2022年2月

笑顔ポスターの前で…曽我社長(左)と女性スタッフ

笑顔ポスターの前で…曽我社長(左)と女性スタッフ

手づくりの絵を施した箱に入れられ寄附されるマスク

手づくりの絵を施した箱に入れられ寄附されるマスク

自社製品の東京五輪のTシャツを着用したわたせいのスタッフ

自社製品の東京五輪のTシャツを着用したわたせいのスタッフ

津市・松阪市・亀山市・伊賀市・志摩市で8店舗を展開する㈱綿清商店(津市森町2017の7。曽我江里子社長)が、津商工会議所の令和3年度・優良会員企業表彰制度の「地域貢献分野」で表彰された。
同制度は、会員企業の経営意欲を高め、地域経済の活性化を図ることを目的に自社の経営改善を行った企業、環境に取り組んでいる企業、あるいは地域・社会の発展などに著しく貢献した企業など他の模範となる企業を「経営革新分野」「環境改善分野」「地域貢献分野」の3分野で推薦のあった会員企業の中から選考し表彰している。
㈱綿清商店は、新型コロナウィルス感染症が拡大し、全国的なマスク不足で入手が困難となった一昨年1月、手芸の得意なパートさんの「無いなら作って頂いたらどうか」という意見を採用し、新聞に毎週17万部を織り込んでいる販促チラシに「立体手作りマスク」の実物大の型紙と製作法を印刷して配布し、好評を得ると同時にマスク不足の不安解消に成果をみせた。
さらに、使い捨てマスクが出回ったことでマスク不足が落ち着いた昨年6月には「マスクポストプロジェクト」を立ち上げ、各店舗に「マスクポスト」を設置し、家庭で使われることなく眠っている余剰マスクを回収。集まったマスクを清潔な環境の中でスタッフが1枚1枚検品し、様々なマスク約100枚入ったバラエティパックを作り、社会福祉協議会を通じて、こども食堂やフードバンクなどの施設等に無料で配布する循環型活動に取り組んだ。現在までに約20万枚を回収・再循環させている。
また、昨年正月には顧客に協力してもらい、マスク越しの笑顔写真5376名分を集めた「笑顔ポスター」を制作し、全店舗に展示したほか、保育園や介護施設に届けるなど明るい雰囲気づくりに役立てた。
一方、社長以下、社員、パート、バイトも含めた全員が女性という企業の特質を踏まえ、職場だけでなくプライベートの悩みを曽我社長に相談できる仕組みを整え、妊娠・出産、育児、介護など様々な状況にあっても従業員を全面的にサポートし、女性がキャリアアップしながら仕事が続けられる体制を実現。
さらに、従業員教育にも独自の仕組みを採用。パートさんを始めとする長く務める従業員と、若い従業員との意思疎通をスムーズに図るため、店長クラスであっても現場をよく知る従業員に「教えてもらえる人間力」を養うことも重視しており、結果的に良好な職場環境を実現している。
このように、地域の状況等を踏まえた地域貢献活動を実施すると共に、子育て世代の女性を始め、女性の働きやすい環境づくりを整備するために常に努力する姿勢が、他の模範と認められた。
曽我社長は「女性は仕事を続ける上で、様々なハードルを乗り越えなくてはならない。当社の取り組みが認められての受賞に対し、たいへん光栄に感じています」と謝辞を述べている。

「新型コロナウイルス特別措置法」の正式名称は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」。この法律の目的は、2009年から世界的に大流行した新型インフルエンザ(H1N1亜型インフルエンザウイルス)を契機に、免疫を獲得していない新型インフルエンザ等の病状重篤化が危惧される感染症への対策強化など。成立は2013年の3月で施行は翌4月、初適用は2020年の3月で、新型コロナウイルス感染症に対してである。新型コロナウイルスを 「暫定的に」新型インルエンザと同等にみなし、適応の範囲内とする同法の改正が成立、翌4月、緊急事態宣言が初めて発令された。
この「特措法」の趣旨は、「感染拡大を可能な限り抑制し、健康被害を最小限にとどめる」「社会・経済を破綻に至らせない」であり、「感染を予防し人命を守る対策」と「権利、活動の制限を最小に抑える調整」に必要な権限を規定するものとされる。「新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等と同分類にみなす」という暫定的対象拡大期限は2021年1月31日まで(延長を含めて最大2年間=2022年1月31日まで)と定め、昨年1月7日、1年間の期限延長を決めた中で改められ、2月13日に改正法が施行された。
改正法の法的位置づけは、「特措法」の本文に「新型コロナウイルス感染症」を明記することで、期間の制限なく明示され、現況だけでなく、今後の再発生時も視野にした感染抑制に向けた実効性のある法整備が施行できる事である。また、「国と地方自治体間の情報連携」や「権限強化」も盛り込まれた。つまり、「まん延防止等重点措置」の新設、要請に応じない事業者に対する規制、感染者に対する規制、帰国も含んだ海外からの入国者に対する規制である。
しかし、欧州諸国では、新型コロナ対策の規制を次々緩和している。ツーリズムに基づいたサービス貿易の重要性を理解している国ばかりである。イタリアは2月1日から、EUなどから入国する際に求めていた陰性証明が不要である。スウェーデンも9日から国内規制をほぼ全廃。無料のコロナ検査も打ち切りとなり、保健相は「パンデミックは終わったといえるだろう」とする事実上の終息宣言である。
英国も11日から、ワクチンを2回接種した人についてはイングランド地方に入国する際に求めていた検査が不要となり、フランスでは政府報道官が9日の記者会見で、国内の飲食店や長距離鉄道利用時などで必要になるワクチン接種証明が「3月末か4月には撤廃できるかもしれない」と述べている。
アジアにおいても、厳しい規制で知られたフィリピンが10日から、ワクチン接種済みの人については隔離無しで入国を認め、タイも2月1日から、昨年12月からオミクロンで一時停止していた検疫なしの入国が再開だ。
規制解除については一部で批判もあるが、行動制限はいつまでも続けられるものではなく、重症化率が高くなければインフルエンザなどと同じように扱うというのが英国などの立場である。
ところで、中国は世界で最も感染対策が進んでいると主張しているにもかかわらず、そのような動きをアナウンスしてはいない。中国における2019年の経常収支は赤字転落直前だったが、2020年からは劇的に改善した。アウトバウンドによる巨額な人民元流出を懸念しているのだろうか。だが、ワクチンや治療薬を販売する製薬企業でさえ、パンデミック収束を視野に入れ始めている。アストラゼネカは10日、2022年のコロナ関連売上高が2021年に比べ2割ほど減るとの見方を示している。スイスのロシュも、2022年のコロナ関連売上高は2021年比で3割減るとみており、次第にパンデミックからエンデミックへと移行して、売上は4月から6月にかけて減少に転じると予測している。
アフターコロナはサービス貿易の時代である。開国の遅れは周回遅れになるのだ。
(OHMSS《大宇陀・東紀州・松阪圏・サイト・シーイング・サポート代表》)

「The Toramabie」(村田幸一作)

「The Toramabie」(村田幸一作)

まちかど博物館・表具屋ギャラリー『一期一會』=津市一志町田尻70の4・松尾表具店内)=は3月1日㈫~3月31日㈭(日祝定休)の9時~18時、企画展「みんなの虎・寅展」を開く。
同店と親交のあるアーチストたちに呼びかけての合同作品展。昨年開催の「みんなの牛・丑展」に引き続き、干支をテーマにした今回は19名の参加により、絵画・写真・工芸など様々なジャンルで弊店ギャラリーを彩る。
出展アーチスト・ジャンルは(50音順・敬称略)
飯田浩二(油彩画)・飯田千佳(日本画)・奥西しのぶ(ミニチュアハウスモデル)・小野寺有子(絵画・ニット)・魁侍(文字アート)・北村哲也(色鉛筆画)・翠萌(書)・杉本昌子(折り紙)・夢美(ローズウインドウ)・寛子(パステルアート筆文字)・原田海光(書)・松尾和男(写真・表装)・みきなかむら(イラスト)・水品優(イラスト)・美の子(水墨画)・村田幸一(水彩画)・莉夢(折り紙)・LemonT(イラスト)・やまぎわさゆり(イラスト).。
同ギャラリーでは「春の訪れとともに勢いのある虎の競演で明るい未来を切り開いていけるような展覧会を一人でも多くの方にご覧いただいて気持ちを明るくしてもらえれば幸いに思います」と話している。
問い合わせは☎059・293・0175。入場無料(展示作品の販売はない)。

[ 3 / 10 ページ ]12345...10...Last »