地域

 津市西丸之内の一角にひっそり佇む昭和レトロな喫茶店「珈琲の正田」が4月末に閉店する。半世紀以上にわたり地域に愛され続けた名店について、子どもの頃から通っているという古金谷久さん(68・津市野田在住)が店主の正田夫妻に感謝の意味を込め、本紙にその想いを綴った記事を送ってくれた。ここに紹介します(文・写真とにも古金谷さん提供)。

 タバコをくゆらせコーヒーの味と香りを楽しむ、そんな昭和の雰囲気が残る津市西丸之内の「珈琲の正田」が閉店する。同店は昭和47年4月にオープン。現在まで51年間の長きにわたり、こだわりのサイホンでたてたコーヒーを提供してきた。当時の僕ら、高校生には少し背伸びをした味だったかも知れない。大将(僕らはそう呼ばせていただいていた)も88歳の米寿を迎え『そろそろ引退』と思われたそうだ。
 使っているコーヒーカップはNIKKO(ニッコー社)製の「山水」。昭和41年に武道館で初来日コンサートを行ったザ・ビートルズが楽屋で紅茶を楽み、寛いでいたカップと同じだ。豆は大将が津に来る前に大阪の十三の店で使っていたアラブコーヒー、ブルーマウンテンは共和珈琲の豆を仕入れ続け、今まで「正田」の味を守ってきた。
 今では数少なくなったコーヒーとタバコを味わえる喫茶店が、また一つ姿を消す。

 2月20日~3月末まで津市新町会館(津市新町3丁目4の23)で『谷川ことすが書道コンクール作品展』が開かれている。
 江戸時代に活躍した津市出身の国学者で我が国初の五十音順の国語辞典「和訓栞」などを著した谷川士清の顕彰活動を続ける「谷川士清の会」=池村幸久代表=の主催。
士清は和訓栞の他に、日本書紀全巻を注釈した「日本書紀通証」も著し、本居宣長とも交流を持つなど、国学分野に大きな足跡を残している。コンクールを通じ、士清への理解を深めてもらおうと同会が毎年開催していたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今回は3年ぶり。津市内の小学3年生から中学生の540点が集まった。
 作品は「和語通音」「反故塚」「和訓栞」など、学年ごとに決められた士清ゆかりの言葉をテーマに書かれた。一人ひとりのみずみずしい感性が感じられる書を来場者は微笑みを浮かべながら観ていた。
 士清の誕生日が旧暦の2月26日であることもあり、それと同じ日の26日には、上位入賞者を招き表彰式を実施。前葉泰幸市長が「長い人生の中で字が上手いことに損はないです。皆さん、津市には士清さんがいたことを胸を張って他の地域に話してほしい」と地元の偉人に対して児童・生徒が興味を持って書道に臨んだことを喜んだ。
 その後、前葉市長から入賞者に表彰状が手渡された。
 谷川士清大賞受賞者は(敬称略)=小学生の部…今西結菜(南立誠小5年)、中学生の部…宇陀和(橋北中2年)。

津警察署協議会の委員が

 9日、「津警察署協議会」=杉田真一会長=の委員8名が津市高茶屋の県機動隊庁舎で訓練の見学などを行った。
 同協議会は、警察署から委嘱を受けた委員から警察業務について住民の意見を聴く機関として、全国に1269カ所ある警察署のすべてに設置され、それぞれ年間4回協議会が開かれている。委員は、管内の住民のほか、地方公共団体や学校の職員など、地域の安全に関する問題について意見や要望などを表明するに相応しい人物に委嘱している。
 今回は爆発物対策部隊が爆発物を処理する訓練などを見学。テロ対策など、爆発物処理の現場で使用する30キロ以上ある防護服やヘルメットを身に着けた隊員たちから説明を受けた。
 杉田会長は「本来あってはならない不測の事態に備え、訓練する隊員たちに頭の下がる思い」と敬意を表した。その後、委員たちは津警察署に移動し、管内で発生した事故や事件の現状に関する説明を受けた。

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