津市久居アルスプラザが主催するアルスこども創造プロジェクト2022・市民創作ミュージカル「久居のものがたり」が10月10日(月・祝)14時から(開場13時半)、アルスプラザときの風ホールで公演される。
同プロジェクトとは、想像力・創造力・表現力、他者とのコミュニケーション力、地域愛の育みや将来の文化芸術を牽引する人材の育成を目指し、地域のプロの芸術家の指導のもと、子ども達と共に創作活動を行うもの。演出は鳴海康平(第七劇場・演出家)、脚本は山田裕幸(ユニークポイント)、音楽は川崎正貴の各氏。
指導は、演技・鳴海康平、歌・佐波真奈己、ダンス・佐々木舞の各氏。
ストーリーは─
久居藩初代藩主、藤堂高通についての劇をつくることになった子どもたち。その練習をしているところに、タイムスリップした高通が現れるというもの。350年前につくられた「久居」に、現在の子どもたちが思いをめぐらせる楽しいミュージカル。
出演は(五十音順、敬称略)、安藤彗、石崎夢羽、岡南奏来、片岡あい、阪井壱成、杉田妃鞠、瀬川結萌、圡屋有彩、圡屋歌恋、保浦瑞姫、松下琥珀。
ゲスト出演は、小菅紘史、木母千尋、ほか。 チケットは全席指定一般1000円、クラブアルス(友の会)800円(全て税込)。3才未満、膝上鑑賞無料。アルスプラザで取り扱い。
チケットに関する問い合わせ・申し込みはアルスプラザ☎059・253・4161へ。
2022年9月22日 AM 4:55
近頃DXという言葉をよく聞く。この間の県政だよりにも「三重のDX」という記事があった。デジタルトランスフォーメンション(デジタル技術を活用することにより、私たちの生活や仕事がよりよくなるように変革していくこと)。
新聞やテレビで頻繁に目にするようになったこの言葉は、はたしてこの先日本語として定着するだろうか。
二十年ほど前だったか、当時の森首相がITをイットと言ったことが話題になった。そのITは日本語になった。情報技術のことだと誰にも通じる。ついでにICT(情報通信技術)もその発展形と分かる。
でもITの後に出てきたユビキタス(いつでもどこでも)コンピューティングという言葉は消えた。IT業界では生きているだろうが、日常的な日本語ではない。スマホやタブレットを持ち歩き、いつでもどこでもインターネットにつながるユビキタスネットワーク社会が実現したから、ことさらに言わなくなったかもしれない。
IoT(モノのインターネット)という技術も身近になった。それらは自動運転や、スマートホームというような個々の言葉で表現され、IoTばかりが前面に出るわけではない。
世の中に次々現れる横文字言葉。アルファベットの略語は覚えにくい。英単語を日本語訳しても、覚えた端から忘れていく情けない有様。この先日本語となるなら頑張るのに。
(舞)
2022年9月22日 AM 4:55
大阪という言葉を聞いて真っ先に思い浮かべる建造物はなんだろう。大阪城、京セラドーム、あべのハルカス等々…、有名な建造物は数あれど、恐らく多くの人が思い浮かべる八角形の塔が天に向かって伸びている。そう、皆さんも見慣れた大阪のシンボル通天閣。この国道165号を遡る旅の前に、同じく津市に終点、大阪に起点がある国道163号を踏破する旅をした。その際は今回よりも北側から大阪市に入ったため、私たちが「大阪らしい」と感じるような建造物とは余り出会えなかった。一方で、私が認知している「大阪」など、ほんのごく一部にすぎないため、新鮮な発見もあって非常に楽しかった。しかし、ここまで通算120㎞ほど歩いてきたご褒美として「大阪にきた」という感情を強く揺さぶられる景色と出会えて胸中は歓喜に満たされている。
通天閣について少しだけお話をしておくと、高さは108mの展望塔だが、実は2代目。初代は第五回内国勧業博覧会の招致合戦に勝利した大阪商業会議所会頭・土居通夫が、同博覧会の跡地に1912年、遊園地ルナパークと共に建設。初代のデザインは当時の最先端都市であったパリのシンボル、エッフェル塔を参考にしており、遊園地も同じく最先端都市であるニューヨークのルナパークの風景を模していた。新世界という名前はこういったコンセプトから旧来までの世界と一線を画したい、という思いが込められている。隣にある天王寺公園も博覧会の跡地の一部。
しかし、遊園地は10年ほどで閉園し、初代も1943年に火災で焼け
て解体されたため、1956年に二代目として再建されたのが現在の通天閣。東京タワーや名古屋のテレビ塔と同じ内藤多仲が設計しているが、先述の兄弟塔が実用的な電波塔として都会的な雰囲気を醸し出すのに一役買っているのに対し、通天閣は観光を目的とした展望塔で明確に立ち位置が違う。そして、世界の最先端をつくるという思いが込められた新世界の名は今も残っているが、現在は当初の思いと正反対ともいえる下町風情が漂う町に着地し、どこよりも「大阪らしさ」を醸し出しているのが面白い。新世界に遊びに行った際、通天閣を下から何度も見上げたことはあるが、高所が余り得意ではないため、実は上ったことがない。次の機会にはチャレンジしてもいいかもしれない、などと考えながら、西へと歩を進める。
少し先には、商売人にはおなじみの神社「今宮戎神社」。国道からほど近い場所にあり、せっかくなのでお参りをしていくことにする。この神社の歴史は古く、聖徳太子が四天王寺(前回紹介)を建立する際にその西方の守護神として600年に建立した。祭神のうち、事代主が商売繁盛を司る七福神の一柱であるえびすと同一視されていることから、商売の神として篤い信仰を集めている。特に1月の十日戎が有名で境内には所せましと人々が集まる。
しかし、平日の午後は静かなもの。境内には私を除くとメイクと服装を綺麗に整えた20代くらいの女性とその母親であろう二人組。長い時間、神前で手を合わせている姿を見ていると「何か商売を始めたのかもしれない。カフェかな。それともエステかな。それとも…」などと妄想を膨らませる。自分の番になると、まずはここまで無事に来られたことに感謝。そして、残りわずかとなった旅の無事を願う。今はこれ以上望むことはない。私はそれほど信心深いわけではないどころか、どちらかといえば横着な人間だが、神仏の前に立つ時くらいは謙虚で居たいと思っている。
参拝を終えた後、時間を確認するとちょうど15時。ゴールの梅田新道交差点までは6㎞ほど。そう遠くない距離まではきている。
境内を離れた私は近くにあった有名チェーン店に入り、休憩を兼ねた遅めの昼食をとる。もっと大阪らしいものを食べればよいのにと思われる方も多いと思うが、時間と距離の調節が難しい徒歩旅ではよくある話。ラーメンをすすりながら、ラストスパートに向け、英気を養う。(本紙報道部長・麻生純矢)
2022年9月22日 AM 4:55