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三重県立美術館の常設展示室第2室で特別展示「矢守一声展」が開かれている。会期は3月31日㈰まで。助成=(公財)三重県立美術館協力会。
矢守一声は、1881(明治14)年に現在の三重県津市に生まれ、1904(明治37)年に東京美術学校塑造科に入学。研究科在学中から展覧会や博覧会などに出品し、彫刻家として活動するかたわら、昭和初期には三重県工業試験場や三重県窯業試験場で技手を務めた。
美術学校時代に学んだ彫塑に加え、置物や花器、灰皿などを手がけ、また、三重県内に建立された銅像の制作にも携わった。戦後はテラコッタ(素焼きのやきもの)を中心に制作を続け、1961(昭和36)年に80歳でこの世を去る。
これまで、矢守の名が近代日本の彫刻史の中で語られることはほとんどなかったが、矢守が生まれ、そして後の半生を過ごした津市では、矢守を愛する人々のもとで作品が長らく大切に保管されてきた。
同美術館では数年前より所蔵者の協力を得て作品調査を行っている。今展示はその成果として、矢守一声という津に生きた彫刻家を広く紹介している。
観覧料は、一般310円、学生210円、高校生以下無料。開館時間は9時半~17時(入館は16時半まで)。月曜日は休館。
問い合わせは同美術館☎059・227・2100(代)へ。
2024年2月22日 AM 4:55