JAF(一般社団法人・日本自動車連盟)三重支部(川喜田久支部長)は、猛暑日が続くことから車内温度の上昇による熱中症の発生に注意を呼びかけている。
 ◆エアコン停止からわずか15分で熱中症指数が危険レベルに
 JAFユーザーテストの実験によると、外気温35℃の時の車内温度は、エアコン停止からわずか15分で熱中症指数が危険レベルに達した。乳幼児は体温調整機能が未発達で、高温下では短時間で体温が上昇し死に至ることがある。寝ているからといって、わずかな時間でも車内に子供を残すのは危険。高齢者も加齢に伴い体温調整機能が低下するため、同様に危険。 空気循環がない車内では日光で温められ空気が溜まり、想像以上に温度が上がる。たとえ短時間でも人やペットを車内に残さないことが重要。
 ◆高温になる車内温度を最も早く下げるには
 同じ車を5台用意し、車内温度が55℃の高温になったタイミングで5名のモニターが、それぞれ違う方法で温度低下に取り組んだところ、
 ①エアコンは使わず、助手席の窓だけを開け、運転席のドアを5回開閉して車内の熱気を逃し、温度変化を測定
 ②エアコンは使わず、冷却スプレーをシートに10秒ほど吹きかけ、3分間の温度変化を測定
 ③窓は開けず、車のエアコン(オート)を外気導入、温度設定は最低にし、10分間の温度変化を測定
 ④窓は開けず、車のエアコン(オート)を内気循環、温度設定は最低にし、10分間の温度変化を測定
 ⑤窓を全開にし、車のエアコン(オート)を外気導入、温度設定は最低にして走行。2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環にして3分間走行し、温度変化を測定
 結果は、エアコンを使わない「ドア開閉」は47・5℃、「冷却スプレー」は3分後に50・1℃に低下した。
 エアコンを使用した3パターンのうち、最も温度が下がったのは「エアコン(内気循環)」で10分後に27・5℃、「エアコン(外気導入)は10分後に29・5℃、最も早く下がったのは「エアコン+走行」で5分後に28℃まで低下した。
 この「エアコン+走行」が最も効率的で、環境面のメリットも多いことが分かった。
 因みに、車のボディにバケツ(8リットル)で3杯分の水をかけても、車内温度は0・9℃しか下がらず、効果は限定的だった。
 また、車内温度が下がっても、ハンドルやダッシュボードなどに熱が蓄積していて、あまり温度が下がっていないことがあるので注意が必要。高温になっているチャイルドシートの表面やベルトの金具でやけどを負う事例もあるので、子供を乗せる際などは十分に注意することが大切、としている。