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津市のふるさと納税制度「ふるさと津かがやき寄附」の使途項目「津城跡の整備」への寄附金が7500万円を突破した。設立10周年を迎えた「津城復元の会」の募金活動や復元資金造成コンサートやコンペなど地道な活動で浄財を集めており、ふるさと納税の普及も追い風となり、年間1000万円前後が同項目に集まる。津市も津城跡の整備に動き始めており、〝津城復元〟に向けた期待が高まっている。
『ふるさと津かがやき寄附』の使途項目には、今から10年前の2014年より「津城跡の整備」が設けられており、全額が実質的な津城復元の基金として積み立てられている。
同じく10年前に設立した「津城復元の会」=西田久光会長=は松菱や津まつりをはじめとする市内イベントでの街頭募金、協力店への募金箱設置などを実施。更に、コンサートやゴルフコンペも企画し、そこで得た浄財も寄附している。
今年も4月14日に津リージョンプラザお城ホールで「津城復元第8回資金造成チャリティーコンサート」を実施。5月14日には、津市役所の前葉泰幸市長の下を津城復元の会メンバー、出演したマンハイム・カルテットの中村葉子さん、一絃琴正流・清壽会の津市分部、本願寺住職・荒井眞道尼、会場運営にも協力した安濃津ガイド会の藤本智恵子さんが訪れ、浄財60万3060円を寄附した。内訳はコンサートの収益金48万9270円、当日の会場募金9万3335円、藤本さんが会場で販売した津の銘菓の売上金2万485円。事務局長の小菅雅司さんが「今回は会場募金で9万円以上が集まったこともあり、皆さんにご協力を頂けて感謝している」と挨拶。前葉市長は「今日頂いたお金で、津城跡の集まった金額は7500万円を突破した。皆さんの積み重ねのおかげで大変重く感じている」と感謝した。更に、津城跡の石垣を傷めている可能性がある樹木を15本伐採したことや、今年は旧社会福祉センターの解体工事に向けた設計に入り、工事が終われば、天守台が見えやすくなるなど具体的な整備に取り組んでいることを説明した。津城跡の整備への寄附は4月末現在で7509万1287円。この日の寄附などを合わせれば、更に金額は積みあがっている。
近年では、ポータルサイトも充実し、ふるさと納税の返礼品の比較検討が容易。確定申告を受けずに寄附控除が受けられるワンストップ申請など、スマートフォン上で手続きが完結することもあり、制度の利用が当たり前となっている。そういった背景もあり、津城跡の整備の項目へは近年、年間1000万円前後が集まっている。津城復元の会が掲げてきた第一次目標の1億円の達成は近いとみられる。津城復元の会の西田会長はコンサートの際に「令和6年度を復元元年と位置づけている。目指すは2030年の津藩祖・藤堂高虎公が亡くなって400年。高虎公が津城の顔として建てた北面を復元したい」と語っている。官民協働で、中心市街地の大門・丸之内地区の新たな姿を描く未来ビジョンに基づく様々な取組みが進められているが、その中で津城跡も貴重な観光資源と位置付けられている。復元が実現すれば、経済的な波及効果も期待できるため、一層踏み込んだ議論が期待される。
※前号掲載の津城復元第8回資金造成コンサートの寄付額62万円は演奏会終了直後の速報値で、最終的には60万3060円でした。
2024年5月23日 AM 5:00
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