表彰状を手に、西井教諭

表彰状を手に、西井教諭

三重県立稲葉特別支援学校の西井孝明主幹教諭が実践する「口腔機能の改善を目指し、流涎コントロール向上に向けた自立活動の取り組み」が、このほど仙台市の国立大学法人・宮城教育大学の「第15回教育実践・宮城教育大学賞」を受賞した。
同教育賞は、国内外の幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校等に勤務する人、または各種機関で児童・生徒に日常的にかかわっている人が対象。
公募で募集し、審査基準は、実践の独創性や実践の意義、普遍性や将来性、教育研究への寄与等に加え、教育実践に刺激を与えうる可能性など総合的に判断する。
今回の取り組みは、重度の知的障害を抱え、特別支援学校小学部5年生まで流涎の止まらなかった女児が、自立活動教諭(言語障害)免許状を所有する西井主幹教諭を中心とした教師集団の指導で4カ月後、流涎を自らコントロールできるようになった。その事実が教育実践の価値、そして教職の高い専門性を具体的に表す尊いものとして評価されたもの。
流涎コントロールに向けた西井主幹教諭の指導のスタートは、指針となる過去の実践が見当たらず、肢体不自由児や乳幼児の医療的資料を参考にするところからだった。
生活の質を高め、人生の可能性をひらく効果をあげたのは、教師集団の協働によって女児の可能性を発見し、女児の実態に応じた適切な方法を創ったことが大きい。
同大学は「『子どもの内に深く蔵されたたから』(同大学学長を務めた林竹二氏の言葉)を引き出す教育の創造を目指す、本学の教育臨床研究に豊かな示唆を与える実践である」と伝えている。
西井主幹教諭は「知的障害教育としては先行研究もなく、手探りで始めた実践でした。健康の保持、そして生活の質を高めることを目標に、段階を踏まえて指導を続けた結果、流涎を止めることができました。これは、クラスの同僚と保護者の方の協力、そして対象とする児童の意欲なくして達成できなかったこと。受賞にあたり、指導に携わった全ての皆様と宮城教育大学賞選考委員の皆様、大学職員の皆様、そして対象児として共に頑張った児童に心より感謝申し上げます」とコメントしている。