雨の道を歩いていたら、道路わきのコンクリートに黒いぶよぶよを見つけた。黒いワカメみたいなもの。これは知っている。排水の悪い空き地や運動場の隅にあった陸地の藻類だ。
 頭を絞ったら、名前が出てきた。イシクラゲだ。クラゲの仲間でもないのにどうしてイシクラゲというのだろう。キクラゲに似ていると言えないこともないか。
 コンクリートがぶよぶよで黒く覆われている様子は美しいとは言えない。我が家の庭にこれが繁茂したら、躍起になって駆除するだろう。
 このイシクラゲは食べられるらしい。昔から食用としている地域もあると聞いた。酢の物、味噌汁などにして食べるらしく、それはワカメと同じように食べられるということだ。
 栄養も豊富で漢方に利用できるとも。少し気持ちが悪いけれど試食してみたい気もする。
 ところで、アメリカやオーストラリアでは日本の船が持ち込んだワカメが大繁殖して嫌われているそうだ。ワカメを食べる文化は日本や朝鮮半島辺りにしかないそうで、アメリカの人がワカメを見る目と私がイシクラゲを見る目は同じかもしれない。どこかの地で食用だが気持ち悪いもの。
 柔軟に考えられるなら、イシクラゲを美味しく食べられるかもしれない。しかしながら固定観念は打ち消しにくく、すぐにはぶよぶよを食べられない。 (舞)