一般社団法人 日本教育情報化振興会「ICT夢コンテスト2023」で、三重大学教育学部附属小学校の前田昌志教諭が、総務大臣賞を受賞した。受賞した実践テーマは、『ドローンによる「鳥の視点」を起点に、流域治水の面白さに迫る授業』。来年3月15日㈮、16日㈯に、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される「2023年度教育の情報化推進フォーラム」で、表彰式と事例発表会が行われる。
 ICT夢コンテストは最新のICTの先進的活用で、教師の教授活動や児童・生徒の学習活動をより質の高いものにして行こうとする取り組みや、技術の先進性よりも、ICT利活用の普及に主眼をおいた教授活動や学習活動、校務の情報化などの実践事例を広く全国から募り、優れた取り組みを顕彰し、その成果をICT利活用の普及啓発に活かしていこうとするもの。今回は全国から最新のICT活用にかかわる数百件以上の応募があり、その中から最高賞として選定された。
近年、気候変動の影響による水害の激甚化・頻発化から「流域治水」が注目されているが、流域を調査する上では「河川のスケールが大きく、調査で全体像を把握しにくい」「人間では近づけない箇所がある」「広大な流域による時間的・距離的な制約がある」ことが課題だった。
 そこで前田教諭は、雲出川の流域全体のドローン映像を撮影し、児童が活用できるデータベースを構築。鳥の視点を起点に流域治水の面白さに迫る授業にした。そのために、前田教諭が自ら無人航空機操縦技能証明書を取得して空撮し、教材化した。
 特出すべき点は、ドローン映像と本物の双方を大切にした学習であること。授業では、ドローン活用を通じた流域俯瞰の機会を得ることは出発点に過ぎず、そこから流域の仕組み(自然+治水)の理解、自分たちの暮らしとの関わりへの気づきを経て、他者、ひいては流域社会に関わる本質的課題を客観思考し、さらに自ら実物を調べる展開となった。
 撮影したドローン映像は、ユーチューブチャンネルにもアップロードされ一般公開している。動画は11水系で計140本以上、一部はドローンに360度カメラを搭載し、VR映像化ている。
 また、津市の2万2千人の小中学生が利用できる学習ポータルサイト「津市e─Learningポータル」に動画を整理し、子ども達が一人一台端末を活用して簡単にアクセスできる環境を整えている。