地域

津市では8月~11月までの全15日間、JR名松線伊勢奥津駅(美杉町奥津)~道の駅美杉~北畠神社(何れも同町上多気)間で、無料の臨時バスをシャトル運行している。
同線は今年3月、約6年半ぶりに全線復旧し、活性化に向け観光路線化が課題となっている。
無料臨時バスは、同駅から多気方面の観光拠点までのアクセスを改善し、利用者数の増加を図ることなどが目的。GWにも10日間運行され、2166人(津市調べ)が利用した。
運行日は8月7日、11~14日、28日、9月18日、10月10日、16日、11月3日、5日、6日、11~13日。
定員は一便24名。ダイヤは、市の広報8月1日号とHPに掲載。問い合わせは美杉総合支所地域振興課☎津272・8080へ。
《名松線・無料臨時バスで行ける8月~11月のイベント》
▼今日11日18時半~21時=美杉中学校グラウンド(同線伊勢八知駅からすぐ)で、第28回みすぎ夏まつり納涼花火大会。※帰路は臨時列車が運行。
▼8月28日10時~16時=同道の駅で、サンクスフェスタ、ウッディフェスタ、美杉なぁなぁまつり。美杉なぁなぁまつりは伊勢奥津駅会場もあり。
▼9月18日9時半~=多気地区周辺で、セラピストと過ごすセラピー満喫の休日(霧山コース)。
▼11月11日~13日=同神社境内の北畠氏館跡庭園でライトアップ。有料。

大いに盛り上がった久居病院夏まつり

大いに盛り上がった久居病院夏まつり

津市戸木町の久居病院で8月4日夜、同病院主催の久居病院「夏まつり」が開かれ、多くの地域住民や患者らが夏の風物詩を楽しんだ。
同病院では毎年盆踊り大会を開いてきたが、今まで以上に地域に開かれた病院として、また地域に信頼される病院として患者の家族、地域とのつながりを深めていこうとスケールアップし、「夏祭り」に改称。
新久居音頭、炭坑節などの盆踊りに加え、カラオケ大会やじゃんけん大会、バザーなど、来場者と施設利用者が楽しめる参加型の様々な内容で盛り上がり、最後は華麗な花火で締めくくった。

7月30日~8月3日にかけて広島県で開かれた「全国高等学校総合文化祭(全国高文祭)」の弁論部門に、津商業高校3年生の古川拓実さんが出場、「文化連盟賞」を受賞した。
高文祭は、運動部の全国高校総合体育大会(インターハイ)と並ぶ文化部の全国大会に位置づけられるもので、演劇や合唱をはじめ、弁論部門など19部門がある。
弁論部門は8月1日と2日にわたり三次市で開かれ、三重県から三重県高等学校文化連盟の審査を経て出場。演題は「向上心の力で」は、何気ない日常生活を送りながら気づいた社会問題に対して、昨夏の津商業野球部の甲子園出場へのプロセスを追いながら、個々の向上心が重要であることを聴衆に訴える内容。
同校では、弁論部門への指導を「課題研究」の授業で行っており、昨年の稲垣すみれさんの「一本の木」に続き高文祭弁論部門へは2年連続の出場となった。
ここに、古川さんの全文を紹介する。

向上心の力で  津商業高校3年生  古 川   拓 実

何でもない、どこにでもあるような日常。朝起きて、歯を磨き、朝ご飯を食べて、学校に向かう。しかし、このような日常は、砂でできたお城のようなものかもしれません。
二年生の秋、私はある一冊の本に自分の視野を大きく広げられました。「日本はこのままではいけない」そう感じた著者が現状を変えるために書いた本です。それまで日常に危機感をまったく覚えていなかった私は、当然ながらその内容に驚愕するしかありませんでした。その内容とは、今、日本の人口がものすごい勢いで減っているということです。「別に驚くようなことじゃない」そう思う方もいるでしょう。しかし、この国では今まで急激な人口減少が起こったことはありません。これは私たちが、先代の誰も経験したことのない時代の真っただ中にいることを示しています。前例のない社会の中で、明確に何が起こるのかを予測することはできないでしょう。少なくとも、これまでのやり方では通用しないかもしれません。これは日本の大きな危機ではないでしょうか。
我が国の人口減少を危機だと認識した私は、改めて社会にどのような問題があるのかを見渡してみました。千兆円単位の国の借金、異常なまでの自殺率、まだ食べられるのに捨てられてしまう大量の食べ物。とても大きな問題が日本にはいくつもありました。この本に出合うまで、私は事の重大さに気づくことができていませんでした。もしかしたら、今ある便利な生活に満足して日本のことをよく考えていなかったのかもしれません。
多くの問題に気づいて危機感がさらに大きくなった私は、このままでは日本がよくなっていくのは難しいのではないかと思うようになりました。私の大好きな日本。私は日本をよくしたいです。だから今のままではいけないと思いました。
去年の夏、私の通う津商業高校の野球部は、甲子園に初出場という快挙を成し遂げました。これはものすごい奇跡だったように思います。私はテレビの前でこの場面を目の当たりにしたのですが、一年を過ぎた今でも、その光景は克明に浮かび上がります。
県大会の決勝戦、相手は春季大会で敗れた高校でした。ゲームが始まって、津商は四回までに三点を入れられますが、五回に点を返して同点とします。「さあ、これから勝ち越していくぞ!」そう思った矢先、相手校に一点リードされてしまいました。しかもそのまま、七回にも一点、八回にも一点と、じわじわと点差を広げられていきました。残っているのはあと一回。津商チーム最大の危機です。もう駄目だ。そんな否定的な思いが幾度となく押し寄せてきましたが、勝ってほしいと私は願い続けました。野球部がいつも夜遅くまで練習しているのを何度も見てきたし、雨の日だって休まず基礎練習をしていたことも私は知っているからです。しかし、津商のゼロの並ぶ得点版と、毎回点を挙げている相手校の得点板を見比べていると、「やっぱり負けてしまうのではないか」そんな思いがどんどん大きくなっていきました。「もう駄目だ」私が諦めかけた時、逆転劇は起きたのです。
津商は三点もの点差をどんどん縮めていきました。私はいったい何が起こっているのかわからなかったです。相手校との点差がなくなったとき、「もしかしたら、勝てるかもしれない」そう思いました。そしてついに大逆転勝利を収めたのです。あの崖っぷちから、どんでん返しの五点をもぎ取り、甲子園への切符を手にしたのです。
ここで私は、「向上心の力」がどれだけ大切なものなのかを、声を大にして皆さんに伝えます。この大きな危機に直面したとき、野球部員だけでなく、スタンドの応援団、親、同級生のみんなが危機感を持っていたことが、困難を乗り切る力を生むきっかけになったのだと私は考えます。一人ひとりの危機感が、勝とうという心、すなわち向上心を生み出したのではないでしょうか。この心がみんなに芽生えたことで奇跡的大逆転は起きたのだと、私は思います。
今ある便利な社会は、先代が向上心を持って行動したからこそあるものです。私たちは、自分が快適に生活できているからといって、そこに身を委ね続けていてはいけないでしょう。先代が向上心をもってして便利な社会を残してくれたように、私たちも向上心を持ち、未来を生きる子ども達によりよい社会を残していかなくてはならないと思います。
日本が抱えているいろいろな危機は、どれもこれも簡単に解決できる問題ではないと思います。むしろ難しいものかもしれません。しかし、それをほったらかしにしていては、ただでさえたくさんある国の借金はさらに膨らみ、高い自殺率はそのまま、食べられるはずの食べ物は捨てられ続けることになります。これらの問題に手を付けないままにしておいていいのでしょうか。いいえ、良いわけがありません。子ども達に、今ある問題を先送りにしていては、よりよい社会を実現することはできないでしょう。よりよい未来を創るためにも、私たちは向上心を持つべきです。そうすればきっと、この野球部のように日本のピンチを救うドラマを起こすことができます。役者はあなたかもしれません。みんなで日本を変えてみませんか。「向上心の力」で。

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