パソコン机の引き出しを開けたらオーデコロンの瓶に目が留まった。ケルンのオーデコロンだ。ケルンはオーデコロン発祥の地で、ドイツ土産としてもらったこれはナポレオンも使ったという歴史ある香り。
 この瓶を見るたびにお土産としてくれた友達を思い出す。辛かっただろう闘病の末に亡くなって、一年余りが過ぎた。コロナ禍でお見舞いにも葬儀にも行けなかった。まだ、どこかにいるようにも感じる。
 オーデコロンの香りは柑橘系で、どちらかというと男性向きかもしれないが、人に会わない夜ならば、香りは自分ひとりで楽しむもの。耳の後ろに少しつける。
 香りは記憶を引き出すきっかけになるという。紅茶とマドレーヌで過去を思い出したというのは有名なお話だが、私もオーデコロンの香りでもらった時を思い出した。子どもの幼稚園で出会い、それから長い付き合いだった。写真を見返すと若い私たちが笑っている。
 お互い賑やかな人間ではなかったので、ぼそぼそと愚痴をこぼし合い、一緒にご飯を食べ、時には一緒に山に登るという付き合いを続けてきた。話を聞いてもらって楽になることもあった。
 会うは別れの始め。人がいつかは去っていくのは当然のことだけれど、やはり寂しい。彼女を私の記憶の中に長く留めて、何度でも思い出すことが供養になるだろう。 (舞)

 1993年に創設された技能実習制度は、発展途上国の外国人が日本で働きながら技術を学び、帰国後に母国の発展に生かしてもらうことが建前だ。実習期間は最長5年で、今年3月末の時点では農漁業、縫製業、建設業、宿泊業など87職種が対象である。この技能実習制度のあり方を検討する政府の有識者会議が4月10日、日本の法務省内で開催された。
 会議では、「国際貢献に大きな役割を果たしている」「中小企業にとって受け入れは必須だ」などの意見に対し、「目的と実態のかい離は明らかで、人権侵害につながる構造的な要因だ」「外国人労働力を安く使うという考えでは人材獲得の国際競争に勝てない」「労働力として正面から認め、長く日本で生活者として暮らせる仕組みを考えるべきだ」「実態に合わせて廃止した上で、国内産業の人材確保の制度として再出発することが必要だ」などの意見が交わされ、現行制度の廃止を検討するよう中間報告書の原案が提示された。
 有識者会議は、今秋をめどに最終報告書をまとめ、日本政府は早ければ来年の通常国会に関連法案を提出する方針である。宿泊業界もそうだが、労働力不足は深刻だ。少子高齢化で人手不足が深刻化し、外国人の実習生が労働力の貴重な担い手となっている実態に合わせる必要がある。
 折しも4月12日、日本の総務省は2022年10月1日時点の日本の総人口推計(外国人含む)を発表した。総人口は前年比55万6000人減の1億2494万7000人となり、12年連続で減少。出生児数が死亡者数を下回る「自然減」は16年連続となり、前年比で73万1000人減った。国立社会保障・人口問題研究所では、2100年には約6400万人にまで減少すると予測している。現在、日本政府は「異次元の人口増加政策」の財源をめぐって混迷しているようだが、社会保障や増税で可処分所得を減らす愚策を執れば本末転倒の結果になるだろう。では、どうするか?
 2014年2月、安倍元首相がソチ冬季五輪開会式出席のためソチを訪れた時、プーチン大統領は昼食会で日本の人口減少に触れ、ロシアにおける「母親資本制度」の取り組みを説明した。母親にインセンティブを与えるこの人口増加政策については、2018年5月31日付本紙上あるいはWEB版の№125でも紹介したが、私はこの制度が人口の増加や若返りが社会保障の健全化や内需拡大のみならず、国防面においても有効であることに戦慄した。というのも、ロシアでこの制度がスタートした2007年生まれの子供たちが、あと2年でこの国の兵役に適う18歳に達するからである。我が国の戦時中においても「生めよ殖やせよ」スローガンがあったが、労働生産人口が国力を担保することは間違いない(もっとも、ロシアの国防相は昨年、ロシア軍の徴兵年齢を3年引き上げる考えを示した。が、それは現行法では学徒は徴兵が猶予されるからであって、21歳からのほうが兵役に就けやすく、将来的な軍隊の人員拡大につながるからである)。
 つまり、人口政策は国防と同格であり、だったら財源については言うまでもなく「国債」なのである。しかもそれは、コロナワクチンや防衛装備などといった買ったら終わりの「エンドユース」ではなく、生涯賃金相当額で国内消費を起爆する投資的役割を果たす。この投資は社会全体で回収されうるものだ。
 (OHMSS《大宇陀・東紀州・松阪圏・サイト・シーイング・サポート代表》)

 ㈱メディカル一光グループ=本社・津市西丸之内=は、4月23日、ホテル津センターパレス5階伊勢の間で「新入社員旅立ちコンサート」を開いた。
 同社は「良質の医療・介護サービスをより多くの人に提供する」を理念とし、調剤薬局事業とヘルスケア事業、医薬品卸事業を展開。調剤薬局事業は、三重県、愛知県、大阪府、京都府を中心に1道2府9県で94店舗を運営。ヘルスケア事業では、三重県、愛知県、鳥取県、島根県を中心に「居宅系介護42施設(居室数1417室)をはじめ、幅広い介護サービス事業を行っている。
 今回のコンサートは、今年4月3日に入社した約30名の薬剤師が、3週間の研修を終えて各地の赴任地へ希望に燃えて旅立つにあたり、研修最終日に期待を込めて企画したもの。会場には新入社員を含めた約200名が出席した。
 冒頭、南野利久社長は同社薬局と患者さんとの間で交わされたほのぼのとしたエピソードを披露しながら「研修で学んだことを実践して頂きたい。大切なのは地域の方に根付く薬局を目指すこと。素晴らしい先輩達に倣って良い薬剤師になって頂きたい。また立派な社会人、愛される医療人となって頂くことをお願いする」と挨拶。
 コンサートでは、カーネギーホールのリサイタルで反響を得て国際的に活躍する声楽家・野々村彩乃さんのソプラノと、田中雅子さんのピアノで「さくら(独唱)」「ハナミズキ」「遠き山に日は落ちて」など11曲を披露。途中、田中さんのピアノソロで、もののけ姫から「アシタカとサン」を演奏した。
 特に後半では、メジャーナンバーとして知られる不滅の名曲「タイム・トゥ・セイ・グッドバイ」、さらにプッチーニが作曲した最後のオペラ、トゥーランドットから「誰も寝てはならぬ」を高らかに歌い上げ、新たな旅立ちを迎えた新入社員らにエールを贈った。
 新入社員らは「晴れの日にこんなコンサートを開いて頂き感謝します。明日から赴任地での仕事を頑張ります」と話していた。

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