近頃DXという言葉をよく聞く。この間の県政だよりにも「三重のDX」という記事があった。デジタルトランスフォーメンション(デジタル技術を活用することにより、私たちの生活や仕事がよりよくなるように変革していくこと)。
新聞やテレビで頻繁に目にするようになったこの言葉は、はたしてこの先日本語として定着するだろうか。
二十年ほど前だったか、当時の森首相がITをイットと言ったことが話題になった。そのITは日本語になった。情報技術のことだと誰にも通じる。ついでにICT(情報通信技術)もその発展形と分かる。
でもITの後に出てきたユビキタス(いつでもどこでも)コンピューティングという言葉は消えた。IT業界では生きているだろうが、日常的な日本語ではない。スマホやタブレットを持ち歩き、いつでもどこでもインターネットにつながるユビキタスネットワーク社会が実現したから、ことさらに言わなくなったかもしれない。
IoT(モノのインターネット)という技術も身近になった。それらは自動運転や、スマートホームというような個々の言葉で表現され、IoTばかりが前面に出るわけではない。
世の中に次々現れる横文字言葉。アルファベットの略語は覚えにくい。英単語を日本語訳しても、覚えた端から忘れていく情けない有様。この先日本語となるなら頑張るのに。
(舞)