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歯磨きのチューブの中身が減ってきたら、ブンブン振って使う。ポスッと音がして出て来なくなったら台所に持っていって、チューブをハサミで切り開きシンク磨きに使う。チューブの中もきれいになって、それが歯磨きチューブの捨て時だ。
タオルの捨て時は難しい。少しゴワゴワしてきた時、くたびれてきた時、どうしようかなと思う。柔軟剤や漂白剤で何とかなるけれど思い切る。そして油拭き布にしたり雑巾にしたり徹底的に使ってから捨てる。
靴はどうだろう。歩くことが少ないから壊れない。破れたり擦り減ったりしたら、喜んで捨てる。このところ履いていないけれど、履くかもしれないものは迷う。この冬に一度もブーツを履かなかった。ブーツはすべて捨てるべきだろう。
一番捨て時が分からないのは洋服だ。破れたり色褪せたりするほど着ることはない。どれもまだ着られるが、何年も着ていないものがある。少し流行おくれだったり、くたびれていたり。でも置いておけば着るような気もする。
高かったもの、質の良いものはなかなか捨てられない。自分で編んだもの仕立てたものはさらに捨てられない。下手なのに。
親の家を片付けた友達が言っていた。「洋服は分別する必要がないから捨てるの簡単」その言葉を信じて、捨てるのはもう少し後にしようと思う。
(舞)
2023年4月13日 AM 9:33
3月23日~26日、津リージョンプラザで『第12回デジタル創作絵画展』が開かれた。
会場に並んだ約80点はパナソニック㈱のOB・OGらで作る「パナソニック電工松寿会」の8名と、一般の愛好家12名によるもの。
デジタル絵画は、画像処理ソフトで風景などの写真を合成してベースとなる画像をつくり、描画ソフトで絵画風に仕上げるというもの。
日本国内の様々な風景や海外の景色などをモチーフにした作品が展示されたほか、指導してきた寺原剛さんの遺作コーナーも設けられた。来場者たちは写真とも絵画とも違った独特の風合いの作品を楽しんでいた。
参加者募集中。島さん☎090・8737・7464(10時~16時)。
2023年4月13日 AM 9:24
近鉄名古屋線の踏切を越えた私は旧伊勢別街道に沿って、一身田中野の住宅街を西から北に向かって進む。普段、この辺りを車で通る時、道幅が広く走り易い三重高等自動車学校等がある方の道を利用することが多い。街道は、過去に車で数回通った記憶があるだけで、なじみのない風景に胸が高鳴る。
道は利用する人々のニーズによって姿や役割を変えていく。昔のメインストリートだった街道は、結ぶ地点などのコンセプトは受け継がれつつも、より時代のニーズに即した道に主たる役割を譲っている場合が多い。特に旧街道沿いは、道沿いに家がぴったり立ち並んでおり、車社会に合わせた拡幅などが難しいため、主に地域住民の生活道路として利用されている。言い換えれば、普段通る人の大部分が地域住民ということで、それ以外の人たちは余り目にしない光景が楽しめる。立派なお屋敷や土蔵を見れば、先祖から代々受け継いできた努力に敬意を抱かずにはいられないし、表札に刻まれた苗字や軒先におかれた自転車などにも目をやりながら歩いていく。徒歩の魅力は、五感から得られる圧倒的な情報量に尽きる。
よく自分の住んでいる地域を紹介する時、「何もない」という言葉を使いがちだが、断じてそんなことはない。個人の存在は唯一無二で誰一人として同じ個性を持っていない。その個人が集まって生まれる人々の営みもまた唯一無二。その結果生み出される風景は、ごくありふれた〝どこにでもある〟と錯覚されがちだが、実は〝どこにもない〟唯一無二の風景。これに気付くと、どこに行っても楽しくなる。
なにより私たちは、自分が考える以上に身の回りのことを知らない。何十年住んだり、仕事などで訪れていた地域でも、多くの人が同じ道を同じ交通手段で通ることが多いことに起因する。この企画成功のために日常生活でも、ほぼ毎日10㎞前後は歩くようになったが、それに伴い会社の周辺や、自宅の周りの車では入り難い細い路地にもくまなく入ることを意識するようになった。すると、路地裏にひっそり佇むお店や史跡。それらと共に景色を構成する町並みや自然など様々な「新発見」があった。スマートフォン片手に歩けば、知らない花の名をすぐに調べることができるし、花の咲く時期もおぼえられ、香りを楽しむことだってできる。ひと昔前までは教養を身につけなければ漉しとれなかった情報が容易に可視化できる時代が来ている。
街道をゆっくりと歩きながら私は、豊かさの本質とはなんだろうと思いを巡らせる。お金はもちろん大切。物質的な豊かさが不足すれば、精神的に歪んでしまうことだってある。一方、上を見上げれば青天井。「足るを知る者は富む」というように、豊かさとは突き詰めると自分の認知の問題。私は、徒歩旅をするようになって自分の人生が確実に豊かになった。「知る」を意識して歩く中で、小さな楽しみと毎日のように出会えるからだ。この旅が終わる頃にはもっと豊かになっているに違いない。(本紙報道部長・麻生純矢)
2023年4月13日 AM 9:19