9月3日、前葉泰幸津市長が、今年100歳を迎える内田こうさん宅=津市安濃町東観音寺=を訪問した。
内田さんは毎日、自宅近くの畑で農作業をしており、年齢を思わせないほど元気。前葉市長は「100歳おめでとうございます」と祝福し、内閣総理大臣からの祝状や記念品などを手渡した。
内田さんは家族にも恵まれて日々楽しく過ごしていることや、長年続けている農業も機械化して自分が若い頃とはすっかり様変わりしたことなどを語り「誕生日まで怪我や病気に気を付けて無事に100歳を迎えたい」と微笑んだ。
2022年9月22日 AM 4:55
1・テン・ミリオン計画
昭和62(1987)年9月、「海外旅行倍増計画」(テン・ミリオン計画) が策定された。ここでは、前年時点の日本人海外旅行者数552万人をおおむね5年間で1000万人に倍増することが目標とされた。
この計画は、「1980年代の日米貿易摩擦が激しい頃、日本のドル減らしを直接の目的として構想された」ものであり、当時、我が国の貿易黒字の大きさが米国等から批判されたため、その対応として積極的に海外旅行を促進した珍しい政策と評価されている。
具体的な施策として、①海外旅行促進キャンペーン等の実施、②海外における日本人観光客の受入環境の改善、③海外旅行促進の環境整備、④航空輸送の整備、⑤外航客船 (クルーズ船)旅行の促進、⑥「海外旅行促進フォーラム」の活動の推進が掲げられた。このうち、若者のアウトバウンド観光に関係する施策としては、③海外旅行促進の環境整備の中で、海外修学旅行の促進が挙げられた。
また、⑥海外旅行促進フォーラムは、テン・ミリオン計画を民間サイドから支援するために、旅行業者、航空会社、観光関連事業者、地方自治体、外国政府観光機関等によって昭和62年(1987)11月12日に設立された会議体で、その幹事会の下に海外修学旅行懇談会が設けられた。
このように、計画全体の背景として貿易摩擦の解消があるが、海外修学旅行の促進の背景には、「感受性の豊かな若い時代に外国の土を踏み現地の人々と接触を持つことは、人生経験として極めて有意義であって、日本人の国際化に資する」という考え方があった。
2・観光交流拡大計画 (Two Way Tourism )
平成3年(1994)7月、運輸省は「観光交流拡大計画」を策定した。テンミリオン計画の目標であった海外旅行者数1000万人到達が前倒しで達成され、新たな計画が必要となったことが背景にあるとされる。
「ポスト・テン・ミリオン」とも称されたこの計画では、インバウンドに軸足を置きつつ、インバウンド・アウトバウンド双方向の観光交流の拡大やアウトバウンド観光の質の向上が目指されていた。このうち、若者のアウトバウンド観光に関する施策としては、テン・ミリオン計画に引き続いて、海外修学旅行の促進や相手国の若者との交流の場の拡大が盛り込まれていた。
以上は、国立国会図書館調査及び立法考査局のドキュメントからの抜粋である。
この計画の背景には、日本製品の輸出拡大による貿易不均衡問題がある。つまり、工業製品輸出で潤う産業界のために、観光客を差し出し、地域観光経済や国内旅客輸送にはダメージを与えていたのだ。国際収支の上で、コロナ禍とインターナショナル・ツーリズムが表裏一体の関係にある事は前回書いたが、モノ貿易とインターナショナル・ツーリズムもまた表裏一体の関係なのである。
また、東日本大震災によって福島第一原発が爆発した2011年、当時の政権は、震災・自粛ムードに疲弊した地域観光経済を尻目に空前のアウトバウンド(海外旅行)・ブームを仕掛けてもいた。
その背景には、一時76円台にまで急騰した円高があるが、旅行業界はこぞって海外送客に勤しみ、この年のアウトバウンドは1699万4200人を数え、旅行収支は受取8752億円、支払2兆1716億円で、1兆2963億円の赤字となった。
残念ながら、日本の観光業界は世事に疎い。長らく不要不急産業との揶揄に甘んじてきたからか、業界としての力が弱いのだ。だから皺寄せが来るのである。
(OHMSS《大宇陀・東紀州・松阪圏・サイト・シーイング・サポート代表》)
2022年9月22日 AM 4:55
9月10日、津市中河原の真宗高田派・乙部山潮音寺で「秋の永代経法要」と「法話」が行われた。
法要は村上英俊住職が厳かに執り行った。その後、浄土真宗本願寺派・善照寺衆徒、新堀慈心さんの法話が行われた。
新堀さんは、京都府城陽市にある(一財)本願寺ビハーラ医療福祉会が運営する「あそかビハーラ病院」に看護師として動務。余命3カ月未満と診断された末期がん患者を中心に緩和ケアを行っている病院での日々を語った。
新堀さんは、人々の死を看取りたいという気持ちで看護師になり、十年ほど前に同院で働くこととなった。同院にはビハーラ僧(常駐僧侶)がおり、医療だけでは届かない患者の抱える葛藤など心の痛みなどに対するケアを行っている光景を目の当たりにする。日本では、家族の死に目に会えないことを良くないと広く考えられているが「家族の死に目に会えない事が悪くて、会える方が良いという事に疑問を感じるようになった」と語り、「それよりは元気な時に会っておくことの方が大切」と死にゆく側も、送る側も、そして病院で働く者も〝良い死〟という概念にとらわれ過ぎているのではないかという自分なりの考えに辿り着いた。それを僧侶に相談したところ「どんな死に方をしても、仏から見れば平等」と言われて納得したことなど、自らの経験を通じ、医療の現場で生きる仏教の教えを紹介した。
2022年9月22日 AM 4:55