他業種から今年就職した井面さん(左)と藤本さん(右) 建設業界の未来を担う二人の成長を期待する久保社長

他業種から今年就職した井面さん(左)と藤本さん(右)
建設業界の未来を担う二人の成長を期待する久保社長

建設業界の高齢化は他業種と比べて顕著で、国土交通省がまとめた「建設業及び建設工事従事者の現状」によると、2016年で建設業就業者は55歳以上33・9%、29歳以下11・4%。2025年には90万人が不足すると言われる。
そんな中で、若手の採用に成功しているのが外壁塗装専門店「㈱リペイント匠」=久保信也社長=。
2012年創業の同社は、自社で育てた塗装職人による高品質な仕事を適正価格で提供することを信条に掲げており、現在は津市一身田上津部田に本店を構え、鈴鹿、松阪、名張、亀山に店舗を展開している。社員数は32名で平均年齢は約26才と非常に若い。
建設業界の人手不足の最たる理由は、労働条件や環境が良くないこと。雨などで工事が出来ないと給料がもらえない日給月給制が一般的で休日も少ない。年間の労働時間が2000時間オーバーと他業種よりも300時間以上長いという国交省の調査結果も出されている。
そこで同社では、人材を確保するため、他業種と遜色のない水準まで労働環境を整えることから始め、給与形態を月給制にし、完全週休二日制を導入。
入社した社員の育成では、合理性を重視。〝職人〟の世界の常識「技術は見て盗め」といった考え方は成長の妨げになると考え、作業工程から接客まで全てをマニュアル化して全社員で共有。効率良く技術を身につけられるので着実に成長できるという。
4月に入社した藤本優輝さん(28)と井面護さん(31)は他業種から入っており、二人とも入社前は建設業に対して少しネガティブなイメージを持っていたようだが、入社後は一転した。今は先輩社員の丁寧な指導も相まって毎日楽しく働いている。
藤本さんは「施工で綺麗に生まれ変わる家を見ると嬉しくなる」、井面さんは「早く一人前になって指導する側にもなりたい」と笑顔で語る。
久保社長は「若い社員を数多く育てることで、末永くお客様に良いサービスを提供し続けられる環境が整う。コツコツと技術を磨き、仕事に打ち込む職人の世界に魅力を感じてくれる若者もきっと多いはず。自社だけでなく、業界一丸となって改善を続け、働きたいと思う若者が増える環境を整えていければ」と熱い思いをみなぎらせる。