三重県内の医師・歯科医師約1800名でつくる三重県保険医協会(津市観音寺町)は5月17日、「今般の後発医薬品の供給不足問題を国民が正しく理解するために、国の責任で国民への広報啓発活動を強化すること」とする要望書を、内閣総理大臣、厚生労働大臣、地元選出国会議員に提出した。
2020年に発覚した小林化工・日医工などの不祥事の影響を受け、後発医薬品(ジェネリック医薬品=先発医薬品の特許が切れた後に発売された医薬品)等の供給が制限され、出荷調整によって購入も代替えも困難な状況が続いている。
同協会は、昨年12月に医科会員と県内病院を対象に「後発医薬品の供給不足による診療への影響」を行い、その調査結果をもとに「安全性が確保された医薬品の安定供給に係る要望書」を今年1月13日に前述の各大臣・議員に提出している。
今回は、後発医薬品の供給不足による処方への影響について調剤薬局での実態も把握するため、三重県薬剤師会会員の薬剤師を対象に調査した。 結果、「処方に影響が出ている(かなり出ている・やや影響がある)」が99%。
後発医薬品の品質、供給体制などについて、これまでの国の管理・指導は適切だったと思うかどかについては、69%が「適切ではなかった」と回答。さらに、今後も後発医薬品の使用促進政策を進めるべきか、という質問には「進めるべき」が32%、「進めるべきではない」が18%、「どちらでもない」が22%、「分からない」が15%だった。
これらを踏まえ、同協会では、後発医薬品の供給問題に伴い、直接患者に薬を提供する医療機関や調剤薬局の業務に負担がかからないよう、国の責任で国民に正しい情報が発信される対策が必要と判断した。