先日、道路工事の人にお母さんと呼びかけられた。「お母さん、ここ通れないんで、あちらから回ってもらえませんか」比較的丁寧な言い回しだったから素直に従ったけれど、なんだかモヤっとした。「私はあなたのお母さんじゃない」口には出さなかったけれど、表情は硬くなったと思う。
 結婚していても子どものいない女性がいるし、近頃は結婚しない人も多いからお母さんと呼ばれた経験のない人もいるだろう。そんな人ならもっと違和感を覚えたはずだ。
 「おばあさん」と呼ばれなかっただけでもましだろうか。「おばさん」「奥さん」「お姉さん」「お嬢さん」女性の呼び方はいろいろあるが、どういう呼び方ならすんなり受け入れられるだろう。
 テレビの街頭インタビューなどでリポーターが「お母さん」「お父さん」と呼びかけるのを見ることがある。親しみのある呼び方をしたかったのだろう。そう呼ぶと距離が縮まる感じがする。私をお母さんと呼んだ工事のおじさんもフレンドリーに対応してくれたのだと思う。
 でも知らない人をお母さんと呼ぶのはペケだ。相手を不快にさせる可能性が高い。「あのう」「ちょっとそこの方」「すみませんが」のような声かけが妥当だろう。
 もしも「お姉さん」と呼ばれていたらどうだったろう。ニヤリと受け入れただろうか。

       (舞)