会場を盛り上げた抽選会の模様

会場を盛り上げた抽選会の模様

136名がボージョレ・ヌーヴォーを楽しんだ

136名がボージョレ・ヌーヴォーを楽しんだ

3年ぶり12回目となる新酒の「ボージョレ・ヌーヴォーを楽しむ会」がホテルグリーンパーク津の伊勢・安濃の間においてコロナ感染予防に充分な対策を施して開かれ、集まった136名が美酒を楽しんだ。
主催した業務用酒類食品卸商社の㈱マツオカ(本社・津市高茶屋小森町)では、急激な円安、ウクライナの問題、コロナによる航空便の便数減などで空輸コストが急激に上がる中、持前の企業努力を発揮して今年も約2000本を販売した。
今回提供された「ボージョレビラージュヌーボー」は、ワイン業界で最も権威と影響力を持つ最高峰資格「マスター・オブ・ワイン」を日本在住でただ一人持つ大橋健一氏がこだわり抜いてセレクトした逸品。良質のブドウのみを厳選した果実や花の香りが感じられ、軽やかでフルーティな味わいで「これは飲みやすい」と好評。
当日は、キリンビール中部圏統括本部東海支社長の小日向真一氏の乾杯で開宴。ステージではプロとして活躍している音楽家・田中宏子さんのピアノ演奏と歌で会場に華を添えていたほか、景品が当たる抽選会も行われ、和気あいあいとした雰囲気の中、参加者らが楽しんだ。

日本一短い国道174号の始点(神戸市中央区)

日本一短い国道174号の始点(神戸市中央区)

国道165号を遡る旅を終えた翌日。大阪市の中心部の梅田近くのホテルで私は目を覚ました。時刻は6時前。いつも5時頃に起きているので、私にしてはゆっくりめの起床。一晩経った今も、国道を踏破した余韻が色濃く残っている。
冷蔵庫で冷やしておいたペットボトルのコーヒーを飲みながら「人生であと何本の国道を踏破することができるだろうか」などと、とりとめもないことを考えている。国道を歩く旅は、私の人生の中でも最高の贅沢といえるだろう。それは、お金がかかっているという意味ではなく、この世に生命以上に価値のあるものはないからだ。生命=時間と捉えれば、車で一日あれば巡れる距離を、わざわざ何分割もしてゆっくり楽しむ行為は、この上ない贅沢という他ない。
現代人は生き急ぎ過ぎている。徒歩しか移動手段のない時代の人と比べると、生涯で行ける場所も出来ることも格段に増えた。ただスピードが余りに早すぎて、大切なものを見落としがちになっている。国道を歩けば、その道が出来た経緯から、沿線の文化、歴史、経済が全て理解できるといっても過言ではない。有名な観光地まで足を延ばさなくても、普段通っている道の先には知的好奇心を満たす未知が星の数ほど転がっている。
気が付くと時刻は7時前。今日は朝から行く場所があるので、余りゆっくりしていられない。エレベーターで1階に降り、朝食を済ませると8時半にチェックアウト。JR大阪駅をめざす。
今日は4月1日。社会人や学生にとって1年の始まりであり、旅を終えた私にとっても次の旅を探す始まりの日でもある。駅に着いたのは8時45分。通勤のピークを過ぎ、駅のホームも電車もそれほど混んでいない。20分ほど電車に揺られ、兵庫県神戸市の三ノ宮駅に到着。神戸の中心地に降り立ったが、観光や買い物に来たわけでもなく、中華街で食い倒れをしにきたわけでもない。実は今から国道をもう一本踏破するために来た。昨日の今日で正気を疑う人が居るかもしれないがご安心を。ここにあるのは日本一短い国道であるからだ。
三ノ宮駅から神戸港に向かって10分ほど南に進むと件の国道174号に辿り着く。日本一短い国道として国道ファンの間では有名で、始点には看板も設置されている。この国道の総延長は、わずか187m。神戸税関前から国道2号線を結んでいるが、どれだけゆっくり歩いても5分あれば踏破できる。なぜこれだけ短い国道が存在するかというと、道路法で二級国道は「港湾法で特に規定された港、または建設大臣が指定する重要な飛行場、もしくは国際観光上重要な地と一般国道を連絡する道路」と規定されているため。いわゆる港国道と言われる道路で、当初は5倍ほどの長さがあったが、周辺の道路の改良によって日本一短くなった経緯がある。当然ながら私も始点から終点をあっという間に踏破することができた。もちろん、昨日味わったような達成感はないが、新たな旅立ちを迎えられる高揚感に胸が満たされる。
三ノ宮駅への帰路で通ったビルの前には、入社式の立て看板がある。会社の偉い人たちの話に、耳を傾ける新社会人たちの胸中は、きっと期待と不安が入り混じっているに違いない。自分が彼らの前で挨拶をするならば、どんなことを伝えるだろうか。ふと、そんなことを考える。3つの国道を踏破した今だから伝えたいのは、人生も道のようなものであるということ。自分の人生という道の総延長が長いか短いかは誰にもわからない。路傍の風景や路面の状況はもちろん、平坦なのか険しいのかも人それぞれ違う。無数の人たちが描く道と交わったり、別れたりしながら自分の描く道も終点へと向かっていく。きっと道の先が見えなくて苦しんだり、自分の置かれている環境に悩むこともあるが、そんな時は歩みを緩め、自分の行く手を阻むように広がる闇に目を凝らしてほしい。速度を落とした分、闇の中に今まで気付かなかったものが見えるはず。闇とは未知。未知とは可能性。未知の中には必ず自分の問題を乗り越えるヒントや答えがある。自分の知っていることなど、非常に狭い範囲でしかないのに、行き止まりと勘違いするのは勿体ない。どれだけ遅くても歩みを止めさえしなければ、必ず終点へと近づける。だから、苦しい時こそ闇の中に飛び込み未知にふれる気持ちを忘れないで欲しい…等々。ふと我に返った私は、自分の尊大なもの言いに思わず苦笑してしまう。
この後、ネット上で20年来の付き合いのある友人二人と合流。ボイスチャットなどで何度も話したこともあり、お互いのことを良く知るいわば旧知の間柄といえるのだが、実際に遭うのは初めて。一人とは三ノ宮駅で合流し、もう一人とは再びJRで大阪駅へ戻って合流。直接会うのは初めてとはいえ、全く違和感がなく、会話も弾む。大阪の地理に明るくないので、案内をしてもらうことに。実は3年前に163号を踏破した時に会う話も出ていたのだが、先約があってすぐに戻らなければならなかったので、ようやく会うことができた。改めて、人付き合いで最も大切なのは、物理的な距離ではなく、心の距離なのだと感じる。そして、物理的な距離を縮めたのが、なじみの深い国道を遡る旅であったかと思うと感慨深い。この旅の意義に更なる彩りを添えてくれる。
この連載を始めて以来、沢山の読者から応援のメッセージを頂いたことが励みになっている。特に毎回熱心に読んで頂いている方の中には、母の友人もおり、この連載が掲載される度にご感想と共に叱咤激励のお言葉を頂いているそうだ。その中に「お勧めの飲食店の紹介をして欲しい」とご要望を頂いたので、最後くらいはご期待にお答えしたい。同様のご意見を頂いたことがあるが、下調べ無しの徒歩旅の都合上、ちょうど良い時間、ちょうど良い場所に、ちょうど良い飲食店が存在することは稀で、どうしても営業時間の長いチェーン店などで手軽に済ませることが多かった。今回は旅の締めくくりを祝し、少し贅沢をしようと思うので、お店を予約してある。

「日本料理ゆずな」のビフカツ

「日本料理ゆずな」のビフカツ

三人揃ったところで、国道165号の始点・梅田新道交差点からも歩いて行ける距離にある大阪市北区西天満の「日本料理ゆずな」へ。こちらはSNSを通じて知り合った方からのご紹介で、彼が料理人の修行時代にお世話になった方が経営しているお店。店内は木をふんだんに取り入れた和モダン。ゆっくりと時間が流れる心地良い空間で「名物ビフカツ膳」を頂く。ビフカツの揚げ加減は絶妙で、細かく切ったパンを使った衣はサクサク、肉の中心部は赤みを帯びて美しい。ソースは深く上品な味わいだが、しっかりとろみがあるため重厚感を感じさせる。私たち3人は積もる話に花を咲かせながら心ゆくまで美味を堪能する。 昭和22年創業の鰻料理の名店の暖簾を引き継いでいるだけに、うなぎも自慢だそう。また大阪を訪れた際は、是非味わってみたいものである。
昼食後は、二人の案内を受けながら、昨日十分に巡れる時間の無かった場所を追加取材したり、いか焼きやたこ焼きなどの大阪グルメを味わいながら大阪市の中心部を散策。とても楽しい時間を過ごしながら、私は次の旅をどのようなものにしようかと思いを巡らせている。すると、ある未知の存在が浮上する。それは国道163号と165号の〝間〟。つまり国道164号である。津市周辺で暮らす人にとって身近な二つの道の先にある未知を既知に変えた今こそ向き合うべき存在といえる。新たな旅を始める前に、本当の意味で今回の旅にピリオドを打つ必要があるようだ。もう少しだけお付き合い願いたい。(本紙報道部長・麻生純矢)

18団体で構成する「津郷土芸能連絡協議会」の創立20周年を祝う記念式典と祝賀会が12日、津市センターパレスホールで開かれ、地元選出の県会議員、市会議員ほか来賓多数と関係者の175名が参加。20年の節目に歴史ある津の郷土芸能を更に充実させ、魅力ある活動の継続と次世代育成に取り組むことを誓うと共に、晴の日を皆で祝った。

 

 

郷土芸能への長年の功績を果たした功労者への表彰授与

郷土芸能への長年の功績を果たした功労者への表彰授与

今年から津郷土芸能連絡協議会に加入した青山高等学校和太鼓部・葵の演舞

今年から津郷土芸能連絡協議会に加入した青山高等学校和太鼓部・葵の演舞

同協議会は津市の郷土芸能の歴史や魅力を伝えることを目的に2003年に10団体で発足。その後、市町村合併などを経て現在、18団体で構成する。毎春の「郷土芸能ふれあいフェスティバル」や、津まつりで演舞などを披露しているほか、歴史ある津の郷土芸能を充実させると共に魅力ある活動の継続・次世代育成に取り組んでいる。
冒頭、挨拶に立った主催者代表の森直樹会長は「多くの先輩方、1000名を超える当会関係者の方々に感謝と敬意を持って本日を迎えることができた。今後も伝統芸能を子ども達に伝承していく」と謝辞を述べ、今後の更なる発展に期待感を示した。
来賓の前葉泰幸津市長は、 「地域の伝統芸能の技・技術を継承するには、それを披露する場が必要。コロナ禍で2年間、津まつりが開催できなかったことで、継承し続ける事がいかに大変かを再確認した。当たり前のように行われてきたことが、実はそうでは無かったんだと気付かされた。まつりを催行するには準備、安全の確保などが必要で、そのノウハウを繋いでいくのは実に大変であると。郷土芸能を通じて人の心の繋がりを確認する場になっている。その意味で協議会が果たしてきた役割は非常に大きい」と感謝した。
また、津商工会議所の伊藤歳恭会頭は「18団体は、唐人踊り、しゃご馬、太鼓、獅子舞、津音頭、よさこい、など非常に多岐にわたっている。次世代育成と郷土の文化を守って頂いており、本当に素晴らしい協議会だと感じる。津商工会議所は〝演舞をしない〟唯一の加入団体ではあるが、津まつりで披露の場を提供させて頂くことを目的に活動している。また、当会議所青年部の元気玉太鼓も創立以来、お世話になっている。今後も微力ながら郷土芸能発展に頑張っていく所存」と祝辞を述べ、郷土芸能が地域のアイデンティティとして重要な役割を果たしている事を強調した。式典後半では、郷土芸能の活動に尽力した10名を表彰し功績を称えた。
式典後の祝賀会では、今年から同協議会に加入した青山高等学校和太鼓部・葵の演奏でスタート。
来賓である県議会議員7名を代表して登壇した前野和美県議会議長は、「郷土芸能がこのように守られていることに感謝を申し上げる」と述べ、続けて「先日、全国の県議会議長による議長会が3年ぶりに広島県で開かれ、懇親会の場で広島神楽が披露された。古の時代から300年以上の歴史があり、その時代、その時勢に合わせた形で継承されてきたと説明を受けた。我々県議会議員も伝統芸能に関わらせて頂けたら。ぜひお声をかけて頂きたい」と祝辞を述べた。
アトラクションとしてステージでは、ダンスチーム「凛」の演舞や各団体代表者による活動への意気込み披露など多彩な内容で会場を盛り上げた。
※同協議会の構成団体は=青山高等学校和太鼓部、安濃津よさこい組織委員会、伊勢津太鼓保存会、伊予町青壮年会、榊原湯の瀬太鼓、白塚獅子舞保存会、津音頭保存会、津商工会議所青年部元気玉太鼓、津しゃご馬保存会、津青年会議所・高虎太鼓、津・高虎太鼓、津・高虎太鼓華乃津会、津民芸保存会、町屋百人衆、美里龍神太鼓、美杉連山のろし太鼓保存会、分部町唐人踊り保存会、津商工会議所

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