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名松線を応援する人々
松阪市の松阪駅から津市美杉町興津の伊勢奥津駅に至る『JR名松線』が、今年3月26日に全線復旧することを記念し、同線を応援する人々を紹介していく新連載(不定期掲載)。
第1回目にインタビューしたのは、津市商工会美杉支部女性部の有志7名が、伊勢奥津駅近くで運営するミニ道の駅「かわせみ庵」の代表で、美杉町が拠点の市民活動団体「名松線を元気にする会」の会長も務める中田かほるさん(70)。
──「かわせみ庵」について教えて下さい。
中田 私は一志町出身で美杉に嫁ぎました。そのあと40年程前に夫と電気屋を開き、商工会の役員になり地域住民と交流するようになりました。そして同線で伊勢奥津駅に来てくれる人の「休憩したりお茶を飲める場所がほしい」という声に応え、平成21年3月にかわせみ庵を開設。寄席や、餅花飾り作り体験教室を開催し続けてきました。
例えば体験教室の参加者は(例年は地元の人も多かったが)、昨年は町外の人ばかりでした。
──幅広い地域に人気が広がっているのですね。「名松線を元気にする会」での活動も教えて下さい。
中田 自分自身も楽しみながら「鉄道まつりin美杉」などを開き、沢山の人に集まってもらっています。イベントだけでは一過性に終わってしまうので色々な事も考えていかなあかんけど、まずイベントは残していきたい。そして当会が単独で主催するのには限界があるので、行政、つまり津市も一緒になってやってもらい、一つの鉄道イベントとして残していけるようにしたいです。
──復旧を前に、お気持ちを聞かせて下さい。
中田 21年の末頃に(一部区間で鉄道の運行が)廃止になるかもと聞いた時は、それはもうショックでした。名松線ありきの美杉だとずっと思っていたから。存続のために自分のできることはしようと、署名活動にも参加して多数の署名を集めました。
復旧が決まった時は嬉しさ半分、そして「今後、また何かあった時に廃止ですと言われやんように、今から私ら頑張らないかんと」と。ローカル線が大好きな当会の皆も一緒の気持ちです。3月26日は一つの節目でこれからがスタート。自分が元気な間は、名松線と一緒に走り続けなければいけないと思う。(敬称略)
《※名松線は、21年10月の台風の被害により家城駅(白山町)~伊勢奥津駅間で鉄道を運休し、代行バス輸送を実施中。
同線は沿線の人口減少などの影響で元々、利用者が少なく、一時は同区間の鉄道輸送廃止が危ぶまれたが、住民らが全線復旧を望む署名活動を実施。23年、JR東海・三重県・津市が運行再開に向けた3者協定を締結し、先月、JR東海が3月26日に全線復旧することを発表した》
2016年1月21日 AM 4:55