津市芸濃総合文化センター市民ホールで6月30日㈰、14時から(開場は13時30分)、芸能文化による地域おこしを目的とした地域劇団「芸濃い劇団 燦」の公演「平維盛」が上演される。入場無料。協賛=岡田文化財団、赤い羽根共同募金、芸濃文化協会。
 芸濃地域文化祭の一環。劇団の母体は「芸濃町を芸濃い町にする会」。同町椋本出身で東京で活躍してきた文筆家の伊藤裕作さんが地元の仲間と設立。日本で唯一の「げいのう」の名前を生かした地域づくりをめざし、東京の様々な劇団の公演を誘致するなど質の高い実演芸術を鑑賞する機会を創出。その次の段階として生まれたのが、芸濃町在住・在勤者による同劇団。現在は役者や裏方を含め、小学生から高齢者までが所属している。今回は、芸濃町河内で最期を迎えた平安時代の武将「平維盛」の生涯を演じる。
 維盛は、平家物語で登場する回数が極めて多い武将で、平家の栄華、衰退、滅亡の全てに関わり、平家一門の命運を担った中心的人物。祖祖父に「平忠盛」、祖父に「平清盛」、父は「平重盛」で平家直系の人物でもある。清盛の死後、平家は衰退を重ね、ついには源平合戦で敗れ滅亡。劇中では、時代の流れの中で本音と建前のジレンマに翻弄された維盛を現代に通じる人物として描く。
 また、今回の公演は、後白河法皇50歳の祝賀会で「光源氏の再来」と云われた維盛が「青海波」を披露したり、清盛が死後、閻魔大王の裁きを受けるにあたって死神を騙すところや、富士川の戦い、倶利伽羅峠の戦い、一の谷の戦い(各戦いにおいて、源氏方が諸葛孔明の助言で勝利する)、また、偽装入水後は芸濃町河内に逃げ落ち、熊野の人々を呼び寄せ「落合の里」を開村することろまでを演じる。