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2023年10月
14日、津市大門の津市センターパレスホールで、津城跡の保存や活用といったこれからを考える津市主催のシンポジウム「津城をたどる」が開かれ、市民200名が参加。津城の復元への期待が高まる中、津城の歴史や松坂城跡、田丸城跡の事例紹介からも、津城の石垣に根を張る樹木の伐採など、喫緊に解決すべき課題も浮上していた。
このシンポジウム開催のきっかけの一つは、津城復元への気運の高まり。津城は現在は本丸と西の丸の石垣と内堀の一部を残すのみとなっているが、往時には最大100m幅の堀と堅牢な門などによる難攻不落の要塞でありながら、平和な時代を見据えて政庁としても使い易い革新的な設計思想を持つ城だった。公益財団法人日本城郭協会の続日本100名城に選ばれて以降、全国から城好きを中心に観光客が訪れている。「津城復元の会」=西田久光会長=の地道な活動や、ふるさと納税ブームも追い風となり、津市のふるさと納税制度の使途項目「津城跡の整備」には延べ約3万人から現在約7000万円もの寄附が集まっている。このタイミングで改めて、多くの市民の意見を掘り起こし、史跡や都市公園など様々な顔を持つ津城跡の整備のあるべき方向性を考えることがシンポジウムの目的。
最初に、津市文化財保護審議会委員の吉村利男さんが登壇し、「津城の歴史と変遷~その起源から現在」という演題で津城の現在に至るまでの歴史を紐解いた。津城は織田信長の弟・信包によって建てられ、天正8年(1580年)頃に完成したとされ、慶長13年(1608)に入府した津藩祖・藤堂高虎が大改修を加え、その居城となっている。以降は、藤堂家が代々城主として受け継ぎ、明治時代を迎えている。その後、廃藩置県によって、明治4年(1871)に廃城となって以降は陸軍の管轄となり、明治10年代に櫓などの建物の払下げが行われた。明治23年には陸軍より藤堂家へ城地の払下げが行われたが、昭和前期までにかけて、都市の発展に伴い、城跡の内堀と外堀の間に家が建てられたり、新道の開通や外堀と内堀の埋め立てなどが行われた。残っていた南内堀も昭和25年(1950)頃より戦後の復興で公用地を確保するために埋めたてられた。昭和33年には市民の寄附によって石垣の上に模擬櫓が建設され、昭和42年~45年にかけてお城公園として都市公園化した。平成17年(2005)には県史跡に指定され、南内堀跡の旧津警察署跡地に中央公民館の新築が計画されたが、津市文化財保護審議会から反対の要望書が出され、現状維持がなされた。吉村さんは、近年の機運の高まりを踏まえて「櫓だけではなく内堀の復元も含めて検討してほしい。今一度、原点に立ち返って津城の史跡保存を考える必要がある」と語った。
その後、津市教育委員会生涯学習課の中村光司さんが「県史跡・津城跡に係る津市の取組み」の演題で、石垣の上に植えられた樹木の成長に伴って根に押し出される形で孕み(膨らみ)が生じている石垣、除却が予定されている本丸南側の旧社会福祉センターの調査状況の報告などを行い、改めて津城跡のあり方を共に考えるスタート地点とするとした。
続いて、松阪市産業文化部文化課の寺嶋昭洋さんが「国指定史跡・松坂城跡の管理と整備」と題し、積み直しをした大規模な石垣の修理や倒壊すれば石垣にダメージを与える危険木や支障木の伐採などの取り組みを解説。玉城町教育委員会生涯教育係の田中孝佳吉さんが「県史跡・田丸城跡の整備と活用」と題し、平成29年(2017)の台風の豪雨や石垣近くに生えていた樹木が倒れた影響で崩落した石垣の修復などについて語った。石垣の整備は津城跡も直面する課題だけに今後の参考となる貴重な事例紹介となった。
最後のトークセッションは「城跡の整備と活用のこれから」を演題に、皇学館大学非常勤講師の竹田憲治さんを迎え、吉村さん、中村さん、寺嶋さん、田中さんがそれぞれの見解を語った。
会場からも意見が寄せられており、参加した三重県郷土会理事の浅生悦生さんは「石垣の上の木の伐採は急務。倒壊して補修することになれば、莫大な費用がかかる」と訴えると共に、津城跡に訪れた人たちが立ち寄れる郷土資料館の必要性も指摘していた。
津市では、このシンポジウムを皮切りに、津城跡のあり方を継続的に考えていくとしているが、過去にも、城跡の整備を考える取組みが立ち消えになっていたことも、今シンポジウムで紹介された。実効性のある整備案が明確な形となるまで議論の継続が期待される。
2023年10月27日 AM 11:39
11日、中部電力グループ各社の従業員によるボランティア団体「豆電球クラブ三重」が津新町通り周辺のゴミを拾うなどの清掃活動を行った。
事業所の周辺の環境を美しくして地元の人や周囲を歩く人たちに気持ちよく通行してもらいたいという思いで2006年より実施。今回で43回目。
中部電力、中部電力ミライズ、中部電力パワーグリッドの社員約87名が参加。更に百五銀行や三重刑務所の職員も加わり、総勢約140名で路上に落ちている飲料の容器や煙草の吸殻などのゴミを1時間程かけて丁寧に拾った。
参加した倉田善弘さんは、集まったゴミを見ながら「皆さんのご協力のおかげで、いつも以上に綺麗になった」と笑顔で話していた。
2023年10月27日 AM 11:33
行政と民間が一体となったエリアプラットフォーム「大門・丸之内 未来のまちづくり」による津市の中心市街地の新たな人の流れや賑わいを創出する商店街道路空間の活用実験「ふらっと大門・丸之内」が始まった。
活用実験は、大門地区と丸之内地区でそれぞれ1週間ずつ開催。丸之内エリアでは昨日から31日まで開催。時間は10時~15時(一部は8時~)。丸之内商店街の国道東側の歩道寄りの1車線を通行規制し、日替わりでキッチンカーが出店。歩道にも出店ブースと賑わい空間(テーブル・椅子など)を配置し、沿道の店舗も店先を活用する。29日にはまん中広場で警察消防車両展示などのミニイベント。28日・29日11時~、学生が空き店舗を活用した「喫茶居場所」。
大門エリアでは、11月7日~13日の各日10時~14時開催だが、10日と11両日は17時~21時まで開催する。大門大通り商店街に沿ってキッチンカーや出店ブースが並び、椅子やテーブルを配置して憩いの空間を演出する。11月8日~12日、道路に白線を仮引きし、実車両を展示して商店街内を車が走るイメージを創出する「車道空間体験ゾーン設置」。11日15時~21時、12日11時~16時に津観音境内で学生によるフリマとセレクトショップ「津観音 市」も開催。
中心市街地の新たな姿を描くための試金石となるだけに大門・丸之内 未来のまちづくり」の辻正敏会長は「一人でも多くの方に来て頂きたい」と呼びかける。
2023年10月27日 AM 11:24