力を使えたい。スパイスカレーで地元・大門の活性化に一役買えたら」と抱負を話してくれた。

介護職員初任者研修など介護の資格は持っているけれど、「介護職の経験がない」、「何年も介護の仕事に就いていない」など、介護の職に就く事が不安な人や、復帰したけれど、もう一度『介護の基本』を学び直したいと考る人(就労または復帰後概ね1年未満の人)を対象に、介護の知識や技術のスキルアップができる研修会を開催します!
三重県福祉人材センターが「介護有資格者再チャレンジ研修(Web研修)」の受講者を募集している。
▼対象者は介護福祉士、介護職員初任者研修などの福祉・介護に関する資格を有しながら現在は介護の仕事に就いていない又は介護職として就職・復帰後、概ね1年未満の人
▼受講期間=令和4年2月18日㈮までのうちの3週間(申し込み後、同会より日程を提示。申し込み締切は1月21日㈮まで)
▼研修内容=7科目(10時間30分)介護保険制度の動向、尊厳の保持・自立支援、コミュニケーション技術、認知症の理解・ケアの知識、老化の理解、感染症対策・感染症予防、ほか。このほか、希望者は「実技研修」と「施設体験」を受けることもできる
▼受講方法=同会から配布する資料及び講義動画を視聴し、各科目修了後にレポートを提出
定員150名先着順。受講料は無料
※Web研修の受講にはインターネットに接続したパソコンが必要だが、ネット環境が整っていない人は応相談。
問い合わせは同人材センター☎059・227・5160へ(平日9時~17時)。

コロナ禍で生活の警戒・自粛が続く中、病院や施設から遠く離れた家族の元へ患者搬送を依頼される案件が多くなってきた。見舞いなどが制限され、患者の顔を直接見れないことも一因にあるようだ。中には人生最期の時間を家族のもとで穏やかに過ごさせたいという希望もある。
民間救急は、消防本部の通達により重症患者は搬送できない。このため、意識はあっても当日の体調が思わしくなく難しい時もある。また、高流量酸素や高カロリー輸液、痰吸引などの医療継続依頼もあり、移送には事前の準備が必要になる。それだけに、家族や関係者の協力がなければ実現できない。
ある日、一本の電話があった。
「家族のひとりが県外に入院中です。実家は三重県。遠距離ですが、ぜひ思い出のある故郷で医療や看護を受けさせてやりたい。許可も得ています」。
電話の向こうで一心に願う様子が感じられた。
早速、搬送元病院へ連絡を入れ確認する。ドクターによると、介護レベルは高いものの患者は病状が安定し、転院搬送にも問題はないという。
ただし、医療継続が必要で、家族が同乗することは禁止。転院の時、車輌の窓越しに対面できるのみだ。与えられたわずかな時間が家族の絆を強くさせる。事前の打ち合わせが非常に大切だが、年齢も比較的若く長時間に耐えると判断し、引き受けることにした。
家族の居住地から県内までの走行距離は約450㎞にのぼる。新幹線も考えたが、病状やその他の状況からストレッチャーのままでの鉄道輸送は難しく、陸路搬送が適している。
ただし、搬送中に病状が急変し、悪化する場合が絶対無いとは言いきれない。専従看護師と相談し、搬送元病院から診療情報書や看護サマリーなどを送付してもらい、指示された情報の通り十分な資器材を用意した。そのつど送られてくる病院や身内からの身体情報からも、いかに郷里へ帰してやりたいか、気持ちが感じられた。
搬送前、乗員のPCR検査も行う。患者の負担を軽減するため、長距離の行程を看護、介護の両方を合わせて搬送しなければならない。
当日は大雨の悪天候。災害による渋滞もあり、走行は難儀を極めた。後席で患者の様子を見守る看護師から休憩を多めにとって排尿に伴うオムツ交換や、その他、身体に異常がないか点検したい旨の連絡があった。
しかし、時間に余裕はない。タイヤの音だけが響く中、打ち合わせた通りの連携プレーで切り抜けることができた。ようやく病院が見えた時は、処置も含め7時間が経過していた。
到着後、気力と体力を消耗していた患者が、喜びを表したようにふりしぼった手で乗務員に握手を求めてきた。搬送は終わっても、今日のことが強く脳裏に焼き付いているのかもしれない。万全の体制で搬送したことに家族からも感謝の言葉を頂いた。
今後も、経験を生かして様々な患者搬送の依頼に対応していきたい。
(民間救急はあと福祉タクシー代表)

[ 4 / 5 ページ ]12345