2022年11月

昨日9日から三重県総合文化センター2階ギャラリーで『津西地区ふれあい創作展2022』が開かれている。時間は9時半~17時(最終日は14時まで)、入場無料。会期は11月13日㈰まで。
津西ハイタウン・緑の街・西団地・つつじが丘・津公園団地・広明台・むつみが丘・コモンヒルズ西が丘・渋見ヶ丘・上津台・西が丘団地など12団地を管内とする津西地区社会福祉協議会と津西地区自治会連合会の主催。
同作品展は2010年から毎年、開催していたが、新型コロナウイルスの影響で今回、3年ぶり11回目の開催となった。 書道・絵画・写真など住民らが丹精込めて創作した趣味の作品を一同に展示公開している。
更に12日㈯13時(開場12時半)~同文化センター多目的ホールで「ふれあいコーラスのひろば」も開催。入場無料。はみんぐ♪つつじ・Cantiamo・コールみどり・偕楽クラブ合唱団・マンマ合唱団・スィングハイタウンが出演。響く美しい歌声が楽しめる。

四つ橋筋から見る道頓堀川沿いの風景

四つ橋筋から見る道頓堀川沿いの風景

どちらに進むか悩んでいる。一本の国道を遡っているのにおかしな話だと思うが、国道165号は遡り続けると最後の最後で一方通行になってしまい、遡ることができなくなる。もちろん、徒歩では可能だが「遡る」という趣旨を考慮すると、道なりに進んだ方が正確のようにも思える。
私はこの旅をする上で、スマホからネット上の地図とGPSで大まかな進行方向を確認し、道路標識を見ながら進んでいる。「大阪駅」など目的地と進行方向が書かれた道路標識は、基本的に自動車のドライバー向けに情報発信している。国道も北方向に向かう場合は、当然ながら一方通行の道に進むような指示が表記されてはいない。ただし、一方通行といえば、私たちは対向できないほど狭い道を想像しがちだが、この区間の国道に関してはスケールがまるで違う。
国道25号などと合流しているこの区間は「御堂筋」と呼ばれており、きっとご存じの方も多いはず。大阪の中心部を南北に走り、いわゆるキタとミナミを結ぶメインストリートで全長にすると4㎞。全国的にも類を見ない8車線の一方通行道路で南向きへしか進むことが出来ない。この他にも、四つ橋筋、堺筋、松屋町筋と大阪市中心部を走る計4つの主要道路が北向きもしくは南向きの一方通行になっている。これは車の流れを単純化することで、混雑回避を目的にしている。ただ私のような田舎者にとっては慣れない道路事情なので、車で訪れたらカーナビ無しで上手く走れる自信がない。
悩ましい二者択一で私は「遡る」ことを優先した。つまり、御堂筋ではなく、並行して北向きに走っている四つ橋筋(大阪市道南北線)を通ってゴールである梅田新道交差点をめざすこととする。意見は色々とあると思うが、津市から国道を遡る上で自然な流れを意識した選択である。
御堂筋は大阪に来た時に何度か歩いたことがあるが、四つ橋筋を歩くのは初めて。大阪市役所などが立ち並ぶ華やかさを感じる御堂筋沿いの風景と比べると、つつましやかとはいえ、背の高い建築物が一面にそびえ立ち、高速道路の高架が眼前の中空を横切る都会らしい景色が広がっている。少し歩くと道頓堀川だが、ミナミのトレードマークのグリコサインのあたりと比べると、落ち着いた風景で新鮮さを感じずにはいられない。道頓堀川は全長2・7㎞で、木津川と、東堀川を結んでおり、名前は江戸時代初めに安井道頓によって整備されたことに由来する。聞きなれた地名も改めて由来を知ると世界の解像度がぐっと上がる気がする。
スマートフォンで残りの行程を調べると、ゴールである梅田新道交差点は目前。〝画竜点睛〟の時を前に、気持ちは自ずと高ぶる。いよいよこの旅も終わる。(本紙報道部長・麻生純矢)

暑い夏が過ぎ、秋空が気持ち良く澄み渡る季節になりました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。彼岸花が赤く染まるのを楽しみに愛でていたのもいつの間にかコスモスに変わり、どこからかよい香りが運ばれてきて、楽しみだった金木犀の花も雨で散ってしまったようです。代わりに十三夜を過ぎて盛りを迎えたススキや萩が凛として見え、草花を見ていると季節の移り変わりの早さに圧倒されてしまいます。乾いた空気に冬の気配を感じ、晩秋から初冬にかけて歩みを早める時雨で、私達は冬の近いことを知ります。
今回は「伊勢に宇治橋」と「世を捨てて」の小唄二曲をご紹介いたします。

「伊勢に宇治橋」=江戸小唄 作者不明・江戸後期
伊勢に宇治橋 内宮下宮 八十末寺の宮廻り 相の山ではお杉お玉が  縞さん紺さん中乗りさん 岩戸さんには道続き 二見ヶ浦には朝熊山 磯辺比丘尼に 太太神楽 これ申し上がりやんせ

この唄は江戸時代の泰平が続くにつれ「お陰参り」「抜参り」などと称して、諸国の男女をなして、お伊勢参りをしたもので、伊勢の名所を伊予節にのって唄ったものです。又、伊勢構の組織が生まれ、参詣人の世話をする「御師」という職業も生まれました。
「伊勢に宇治橋」は伊予節の替歌で、伊勢皇大神宮は、伊勢市五十鈴川上に鎮座し、宇治橋は神域に入る第一の関門でした。天照大神を祀る我が国最高の大宮を内宮、豊受大神を外宮と呼びます。神宮には、十の別宮、三十三摂社、十六末社、三十所管社合わせて八十九社がこの近くに散在しております。相の山には内宮、外宮との間の尾部坂と牛谷坂の間で昔の繁華街があった所です。
中でも古市は街並みで、伊勢詣りの人々はここで精進落としの遊びを楽しむのが例で、備前屋、杉本屋、油屋などが有名でした。又、お杉お玉という名物の女乞食がいて、三味線を引いて相の山節を唄い、お金の喜捨をを受けてました。縞さん紺さんとは、伊勢参りの客を着物の柄によって呼びかけている言葉です。
「岩戸さん」とは二見ヶ浦の夫婦岩のことで、朝熊山は内宮の東、伊勢志摩の国境にそびえる山のことです。「鸚鵡石」とは言葉石とも言われ、この石に向かって言葉を発すると、こだましてすぐその人の言葉を真似するといい伝えられています。志摩磯部町にあり、31mの石英岩です。「磯部比久尼」は尼の姿で売色をした私娼で、びんざら杓をふって唄を歌い乍ら客を呼び込む者のことです。「太太神楽」とは神宮に奉納する神楽のことをいいます。当時は神楽を奉納することが流行りでした。

「世を捨てて」=大正末期(新暦晩秋十月)益田太郎冠者作詞作曲

世を捨てて 身は奥山の侘び住居 訪う人も虫の声 音さえ淋しき月の影 テナこと言うのも嘘の皮 忘れられない色と酒 それにつけても金の欲しさよ 死んでも褒美の金欲しや 地獄の沙汰も金次第 欲ばってるね

益田太郎冠者の作詞作曲です。本名は益田太郎といい劇作家です。男爵益田孝の一人っ子で太郎冠者はペンネームで、脚本(笑劇)を書き演出もしております。
色と酒で身を持ちくずして、しょんぼり反省している様子ですが、これは真赤な嘘で、人間の本性と欲は変わらないものです。作者の場面転換の面白さが際立っている曲です。
窓から差しこむ光りも長くなり、日に日に秋の気配を感じます。皆様に楽しんでいただいております小唄の楽しみちんとんしゃんも21回を迎えました。まだまだコロナも収まらず、ただただ心配しております。あっという間に過ぎて行く一日を大切に過ごされ、お体をくれぐれもご自愛いただき、これから迎えます寒い冬を乗り切りましょう。
小唄 土筆流 家元 参考・木村菊太郎著「江戸小唄」

※三味線や小唄に興味がある方や、お聴きになりたい方は、お気軽にご連絡下さい。
又、中日文化センターで講師も務めております。稽古場は「料亭ヤマニ」になっております。電話は059・228・3590。

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