10月15日・16日、津藩祖・藤堂高虎公が今治城を築いた愛媛県今治市で、高虎公ゆかりの地の人々が集い交流を深める「第12回高虎サミットin今治」が開かれた。津市からも前葉泰幸市長を始め、顕彰・ガイド団体など40名以上が駆け付けた。セレモニー後のシンポジウムでは、津と今治の様々な共通点や深い関係も語られた。

 

 

サミットで挨拶する徳永今治市長

サミットで挨拶する徳永今治市長

サミットは、津市と今治市のほか、津と並ぶ津藩の重要拠点で高虎公が大改修を行った伊賀上野城がある伊賀市、公が赤木城を築城した熊野市、公の生誕地である滋賀県甲良町の4市1町が2年に一度持ち回りで開催。
今治地域地場産業振興センターで行われたセレモニーには徳永繁樹今治市長、前葉泰幸津市長、岡本栄伊賀市長、河上敢二熊野市長、野瀬喜久男甲良町長ら持ち回り開催地の首長のほか、今治と同じく高虎公が治めた愛媛県宇和島市市長も出席。来賓として藤堂宗家15代の高正氏と弟の高幸氏が臨席。津市からも藤堂藩五日会を始め、顕彰・ガイド団体を中心に40名以上が駆け付けた。
今治城築城の際、大工の士気を高めようと打ち鳴らされた先ぶれ太鼓をルーツに持つ「今治寿太鼓保存会」の勇壮な演奏でセレモニーが開幕し、ゆかりの地の連携を深めるサミット宣言が行われた。次回は熊野市で初開催されることが決まり、徳永市長から河上市長にサミット旗が手渡された。
その後の記念シンポジウムは「海と高虎~瀬戸内が育んだ今治の歴史」がテーマ。村上海賊ミュージアム学芸員の田中謙さんをナビゲーターに、パネリストは女優・タレントの村井美樹さん、東海大学教授で作家の山田吉彦さん、今治城学芸員の藤本誉博さん。
1600年の関ヶ原の戦いの功績で高虎公の領地となった今治は「九州四国のかなめ所」と言われた伊予(愛媛県)の中心地で今治津という港があった。1602年に今治城の築城を開始すると同時に移転した港と城下町を一体化する都市計画が行われ、それが多くの外航海運業者や造船業者を擁する世界トップクラスの海事都市となった今治の基盤になっていることなど、海を活用した高虎公の巧みなまちづくりの手腕が語られた。
また、1608年に高虎公は津に移るが、今治で得た経験を生かし、津城の大修築と共に城下町と岩田川河口を一体化した都市計画を行ったことや現在も造船のまちであること、津市岩田には高虎公と一緒に伊予から津へと移り住んだ人々が暮らした伊予町や、村上海賊(村上水軍)の来島衆が暮らした久留島という旧町名が残ることなど、今治と津の大きな共通点や繋がりも紹介された。
その後の懇親会は、なごやかな雰囲気で行われゆかりの地の人々が親睦を深めた。また、津市を拠点に活動する武将隊「勢州津高虎隊」が宗家からお墨付きを受けるという一幕もあった。
翌日、津から訪れた一行は今治城、村上海賊ミュージアム、能島城跡などを見学し、高虎公と、瀬戸内海で権勢を振るった村上海賊についても学んでいた。