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コロナ禍も落ち着き、登山、キャンプなどアウトドアを楽しむ人が増えているが、気を付けなければならない病気がある。それがマダニ類が媒介する『日本紅斑熱』。三重県は感染数が全国最多で伊勢志摩地方での発生が大部分だが、今年もすでに47件の感染が出ている。同じくマダニ類が媒介し、有効な治療法が無い「重症熱性血小板減少症候群」の感染も出ているので野山に入る場合は対策が必要だ。
「日本紅斑熱」は主に野山に生息するマダニ類(キチマダニ、フタトゲチマダニなど)が吸血するために人体に噛みついた際、細菌「リケッチア」が体内に入ることで発生。潜伏期間は2日~8日で、頭痛や筋肉痛、高熱、痛みやかゆみはないが全身に広がる赤い発疹などが代表的な症状。医療機関で適切な処置を受ければ、ほとんど大事に至ることは無いが、放置すると死に至ることもある。
三重県内では伊勢保健所管内(南勢の伊勢志摩地方)での発生がほとんどだが、累計の感染者数は全国最多となっている。2016年以降は高止まりで平均年48・5件。特に昨年は過去最多の61件で、今年も現時点47件とハイペース。2019年には津保健所管内でも感染者1名出ているが感染した場所はやはり伊勢志摩地方の野山。
同じくマダニ類が媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」も2015年より年平均2・5件発生。この病気は、日本紅斑熱と違って、有効な治療法が無いのが特徴。主な症状は高熱、頭痛、意識障害、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状。致死率は6〜30%と言われている。こちらは今のところ、感染が確認されているのは伊勢保健所管内のみ。
どちらの病気も防ぎ方はシンプルでマダニに刺されないことに尽きる。
①野山に入る時は、長袖、長ズボン、手袋などをして肌の露出を避けること
②ディートという成分の入った虫除け剤を使用する
③野山に入った後は、家の外で服や身体をはたく
④野山に立ち入った衣服は、すぐに洗濯もしくはビニール服に入れて保管
⑤できるだけ早くシャワーを浴び、マダニに刺されていないか、できるだけ全身を確認する。
もし刺された場合も注意点がある。マダニ類は体長5㎜前後とダニ類では大型で、血を吸うと体が何倍にも膨れ上がるので発見は容易だが、皮膚を食い破ってセメント状の分泌液で取りつきながら血を吸い続けるので、無理に引きはがすと頭が残ったり、潰した体から細菌が体内へ入ってしまうため危険。
刺された場合はまず、あわてないことが重要。自分で取る場合は、ワセリン等をマダニと刺された部分に塗布して30分ほど放置した後、ガーゼなどでマダニの頭側からふき取る。それでも取れない場合は、マダニを潰さないように頭部をピンセットでつまみ、慎重に取る。自分で取れないと判断した場合は無理せず医療機関に相談する。
もし、マダニに刺されて心配な場合や、野山に入った後、前述の自覚症状を感じた場合は医療機関にマダニに刺された可能性があることを伝えた上で受診するべき。
新型コロナの感染拡大が落ち着き、気候も穏やかなため、キャンプ、登山などアウトドアの趣味で野山に入る人が増えている。これから寒くなるにつれ、マダニの活動は少しずつ鈍くなっていくが、冬場の感染例もあるので油断は禁物。特に、伊勢志摩地方の野山に出掛ける予定のある人は、しっかり準備が必要だ。
2021年11月11日 AM 5:00
晩秋の三重の風物詩・МPADが今年も開催される。三重県内の「おいしい」店で味わう料理と、全国から選りすぐった劇団・ユニットによる文学・古典作品のリーディング公演で、「古事記」から、時代小説、童話、そして太宰治・横光利一などが料理とともに堪能できる。2011年から始まり、今年で11年目。本紙面では11月17日㈬に松阪市殿町の老舗割烹旅館・八千代の大広間で行われる作・藤沢周平、演出・出演・林英世の「猫」「ふたたび猫」(新潮文庫『本所しぐれ町物語』所収)を紹介。
簡単なストーリーは=浮気の虫が抑えられない若旦那。蹴飛ばした猫の飼い主の女といい関係になってしまい…。江戸・本所しぐれ町に暮らす人々の喜怒哀楽を上演。
林氏(大阪府)は同志社大学卒業後から2010年の解散まで、マキノノゾミ主宰劇団M・O・Pに所属、存在感ある女性サブキャラクターを演じる。プロデュース公演など舞台出演のほか、テレビ、映画、ラジオに出演。また、演出・俳優養成にも力を入れその活動の幅を広げている。2010年から「林英世 ひとり語り」公演を始め、「映画を見るように言葉が立ち上がる」と好評を得ている。
会場の八千代は、松阪城趾近くに構える大正10年(1921)創業の老舗割烹旅館。松阪を訪れた多くの文人・墨客から慕われる。2016年に建物が国の登録有形文化財(建造物)に登録されている。
ランチ=開場12時半、13時までに会場へ(ランチの部はほぼ完売)。ディナー=開場18時半、19時までに会場へ。共に料理+リーディング公演で一人4000円。チケットは前売のみ。県文化会館チケットカウンターおよび、エムズネット(クレジットまたはコンビニ決済)、八千代で販売中。
食事後、会場へ移動しリーディング公演。食事+公演で約1時間45分を予定。席は相席になる場合あり。アルコール類は店舗でキャッシュオン。 問い合わせは八千代☎0598・21・2501へ。
2021年11月11日 AM 4:55
三重大学の持つ知識を一般と共有しようと各分野の専門家を招き隔月ペースで開いている津市・津市民文化祭実行委員会主催の三重大学シリーズ、第98回文化講演会?「発見塾」が11月13日㈯13時半~15時、津リージョンプラザ1階中央保健センター待合ホールで開かれる。主管=津文化協会。後援=三重大学、本紙。
今回の講師は同大学大学院生物資源学研究科の宮﨑多惠子准教授。演題は『うおの目とイカの目の話~魚が見ているカラフルな世界、イカが見ているモノクロの世界』。
宮﨑准教授は「私達人間の網膜には赤・緑・青の光を吸収する3種類のタンパク質があり、これらが様々な色を見ています。一方、脊椎動物の大先輩である魚の中には、紫外線が見えているもの、タンパク質をコピーして特定の色を巧妙に見分けているもの、あるいは見る方向で色覚を使い分けているものなどがいます。しかし、魚を同じく水中で暮らしているイカはモノクロの世界を見ています。水中の光環境は水深や濁りの違いにより、陸上よりもはるかに複雑です。今回は、そんな水中で上手にものを見ることができる魚やイカの目についてお話しします」と話す。入場無料、事前申込み不要。直接会場へ。問い合わせは☎090・1236・1144辻本さん。
2021年11月11日 AM 4:55