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2021年11月
津市美里町北長野の「美里ふるさと資料館」に、津市殿村在住の山口幸伸さんが明治時代に作られ、現存する旧長野トンネルの自作ジオラマを寄贈した。
このトンネルは明治18年(1885年)に完成し、江戸時代に伊賀街道の難所として知られた峠から約50m下につくられた。役割を終えた今はひっそりと森の中にたたずんでいる。
山口さんは以前この資料館でジオラマ作品展を行ったことがあり、貴重な美里の観光資源である長野トンネルの模型の展示がなかったことから、制作を決めた。
身体障害者の山口さんは車椅子のため、現地にいけないこともあり、写真などの資料やネットで情報を収集。このトンネルの最大の特徴である美しい石組みのアーチを再現するために丹念にプラスチックの棒を切って再現。現在は取り外され、別の場所に展示されているトンネルの扁額も元の位置につけられている。
伊勢湾側からの流通や交通の便を促進しようという阿波村(旧大山田村)の案に隣の長野・高宮村が賛同する形で工事が進められたという経緯を踏まえ、ジオラマ上で荷車を引いた旅人が伊賀から津向きに歩いているなど、想像を巡らせた。制作期間は約1カ月。サイズは40㎝×20㎝。
山口さんは「ジオラマをきっかけにトンネルそのものにも興味を持って頂けたら」と笑顔。
資料館の開館時間は9時~17時(入館は16時まで)。月曜休館。入館料無料。
2021年11月11日 AM 4:55
小春日和のひと日、電車に乗った。電車に乗りたくて鳥羽まで出かけた。
ずっと車移動ばかりで久しぶりの電車だから、スマホの乗り換え案内でしっかり調べていく。鳥羽のMAPも予習した。
鳥羽駅からもう少し先まで。各駅停車のワンマン列車を無人駅で降りるのは初めてだ。車内の運賃箱に切符を入れるシステムだが、運転手さんにどう切符を確認してもらうかと緊張した。
降りたのは海の近くの駅。海に沿って歩いて、港に並んだ船を見た。青い空に青い海、そこに白い船が映える。目を遠くにやると、島なのか半島なのか、豊かな緑の中に観光ホテルが美しい。鳥羽は観光地だ。
車で訪れる鳥羽と電車で訪れる鳥羽は違う。車ならば、車を止められる場所にしか立たない。駐車場に車を置いて、店に入ったり展望台から眺めたりしても、すぐに車に戻ってしまう。電車ならば、こんなふうにぶらぶら歩いて、海や空や島や鳥を見るために立ち止まる。
食堂に入り刺身定食を食べた。観光レストランではなく地元の人相手の食堂を見つけられたことがうれしい。海のそばで食べる魚は新鮮だ。
そして鳥羽の町を散歩。昭和の商店街のようなどこか懐かしい町並みを行って、店をのぞいたり神社の階段で銀杏を拾ったり。
電車に乗れば旅となる。日常から脱することができる。 (舞)
2021年11月11日 AM 4:55