すすり泣く恋の草という名前を聞いたのは中学の社会見学だ。観光道路を通った時に、バスガイドさんが斜面を指して「あの草はすすり泣く恋の草です」と言った。中学生だからすぐに反応した。恋の草だって。慌てて窓から眺めたが、あっという間に通り過ぎてよくわからなかった。
 英語で言えばウィーピングラブグラス。道路法面の緑化用にアメリカから入れた草だという。根がしっかり張るので土砂崩れ防止の役に立つそうだ。
 恋の草はかれんな花だろうと思ったが、カヤだった。和名はシナダレスズメガヤ。今はあちこちで見る。中央分離帯や歩道のアスファルトの隙間に生えている。
 確かにしなだれて優雅に揺れるが、腰の高さを超えるほど大きな草だ。しっかり根を張り、引き抜けない。小さな株を引いてみようと試みたが無理だった。雑草として嫌われものとなっているだろう。
 こんな草の種を輸入しないで法面にはススキやチガヤを蒔けばよかったのにと思う。それらもしっかりと根を張り土砂崩れを防ぐだろう。
 外来植物はどんどん増えている。人の生活がグローバル化してきたから、外国の植物が入ってくるのも無理はない。園芸種として売られていたものも、強いものは雑草となっている。見慣れない雑草はすべて外来種だ。オオキンケイギクが咲き誇っている。           (舞)