この木なんの木、きになる木(日立の樹のコマーシャル)の歌は楽しいリズムなのでつい口ずさんでしまいます。〝き〟は私にとっては木=気と思っています。〝気〟とは空気、気配、気勢、心の働きです。〝気〟はエネルギー即ち波動です。〝気〟には体力(健康)、心力(心の持ち方)、炎力(決断力)の三つの力が大切です。心を持つと何でも創造できます。それが人生となり運命となります。現代の野球界の大スター大谷翔平さんは高校生の時に人生の設計図を描いて、それに向って進んでいるそうです。
 戦国時代から江戸時代へと変えていった徳川家康、立花宗茂(豊後柳川藩の大名)らを始めどの藩の武将にも三つの力は大切なものです。そしてわれら津藩祖藤堂高虎はこの三つの力を持っていました。体力はしっかりと食事をし、健康でいる事です。心身ともに若くありたいと願う心には限界がないです。高虎は幼い頃からよく食べており身長は191㎝、体重は113㎏の体作りをしています。健康でいると明るい心となり、それに伴って自然と笑顔や感謝の気持ち、やる気が出てきます。
 心力(心の持ち方、精神力)は相手を大切にし、思いやりの言葉、努力する事です。高虎は戦国の世から戦いのない平和な国になるようにと木下秀長や徳川家康と共に協力し、努力しています。そして江戸時代の260余年間に転封なく伊勢の地の津藩を守ったのは領民の信愛でしょう。今を生きるようにと命の大切さ、人への情け、思いやりの大切さ、人の意見を聞く心の余裕の事や、言葉使いや礼儀を正しく、親孝行せよ、夫婦仲良くあれ等と遺訓にしっかり書かれています。また、炎力(やる気、決断力)は挑む心です。楽しみ、かつ挑む精神を持っている事です。そして次へと繋ぐ気持ちが一杯です。伊賀上野城は高い石垣(30メートル)に天守閣を造り、徳川家康の世になるようにと働いています。彼の心は炎の如く、篤くあります。本当に高虎はすごいなぁ。
 さて、この同時代に生きた女性を挙げるとすれば、阿国(かぶき踊りの創始者)です。出雲大社の(鍛冶職中村三右衛門の娘)が大社修理の寄付集めの為に「やや子踊り」「念仏踊り」で諸国を踊り歩きました。当代一流の美人芸人でやがて阿国歌舞伎踊りといわれ、創始者になっています。頭巾をかぶり、男衣装に刀をさし、鉦をたたいての踊念仏です。若衆姿です。当時は芸能も戦国時代で雑芸が多くありましたが、抜きん出た第一人者として阿国が華々しく登場し、拍手喝采で民衆の心をつかみます。
 夫の名古屋山三郎(元は蒲生氏郷の小姓。氏郷の死後は浪人となるが、風流の道に詳しい人で、阿国と出会い夫婦となる)は阿国の演出者、指導者で新しい曲を作ります。阿国は華美、優美、滑稽な踊りで人気を集めました。
 夫との死別後にも阿国は燃えたぎる心意気と民衆の熱狂的な後押しを受けました。そして越前中納言秀康(結城秀康、徳川家康の子)に褒められ、江戸城中で興行をして日本芸能史上の不滅の名を残しています。
 しかし、阿国に対抗した京の「六條」の遊女グループや江戸吉原の遊女達も演ずるようになり風紀が乱れたので寛永六年(1629年)に女歌舞伎は禁止となりました。それ以降は若衆歌舞伎と呼ばれる男優だけになり、現代に繋がっています。歌舞伎はいいなあ。阿国の出現は民衆に楽しさ、明るさの心力と炎力を与えています。
 先人たちは生きる知恵、人としての道、心の持ち方を現代の私たちにプレゼントしてくれています。
 すべての人が愛、思いやり、決断力を持っています。わたしも頑張って生きようーと‼
 (全国歴史研究会 三重歴史研究会 ときめき高虎会及び久居城下町案内人の会会員)