日々のウォーキングで花や鳥に目を留めることが増えた。気になるものを見つけると、写真を撮って名前を調べる。スマホをタップすれば、簡単にAIによる画像検索ができる。テクノロジーの進歩だ。
歩道のアスファルトにぺったりと葉を広げ、そこから茎を何本も膝丈ほどまで伸ばし、タンポポみたいな黄色い花をつけているのはブタナ。かわいい花なのに違和感のある名前だ。
ブタの名を持つ植物は、ブタナとブタクサの他には思い浮かばない。ネコの名を持つネコヤナギやネコノメソウにはネコに似ているところがあるが、ブタナがブタに似ているとは思えない。
イヌの名を持つ植物はたくさん知っている。イヌツゲ、イヌタデ、イヌガラシ、イヌコモチナデシコなど。元の植物とはちょっと違うという感じの名付けだ。名前にヒメが付けばかわいい、スズメなら小さい、イヌなら偽ということ。
ともかく、ブタナほど似合わない名も少ないと思う。アスファルトと縁石の隙間のわずかな土に根を張り、一列に並んで咲く様はけなげというか、しぶといというか。そのあまりの繁殖力に、侵入生物として駆除対象となるかもしれない。
タンポポモドキという別名もあるそうだが、それの方がしっくりくる。夕方には花が閉じるのもタンポポと同じ。明日も元気に咲いてほしい。  (舞)