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津市榊原町の温泉旅館「湯元榊原舘」が5月~8月に開催した温泉入浴とセットで開催した歴史講座「みえを知る旅」の好評を受け、10月から第二弾「みえを知る旅Ⅱ」を開催する。今回は三重県の中南西部にあたる鳥羽、松阪、津、伊賀などそれぞれの地域の礎を築いた歴史上の人物や、その地域特有の文化・風土について様々な講師に学ぶ。更に実地へ足を運んで学べるオプション企画も実施する予定。
古くから、伊勢神宮の参拝にあたって、身を清める〝湯ごり〟の地としての役割を果たしてきた榊原温泉。百年以上の歴史を持つ老舗温泉旅館の湯元榊原館は、三重県の真ん中に位置し、県内を結ぶ役割を果たす津市から県全体の観光を盛り上げたい、という思いで温泉入浴とセットとなった歴史教室「みえを知る旅」を今年5月~8月に企画。多彩な文化的背景を持つ三重県の歴史の中から津市と伊勢神宮への道をテーマに多彩な講師を招いて開催。毎回定員いっぱいの60名の参加者が集まるほど好評だった。
その第二弾である今回は「みえを知る旅Ⅱ」と銘打ち、全6回開催。より地域に目を向けてもらいたいという思いで三重県の中南西部にあたる、鳥羽、松阪、津、伊賀それぞれのまちの礎を築いた人物や文化と風土について学ぶ。
①「戦国を駆け抜けた水軍の将 九鬼嘉隆」…10月24日10時〜12時、講師は鳥羽市教育委員会文化財専門員の豊田祥三さん②「松阪のもとを築く、蒲生氏郷の功績と生涯」…11月7日10時〜12時、NPО法人松阪歴史文化舎理事長(旧長谷川治郎兵衛家、旧小津清左衛門家、原田二郎旧宅の指定管理者)の門暉代司理事長③「津藩中興の明主、藤堂高兌の功績と生涯」…11月28日10時〜12時、三重郷土史会常任理事の浅生悦生さん④「高田本山の歴史と文化」…12月12日10時~12時、真宗高田派本山財務課長広報課主任録事の玉野章法さん⑤「萬古焼の流れと津の安東焼・阿漕焼」…1月23日10時〜12時、津市文化財保護審議会委員、元三重県史編集委員の吉村利男さん⑥「伊賀焼の歴史と文化~茶陶・雑器とその魅力」…2月20日10時~12時、三重県教育委員会事務局社会教育・文化財保護課技師の水谷侃司さん。
また、オプション企画として、②に合わせ、旧長谷川家(国重文)、本居宣長旧宅跡(国指定特別史跡)、旧小津家(県有形文化財)、三井家発祥地(市指定史跡)の4カ所と抹茶を楽しむ企画なども実施。
参加は、湯元榊原舘、道の駅津かわげ、アスト津2階の津市観光協会と三重県観光連盟、三重県庁1階の三重県観光局に設置されている専用申込用紙に記入し、FAXで送信。定員は先着70名。参加費は6回分6000円(入浴料込み)の一括払い。募集締め切りは9月26日。オプション企画は自由参加で別途費用。
湯元榊原舘の前田諭人社長は「県内の色々な地域の歴史や文化を知って頂き、三重県全体の観光が発展していくきっかけにもなってほしい」と語る。
また、三重県北部地域をテーマにした第3弾の構想もある。三重県で暮らす人々自身がより深く県内を知ることこそが観光振興では重要。有意義な場になりそうだ。
みえを知る旅Ⅱについての問い合わせは湯元榊原舘☎059・252・0206。
2022年9月8日 AM 5:00
本紙会長西田久光がこのほど私家版として『西久遺文(さいきゅう のこしぶみ) 追録・日本ダイビング秘史』を出版した。「西久」とは近年西田が使用している自身の略称。
平成27年2月以来、悪性の前立腺がんを患い、ホルモン療法や放射線治療などを経て、昨年11月4度目の赤信号がともり今年3月から7月まで全6回にわたり抗がん剤投与を受け、運良くまたまた危機を脱出した。抗がん剤治療中は免疫力の低下から投与から2週間は外出禁止・自宅静養となるが、この間、暇にまかせ自身が各種雑誌などに書いてきた文章のデータを整理する中、選集出版に思い至った。
西久は二十代半ばより新聞人を生活の基盤としつつ、劇作家、スポーツダイバー、岩田川物語の会副会長、津観光ガイドネット会長、津城復元の会会長、伊勢の津七福神友の会会長、都市環境ゼミナール幹事、郷土史研究、まちづくりなど多彩な活動をしてきたマルチ人間として知られる。これまで戯曲集、エッセイ小説集、民俗研究、コラム集、紀行などテーマ別で出版してきたが自身の活動の全容を網羅した本はなく、今回が最初で最後の集大成。
詩「潜友たちへ」、エッセイ「義仲寺に想う」「古い巡礼唄を聞きながら」「地元の光を再発見しておもてなし」「おふくろの愛唱歌」「津の演劇五十年」「伊勢神宮お木曳に参加して」、連作小説「青谷物語」より、「青谷雪譜」と「風子」の2篇、郷土史論考「出世の白餅考」「平忠盛と人魚の話」「姫はキリシタン」「藤枝心中」「寛政一揆~もう一つの理由~」、紀行「荒城の月のモデル、高虎ゆかりの岡城を訪ねて」「鎮江明月記」「ドバイレポート」「フィリピンメモ」、講演録「富士山宝永大爆発と津藩」「津藩・久居藩の江戸屋敷」「御家老様の釣りバカ日誌」など31篇を所載。
また、当時、自身が副会長を務めていた中部日本潜水連盟(略称中潜)が創立30周年を迎えるに当たり、記念事業実行委員長として連盟結成時の会長らに集まってもらい記念誌に掲載した平成5年の座談会記録を「日本ダイビング秘史~中潜結成など黎明期を語る」と改題して追録。
日本のスキューバダイビングのルーツは国内では、海上自衛隊潜水学校と東京水産大学、それに米国でマスターして来た人達の3ルート。昭和三十年代半ばあたりから徐々に趣味のダイバーが増えだしたが、漁民との軋轢も起こり、また、きちんとした教育機関がない中で潜水事故が起き始めた。教育機関や漁民との調整機関の必要性から日本で最初に誕生したのが中潜。その後、関東潜水連盟、関西潜水連盟が結成され、全日本潜水連盟結成に至る。
ダイバーの教育に大きな力を発揮したのが、昭和41年、西久の故郷でもある紀伊長島町海野(現紀北町)に中潜初代会長蜂谷弘道氏が私費で土地と漁業権を取得して開設した日本初のプライベート潜水ビーチ「マリンビリッジ」。昭和43年には当時の全国の主だったダイバー約50名がここに集い第1回合同指導員研修会を開いている。
こうした日本のスキューバダイビングの黎明期の出来事、動きなどを回顧してもらった貴重な座談会を再録した。
A4判変形(21㎝角)フルカラー272頁、頒価2000円。本紙で取り扱い。問い合わせは西久携帯090・3933・6061まで。
2022年9月8日 AM 4:56
朝夕は涼しい風も感じられるようになった。暑くて雨が多くて不安定な夏ももう終わる。暑い時期は麦茶やほうじ茶を冷まして飲んでいたけれど、そろそろ温かい緑茶にしようと思う。
台所に立つのは暑いけれど、お湯を沸かす。沸騰した湯をゆっくり冷まして急須に注ぐ。それをまたゆっくり待ってから温めた湯飲みに注ぐ。普段使いの茶葉でも、ゆっくりを重ねて入れると甘味うま味のあるお茶になる。
ところが夫は熱々のお茶が好き。火傷しそうなお茶をフーフーしながら飲むのが好き。そういえば、義母も熱いお茶が好きだった。子どもの頃の習慣は何十年経っても変わらない。育った家の好みが受け継がれていく。
別の家庭で育って、その後生活を共にするのが夫婦。それなりに仲が良いつもりでも、こういう好みの違いはどこまでも埋められない。どちらが正しいと決められない事柄だからこそ、どちらも譲ることができない。
それで、我が家では熱いお茶の時と、温いお茶の時がある。私は気分によって、お茶の入れ方を変える。時間があれば温いお茶を、忙しければ熱いお茶を。夫婦の暮らしはお互いの妥協の積み重ねなのである。
こんな二人の間で育った子どもたちはどうかというと、コーヒーメーカーとペットボトルで暮らしている。子どもの頃の習慣はどこへ行っただろう。 (舞)
2022年9月8日 AM 4:55