リパラリンピックに出場した岡田和也さん(中央)と伊藤会長(左)

 17日、パリパラリンピックの射撃競技に日本代表選手として出場した岡田和也さん(54)が母校・高田高校で、激励会と報告会に参加した。
 主催したのは、高田中学校、高田高校、高田短大の卒業生による高田学苑樹心同窓会。
 岡田さんは2006年に事故で左腕を失ったが、47歳の時に射撃と出会い、競技に打ち込み、パリパラリンピックの代表選手に選ばれた。しかし、選手村入りした後は、体調不良などで本領発揮ができず、目標の8位入賞に届かず悔しい思いをしたことを同同窓会の伊藤清一会長らの前で語り、「準備をしっかりしたつもりでも、準備を怠ったと感じた。次はそういったことも想定してメンタル的にもきっちりしていきたい」と4年後のロス五輪にチャレンジすることを誓った。
 伊藤会長は「本当の力を出せなかったかもしれないが、良い経験をされたと思う。もし、良い成績を残していたら、今の心境はなかったかもしれない。失敗を次に生かしていけば良い」と岡田さんを激励した。 

 草津宿橋を渡って少し歩くと、眼前には草津川跡公園が広がっている。前回紹介したが、この辺りは周囲の集落よりも高い場所を流れる天井川だった草津川があった場所で、廃川となった跡地を都市公園として再生。公園は東側のde愛ひろばと西側のai彩ひろばに分かれており、民間企業による指定管理が行われている。旧東海道沿いにあるのはde愛ひろばの方。余り長居はできないが少し公園に立ち寄ってみると、遊具や交流施設などが設置され、四季折々の花が楽しめる庭園といった市民の憩いの場としての機能だけでなく、飲食店なども整備されており、多様なニーズに対応できる非常に洗練された印象を受ける。また、長年に亘って人口が増え続けてきた草津市の勢いを具現化しているようにも感じる。一昔前は公共事業によって作られる施設(ハード)よりも、人(ソフト)への投資にシフトする流れもあったが、優れたハードは地域の付加価値となり、また次代を担う子供や若者たちが地域に愛着を持つきっかけとなると感じる。要はハード、ソフトの区別ではなく、投資の有効性を考えるべきなのである。
 この公園の中に、定期的に水が足元から噴き出て、中で遊べる噴水がある。そこで地域の保育園児が遊んでいる姿を少し離れた場所から眺める。水が噴き出るたびに、満面の笑みではしゃぐ子供たちの姿を見ていると、これまでの疲れが吹き飛ぶ気がする。昨年に息子を授かって以来、色々な考え方が変わった。不妊治療を乗り越えて、結婚9年目にして授かったという経緯もあり、子供を授かることはとても難しいことであると実感した。また、息子の世話をしていると、子育ては大変と感じる一方で、両親や祖父母が愛情を惜しみなく注ぎ、世話をしてくれたおかげで今の私があることを改めて認識できる。息子が不意に泣き出した際など、周囲に迷惑をかけてしまうこともあるが、自分も世間に大目に見てもらってきたのだと考えられるようになって、視野が広がった。元々、子供は好きだが、こういったことを経て、より温かい目で見守れるようになっている。ただ、私は現在45歳。還暦を超えても、まだ息子は高校生なので、様々な心配事もあるが、今後も親子ともども成長していきたいと願うばかり。
 さて、旧東海道に話を戻すと、ちょうど公園の下を中山道と東海道の分岐点となる隧道(トンネル)が通っている。トンネルができる以前は、草津川を渡って北へ進む中山道と、東へと進む東海道という形になっていた。中山道は東海道と同じく東京日本橋と京都の三条大橋を結ぶ街道。その名の通り、海沿いを通る東海道と比較すると、中山道は約40㎞長く、現在の滋賀県、岐阜県、長野県、群馬県、埼玉県といった内陸を通るのが特徴。途中に碓氷峠などの難所もあり、冬季には雪が積もる地域も多かったこともあり、宿場の数は67と東海道よりも多いのが特徴。私は、東海道の影響を大きく受けた文化圏に育っており、中山道とはなじみが薄く、かつての宿場町であった関ヶ原や奈良井宿や馬籠宿などの観光地を訪れたりした程度である。しかし、JR東海道本線や東海道新幹線はその名とは裏腹に、岐阜県から京都府の区間は中山道に近いルートを通っているのが面白い。機会があれば、徒歩旅をしたい街道である。
 また、隧道から南へ進むと草津宿本陣がある。本陣とは、江戸時代に大名、旗本などが宿泊した施設。ここは敷地や建物が現存している本陣の中で最大級の大きさを誇り、国指定の史跡にもなっている。交通の要衝だけに忠臣蔵でおなじみの浅野長矩(内匠頭)と吉良義央(上野介)が事件の直前に宿泊したり、土方歳三ら新選組が宿泊した記録も残っている。
 残念ながら来年の3月末まで耐震工事の実施中で見学はできなかったが、工事をしている職人たちが施設の周囲を行ったりきたりしている光景を見ることができた。この本陣の歴史的なイベントに立ち会えて幸運だと思うことにしよう。何事も前向きに捉えられることが私の数少ない特技といえるかもしれない。(本紙社長・麻生純矢)

固定電話に総務省から電話がかかってきた。「総務省電波監理審議会です。あと二時間で現在お使いの電話機、すべての通信サービスを停止させていただきます。オペレーターにおつなぎをご希望の方は1を押してください」
 なんで総務省からと考えて、すぐに詐欺電話だと思った。そんなお役所から電話があるはずがない。もちろん1を押さなかった。
 でも、あわてて番号を押してしまう人もいるだろう。押したらどうなるか。お金や個人情報を盗られるだろうか。カモリストに載るだろうか。
 詐欺電話を受けた経験はこれで二度目だ。何年も前には娘が泣きながら「お母さん」と電話をかけてきた。ちょうど、娘が目の前にいる時で笑ってしまった。でも娘がいない時なら、あたふたしたかもしれない。電話の声は上手に泣いていた。
 スマホに入ってくるメールにも怪しいものがある。そんな時はメールの文言を検索してみる。すると詐欺だと分かる。知らない電話番号からの電話は取らない。そして相手の電話番号を検索する。詐欺に注意という番号かもしれない。
 テレビのニュースで詐欺の話を聞くたびに、どうしてそんなものに引っかかるかと思うが、実際に電話を受けてみると慌てる。「なんでなんで」とうろたえる。電話が来たらまず疑うなんて、なんとも不穏な時代である。
       (舞)

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