津市桜田町の鍼灸院「水谷はり灸」の水谷浩樹さん(52)は、日々心身の悩みで訪れる人たちに丁寧な施術を施す一方で、自身の技術を生かした能登半島地震の被災地支援やスポーツ大会の支援といった社会貢献にも積極的に取り組んでいる。
 鍼・灸は東洋医学に基づく伝統療法。水谷さんは高校生の頃、腰椎椎間板ヘルニアになり、1週間以上、寝たきり生活を送ることになってしまったが、ある鍼灸院で施術を受けたことで、無事に歩けるようになっただけでなく、数カ月でスポーツもできるようになった。その時の経験が強い憧れとなり、脱サラしてはり師ときゅう師の国家資格を取得した。来院する患者一人ひとりの身体やメンタルの状態を考慮しつつ、最適の施術法を考えてくれると好評。
 これまでも水谷さんは所属する公益社団法人日本鍼灸師会を通じて「世界マスターズ水泳選手権2023九州大会」にボランティアスタッフとして参加し、各国の選手のケアを行ったり、県内のマラソン大会などでアスリートに対するケアにも取り組んできた。
 今年1月1日の能登半島地震発生後には、「災害支援鍼灸マッサージ師合同委員会(DSAМ)」の一員として、大きな被害が出た珠洲市などで計7回ボランティア活動に参加。現地では、地面の隆起で水道管と共にマンホールが飛び出している様子などを目の当たりにして、改めて被害の大きさを感じると共に、住む場所を失った被災者たちが置かれている厳しい状況を目の当たりにした。水谷さんは、主に被災者支援に取り組む市役所や県庁の職員、警察官、自衛官などのケアを担当。彼らの身体に蓄積された疲れや精神的な負担が少しでも和らぐよう懸命に施術を行った。
 水谷さんは「これからも社会貢献を通じた鍼灸の普及活動に取り組んでいきたい。少しでも多くの方に鍼灸のことを知っていただきたい」と瞳を輝かせる。今後は障害者スポーツにも関わりたいそうで、社会貢献活動にも更なる意欲を見せる。
 問い合わせ☎059・202・7051。