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11月27日、世界のブランド『松阪牛』の年度チャンピオンを決める『第71回松阪肉牛共進会』が3年ぶりに松阪農業公園ベルファームで開かれた。主催=三重県・松阪市・津市など関係市町ほか関係農業団体。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催を自粛されてきたが、飲食業界の不振による需要減と飼料高騰などに苦戦する生産農家からの要望もあり、感染症対策を施した上で開催。厳しい最終予選を勝ち抜き、この日の本選に出場した50頭の特産松阪牛は、兵庫県から買い付けた子牛を松阪牛肥育地域で採算を度外視して900日以上も肥育した未経産の牛。
早朝から県畜産研究所の職員らによる厳正なる審査の結果、チャンピオン牛の優秀賞1席には、大紀町野原の岡田一彦さん(77)肥育の『ここの3』号=肥育日数1081日、667㎏=が選ばれた。岡田さんの1席獲得は3回目。
せり市には、この日を待ちかねたギャラリーや報道陣が集まり、購入業者として、津の朝日屋を始め、松阪の和田金などが参加。毛並みなどの見た目も考慮する審査員の評価とは、また一線を画する肉の専門家ならではの目利きを基に、せり合戦を繰り広げた。
優秀賞5席の『てるふく』号は、241万円で一升びん本店が落札。4席『ちえみ』号は340万円で力八精肉店が落札。3席『かりんの3』号は400万円で朝日屋が落札。2席『きくまる』号は430万円で鉄板焼き団居が落札。
大トリの『ここの3』号は1千万円スタート。激しい競り合いで、2千万円の大台を突破するとギャラリーも盛り上がった。激しいせり合戦を制した朝日屋が2600万円で落札。朝日屋のチャンピオン牛落札は29年連続、通算39回目。今年も他を圧倒する攻勢で50頭のうち、19頭を落札した朝日屋の香田佳永社長(62)は「1席を落札する気で来た。ここ2年はコロナ禍で開催できなかったが生産者の方たちにも喜ばれたと思っている」と語った。肥育歴50年を超える大ベテランである岡田さんは「ありがたい。経営が大変な時なので嬉しい」と喜んだ。
朝日屋落札の牛は12月15日からの名牛まつりで通常価格で販売。
各業者の落札頭数は次の通り─①朝日屋…19頭②マックスバリュ東海…6頭③JA全農みえミート、丸中本店…各3頭④松阪まるよし、力八精肉店、焼肉野崎、霜降り本舗、肉の友屋、長太屋…各2頭④和田金、オーシャン、一升びん本店、川岸畜産、谷岡畜産、やき肉千力、鉄板焼き団居…各1頭
2022年12月8日 AM 4:55
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