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津市のマイナンバーカードの人口に対する保有枚数率は70・8%。昨年のマイナポイント効果で申請する人が殺到していた昨年のこの時期と比べると市の窓口は落ち着いているが、政府が今年12月に現行の保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」へと移行する方針を示している。12月が近づくにつれ、申請する人の急増が予想されるため、津市でも早めの行動を呼びかけている。
マイナンバーカードは長らく保有する人の数が低迷していたが、国が昨年まで普及策として、新規取得申請、保険証利用登録、公金受取口座登録を行った人を対象にポイント付与を行っていたこともあり、全人口に対する保有枚数率は昨年末で約73%と大幅に増加。
津市の保有枚数率も70・8%で昨年のピーク時には、相談・申請などサポートをしている本庁舎1階ロビーのマイナコーナーは常に順番待ちが生じ、カードの交付(受取)窓口も平日・休日ともにフル回転で一日300枚ペースで行っていた。現在はその時と比べると、マイナコーナーや交付を受ける窓口は落ち着いている。
元々、保有枚数が伸び悩んでいた理由は、取得する明確なメリットが薄かったことが挙げられるが、津市でもマイナンバーカードを利用して、コンビニエンスストアで住民票の写しなどを取得でき、サービスを利用する人も日々増加している。
その他にも、マイナンバーカードの読み取り可能なスマートフォンを使ったポータルサイトを介したふるさと納税の手続き、国税電子申告・納税システムe─Tax、キャッシュレス決済の本人確認など、日常生活の中でも少しずつ使う場面が増えている。
そんな中で、政府が今年12月に現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化する「マイナ保険証」へ移行する方針を示していることもあり、申請が徐々に増え始めている状況だ。ただし、健康保険証との紐付けトラブルなど個人情報の取り扱いへの不安から、取得をためらう人がいるのも事実。政府も昨年末に個人情報とマイナンバーの紐づけの正確性を確認し、マイナポータルで閲覧できる29項目の総点検を行うなど信頼回復に注力している。
津市でも、現状人口約27万人のうちの約8万人がマイナンバーカードを保有していない状態であり、12月が近づくにつれて取得する人の増加が予想されている。
マイナンバーカードの申請はスマートフォンの操作がある程度できれば、それほど難しくはないが、苦手であればマイナコーナーで申請の支援をしてもらえる。また、イオンタウン津城山で2月16日~29日10時~17時、出張申請サポートを実施(顔写真撮影無料、予約不要、申請の所要時間約10分)。QRコード付き申請書があるとよりスムーズに申請ができる。先月はイオン津ショッピングセンターで実施したところ、買い物ついでに申請できるだけでなく政府の総点検実施後という安心感も手伝い、盛況だった。
申請を行った後は、一カ月ほどで交付通知の葉書が市から届くため、受け取る場所を予約した後に交付を受ける。健康保険証の利用登録はカードの交付を受けた後に行えるが、インターネットを介した設定などが必要なため、苦手な人は、カードの交付を受ける際に、窓口で支援を受けた方が良いだろう。また、申請する人が5人以上揃う津市内の企業の事業者や、自治体など市内で活動する団体を対象とした出張申請も実施している。
前述の通り昨年はポイント付与の締切近くで申請と交付が殺到したことを踏まえると、今年も12月が迫れば同様の状況になる可能性は高い。津市では落ち着いている今のうちに申請することを勧めている。健康保険証の廃止は国が最長1年の猶予期間などを設けるとしているとはいえ、早めの対応が確実だろう。
マイナンバーカードについての問い合わせや交付手続きの予約などは市民課マイナンバー担当☎059・229・3198、または国のコールセンター 0120・95・0178へ。
2024年2月8日 AM 5:00
今、NHK大河ドラマ「光る君へ」が放送されています。今年は平安時代の話で盛り上がりますね。紫式部の『源氏物語』は十一世紀の日本百科辞典と言われており、世界最古の長編恋愛小説です。最初の書き出しが「いづれの御時か――」と記され、さらりと中国古典、白楽天の長恨歌の出だしにひっかけており、漢文(中国文化)に精通した教養の深さを知らしめています。時代を百~五十年前をイメージして現実をフィクションの世界に写し、自由な発想で書かれたこの小説には当時の人物、風俗、心理をよく捉えています。彼女の生きた現実の世は摂関政治(天皇を補佐し、政治を行う)藤原道長の勢力の栄えた時です。道長は長女彰子を一条天皇の中宮にしょうと望み、優れた侍女(女房)に紫式部を選びました。
紫式部は宮仕えの呼び名です。本名は藤原香子(通説)。天延元年(973)頃に生まれ、長和三年(1014)四十一歳ごろに没したとされています。慣例に従い、紫式部としておきます。両親は藤原冬嗣の流れをくんでいましたが 父親藤原為時のときには末流となり受領階級(四等五等位の中流貴族は現地に赴任して行政責任者)になっています。『蜻蛉日記』の作者藤原道綱の母の父親藤原倫寧や、赤染衛門の父親赤染時用、清少納言の父親清原元輔も受領階級です。政治的にはダメであったが、文芸の世界で名をあげようとしました。
父為時は詩人で漢詩に強い人。母藤原為信の娘ですが紫式部が幼い時に亡くなり、弟惟規は歌人。姉は死去しています。父から漢学、和歌をしっかりと習っています。
五位以上の貴族層では赤ん坊が生まれると一人につき一人の乳母が付きます。乳母は授乳と養育を担当するので強い絆が出来ます。乳母からいろんな民話、昔話、説話、物語等を聞いて育っています。夢は上層貴族の妻になりたいとあこがれを持つ娘に育ちました。父為時は長徳二年(996)紫式部二十三歳ごろに越前守(現・福井県武生市の国司)になり就任します。一年後に彼女は一人帰京しています。二十五歳の時に親戚で父の同僚の藤原信孝と結婚します。20歳程年上の夫で、既に妻と5人の子供がいます。この頃は一夫多妻で三人の正式な妻を持つことができ、妾は多くあるのが当然の通い婚の時代です。
受領の娘が玉の輿に乗ったのです!紫式部は二七歳の時に女の子(賢子・大弐三位)を産み、幸せになると思えた時、夫宣孝は長保三年(1001)四月に伝染病でぽっくりと死んでしまいます。彼女はこの時にいやという程の生身のはかなさ、生き方を知ったことでしょう。
時の権力者藤原道長の強い要望で寛弘三年(1006)十二月に中宮彰子の家庭教師(女官)になり、約八年間の宮仕えをしました。宮仕えの前には『蜻蛉日記』の作者道綱の母の苦悩や物事を冷静に深く見る目に共感していますが、紫式部はもっと広い視野で社会に伝えたく女性としての人生の意義、あり方の全ての想いを込めて綴ったのが『源氏物語』であり、五十四帖の中の五帖ほどは書けていました。今の週刊誌を読む感覚で読まれていてすでに彼女の名は知られていたのです。
この時代の男は公的な文章を漢字で表し、女は和歌をもとにした仮名文字が作られた時で、まさに和風文字が興った頃です。女房日記はかな文字で自分の気持ちを客観化して述べており、後世への参考書となるように儀式行事を書きとめています。教養(書道、和歌、琴、縫う)にあふれた紫式部ですが、もう宮中を去って会った事のない清少納言(『枕草子』の作者)にライバル意識があり、高くそそり立つ岩に思ったのか日記の中に悪口を書いています。その性格の違いからか二人は見事な文学を世に残してくれました。
さて、『源氏物語』の夕顔の帖に書かれた六条御息所が光源氏との愛に溺れ、嫉妬に苦しみ生霊となり正妻や浮気相手を殺してしまう場面や、真木柱、夕霧の帖に現れるもののけ、生霊は恐い、すごいと思います。陰陽道の社会で生きた中古時代は恨み、妬み、恐れの想いが人を神経衰弱にさせ、ヒステリーにさせ、恐怖観念の精神の病となるのです。それらすべては紫式部そのものであり、自分を客観視しているところがスゴイなあ。
貴族の女性にとって子供を産むことが一番のしごとです。書く女性は文章の中で自己主張や、社会批判をします。正妻は財産を守り、夫のために衣服を縫い、家具調度品を整え、やまと絵や和歌をふすま等に書き、これらの和風文化の成立はまさに女のなす力です。女は強いです。藤原時代は女の時代です。
紫式部の『源氏物語』の根底には仏教思想を礎えにして男女の人間関係、罪、苦悩、人間の心身の変化を書いたものと思っています。彼女の作品は永久の読み物として人の心の中に残したのです。人間の愛は永遠です。
(全国歴史研究会・三重歴史研究会・ときめき高虎会及び久居城下町案内人の会会員)
2024年2月8日 AM 4:55
津市主催のバス・ウォーキングツアー「芸濃名所めぐり+津の名所旧跡 2024春夏」。
《バスツアー》
◆3月14日㈭=㋑石山観音磨崖仏めぐり四天王寺(歩く距離約1・6㎞)。参加費=1900円◆3月21日㈭=㋺浄得寺の五色椿とえんま堂(同約1・6㎞)。参加費=1300円◆4月4日㈭=㋩桜の名所普門寺・北神山花街道と初馬寺(同約2・1㎞)。参加費=1300円◆4月18日㈭=㋥龍王伝説の長徳寺と高山神社・津城跡(同約2・3㎞)。参加費=1900円◆5月23日㈭=㋭江戸時代の情緒残る楠原宿と寺内町(同約2・6㎞)。参加費=1900円◆6月20日㈭=㋬椋本宿散策と円光寺の沙羅双樹(同約2・8㎞)。参加費=1300円。◆7月4日㈭=㋣平維盛ゆかりの成覚寺、埋蔵文化財センターと津観音(同約2・8㎞)。参加費=1900円。
《ウォーキングツアー》
◆3月28日㈭=①安濃鉄道線路跡とミツマタの園(約5・9㎞)。参加費=1900円◆4月11日㈭=②長徳寺の龍王桜と錫杖湖畔(約6・9㎞)。参加費=1300円◆4月25日㈭=③伊勢別街道、楠原宿から椋本宿(約7・3㎞)。参加費=1300円◆5月9日㈭=④いにしえを偲んで歴史街道を歩く(約6㎞)。参加費=1300円。
発着場所・時間=①津駅東口のローソン前=9時半集合、16時着。②芸濃総合文化センター=10時集合、16時半着。
定員各20名(抽選、最少催行人数8名)。㋑㊁㋭㋣①にはスペシャルランチ「平家御膳」付。
申込は往復葉書で▼往信用表面=〒514─2292、芸濃総合支所地域振興課「芸濃名所めぐり」事務局▼返信用裏面=空白▼返信用表面=代表者の住所・氏名、申込コース▼往信用裏面=代表者の氏名・年齢・〒・住所・☎(携帯)、参加希望者の氏名・年齢・住所、参加希望コース、希望発着場所(①津駅前、②芸濃)。1枚の葉書で1ツアー日程3名まで申込可。複数のツアーは日程毎に別の葉書で申込。eメールの場合は、葉書の記入事項を参考に、件名を「芸濃名所めぐり申込」にし、226-2510@city.tsu.lg.jpへ送信。
締切はいずれも出発日14日前必着。
問い合わせは芸濃総合支所地域振興課☎059・266・2510へ。
2024年2月8日 AM 4:55