2024年6月

草深さん(左)と前葉市長

 6月14日、津市役所の前葉泰幸市長を、9月に宮崎県宮崎市の木崎浜海岸で行われる「第58回全日本サーフィン選手権大会」のSWガールズ(13~16歳)に出場する草深心虹さん(14、豊里中3年)が訪問した。
 草深さんは祖父、両親と共にサーフィンを楽しんでいた影響で幼少期より海に親しんでいた。11歳の時にサーフィンを始めると、すぐに頭角を現し、始めた年から4年連続で全日本選手権への出場を果たしている。サーフィンができる環境が家の近くにないため、現在も週末などの休日に家族の運転で、志摩市の国府浜にまで足を伸ばして練習を重ねている。 
 草深さんは前葉市長を前に「4年連続の全日本なので悔いのないように精一杯頑張りたい」と意気込みを語った。これを受けた前葉市長は「中学校最後の大会だが、高校生になるともっと大きな大会にも出られるようになると思うので、思い出に残る大会になるようベストを尽くしてほしい」と激励した。 

長井さん(右)と阿部会長

 13日、津市一身田町の高田高等学校で、女性による奉仕団体「国際ソロプチミスト三重」=阿部奈々会長=が、同校バトン部のSクラブ認証式を行った。
 Sクラブとは、奉仕活動を行っている学校のクラブを認証し、スポンサーとなった国際ソロプチミストのクラブが支援を行うというもの。同部は地域のイベントに出演したり、高齢者施設の慰問といった奉仕活動にも取り組んでおり、国際ソロプチミスト三重が支援を行うこととなる。
 認証式で、Sクラブとして認証を受け、会長を務めることとなった同部の長井咲椰子さん(18)は「これからも私たちの演技で地域の皆様に喜んで頂けるよう一層努力をしていく」と挨拶。
 阿部会長は「支援をきっかけに地域の皆様に溢れる笑顔を届けて頂けたら」と更なる活躍に期待を寄せた。

PVを超えた価値の創出へ 従来のモデルからの脱却図る

 日々の暮らしの中に潜む未知からまちづくりまで、多彩な三重の姿を発信しているウェブマガジン「OTONAMIE」。懐かしさとワクワク感が入り混じる様子を「オトナミエっぽい」と表現するファンもいるなど、独自の立ち位置を確立している。代表・村山祐介さん(44)にこれまでの歩みや、多くの県民が気付かない三重の魅力などを聞いた。全3回の第1回。(聞き手=本紙報道部長・麻生純矢)

OTONAMIE代表・村山さん

─まずは、多くの記者の目を通じて、三重県内の情報を楽しく発信するウェブマガジン「ОTОNAМIE(以下オトナミエ)」を始めるきっかけを教えてください。
 村山 きっかけは東京から帰ってきて結婚し、週末にどこに行けば良いかわからなかったことです。特に大学と仕事でブランクがあると、本当に情報が無くて。東京だと地下鉄の駅ごとにフリーペーパーがあったり、テレビですぐ行ける店が紹介されているので、それに慣れると情報がないのは大変。情報を意識し始めたのはここでした。
 ちょうどその頃、スマホが普及して皆さんがフェイスブックをやり始めました。私もデザインの仕事をしているので、情報をまとめたウェブメディアを利用することが多いのですが、これを三重県のローカルで利用できないかと考えました。
─ポータルサイト(様々なサイトへのリンクをまとめたサイト)みたいなイメージですか?
 村山 ポータルサイトはトップページに行ってそこから調べていくという感じですが、ウェブマガジンとかウェブメディアは、常に新着記事が上がっているニュースサイトみたいなイメージ。
 当時、地方創生って言葉も出てきていたのですが、なるべく難しい言葉を使わず、行政だと縛りがあって出来ないことをやろうと、アンドマーク㈱の佐藤成章君と二人で立ち上げました。
 始めた当初はどうすれば面白くなるかなど分かってなかったので絶対に一日一本記事をアップするというルールを設けていました。しかし、物理的に限界もあるし、2人の住んでる周りのことしか上がってこないから全然面白くなくて。当時ブログをやっている人も多かったのですが、個人のものはそれほど見てもらえていなかったので、そういった人が集まれば、書いたら見てもらえるという形を作れるのではないかと、2016年10月にオトナミエをスタートしました。
 最初は芸能人とのタイアップなど色々なことをしたのですが、その後に記者を募集をしたら一日20人くらい集まって、すぐに100人くらいになりました。現在ボランティアから本職のライターまで登録している記者が約220人。日々記事をアップするだけでなく、仕事やプライベートでも繋がる記者同士のコミュニティができたこともとてもよかったです。
─素晴らしいですね。一人で見えるものやできることには限界がある。記者同士で互いに高め合える環境は、かけがえがないと感じます。
 村山 掲載する記事の質について考えていく中で、とある記者さんに「オトナミエは雑多なのが良い」と言われました。記者それぞれの表現があるし、例えばトレイルランが好きな人はそれしか上げてこない。興味がない人には必要ないかもしれないけれど、やっている人には凄い情報。だから、色々な人が書きやすい環境をつくるために、問題のあるもの以外は、あえて記事の質というものを判断せず、掲載するようにしています。 
─ビジネスとしてページビュー(PV)数も意識してますか?
 村山 最初は凄く意識をしてました。でも、どれだけ頑張っても月間10万PVが超えられなかったんです。そんな時、滋賀県のしがトコというメディアの方とお話をして、やっぱりどう頑張っても月10万PVと言われました。「そもそも田舎でこれ以上は伸びへんのちゃう?」とも言われ、田舎においてPV数は意味がないと感じ、追うのをやめました。数ではないところに重きを置き始めると、気楽になって好きなことが書けるようになりました。
 最近、インスタグラムなどを見ていても、凄く沢山フォロワーがいるアカウントは、アルゴリズム(検索などで上位表示されるために必要なプロセス)に則った動画を上げていて皆同じスタイルになってしまいがちです。そういう時に、例えば、自分の子供の写真を上げている人の投稿を見るとほっこりします。むしろ、そっちの方が面白いんじゃないかと。
─確かにPV数を稼ごうと走り続けた結果、本末転倒になってしまうことはありそうですね。
 村山 従来のウェブメディアのモデルを継続させていこうとすると結果そうなってしまうと感じます。(次号に続く)

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